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終わらない青春の中で  作者: 白月 海
52/61

52話 春桜高校vs東条高校

「よし、そろそろコートに向かおう」


「はい!」


「烏山、東仙寺!ゲームメイクは任せたぞ」


「分かりました!」

「ああ」


...最後の試合が始まる。

春桜高校は3回戦の試合も見事に勝利したからだ。

そして、最後の対戦相手はもちろん東条高校。

圧倒的な力で勝ち上がってきていた。


「あいつは、任せてもいいんだよな?」


「...ああ」


あいつというのは畑ヶ田の事だ。


アップの時間が終わり、二校は整列する。


「これより、最終試合を行う!両校、礼!」


「「よろしくお願いします」」


「ジャンパー、前へ」


ジャンパーは烏山、東条高校は越智田だ。

選手の準備が出来たのを確認すると、審判がボールが投げた。

試合開始だ。


「ふんっ!」


「くそっ!」


最初にボールを手にしたのは畑ヶ田だ。

越智田は身長・ジャンプ力が高い。

ジャンプボールやインサイドでは東条高校が有利だ。


「いくぜー!」


余裕の表情で仁井達のディフェンスを潜り抜け、ゴール下へと突っ込んでいく。


(下手なディフェンスだ...なっ!?)


だが、持っていたはずのボールがいつの間にか無くなっていた。

真琴が死角から奪い取ったのだ。


「走れ!!」


その声で春桜高校の選手達は一斉にゴールに向かって走り出す。


「こっちだ!」


一番前に走っちた烏山へ、真琴の早いパスが通る。


「よしっ!」


レイアップシュートを放った。

...しかし


「させん!!」


「何っ!?」


そのシュートは越智田によって防がれた。

そのままボールはコートの外へ弾き出される。


(あの図体であの速さ...さすがは強豪校のキャプテンだな)


「悪い、真琴...せっかく先制点のチャンスだったのに」


「気にするな。だが、あいつは厄介だな」


「...そうだな」


再び春桜高校のボールになる。

どの選手もディフェンスが上手く、中々捌けずにいた。


「先輩!」


「仁井!ナイスだ!」


仁井のスイッチにより、ボールは真琴へ。


「さっきのはマグレだろ!」


真琴のディフェンスをするのは畑ヶ田だ。

スイッチで遅れたせいか、少しだけ距離が空いている。

その隙を見逃さない。


「っ!?」


真琴はシュートを放った。

打点が高く、畑ヶ田の身長でも届かない。


スパッ


そのシュートはリングに当たる事無く、吸い込まれていった。


「っし!」


3Pシュート...中学生の頃、真琴が一番練習していたものだ。


「くそっ」


ボールを取られた上でシュートも決められた。

畑ヶ田は、この短時間で苛立ちを覚える。


「落ち着け、まだ試合は始まったばかりだ」


「...先輩」


「お前があいつを舐めすぎた、ただそれだけだ」


「...うっす」


越智田は畑ヶ田を宥めて、普段通りの顔つきに戻った。


(あのまま、苛立った状態だったらまだラクだったが...そう上手くはいかないか)



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