50話 鉢合わせ
「...さて、行くか」
真琴は昨日と同じく試合の為に家を出る。
が、その前に...
「いってきます」
飾ってある両親との写真に一言。
そして、マンションから出ると一人の少女が立っていた。
「凛?」
「あ、先輩。おはようございます」
「ああ、おはよう。なんでいるんだ?」
「もちろん先輩の応援に」
「...俺、なんか言ったっけ」
「バスケ部の友達から聞いたんですよ、先輩が出るって」
「そっか...」
「一応、お弁当作ってきました」
「おお、それは助かる」
「なので試合に勝って下さいね」
「...もちろんだ、負けるつもりはない」
「ふふっ」
「何だ?」
「いえ...普段はあまりやる気が無いように感じていたので、こういう先輩も良いなと」
「....」
「さて、では行きましょう」
「あ、ああ」
凛と一緒に、今日試合が行われる場所へと移動をしていく。
昨日と同じ場所だが。
「お、真琴!」
「よう」
「ああ、おはよう」
「って、何だ?うちの学校の後輩だっけ、その子」
「そうだ、今日は試合を応援してくれるみたいだ」
「へぇー、相変わらずモテモテだな!」
「...別にそんな事無いと思うぞ?」
「いやいや...昨日は結城達も応援しにきてくれたんだろ?モテモテじゃん」
「モテモテですって、先輩」
「...凛、何かその顔怖いぞ」
「別に何でもないですよ」
「そ、そっか」
なぜか凛の背後に黒いオーラが見えたのだが、真琴は触れてはいけないと思った。
そっとしておこう。
「東仙寺」
「...ども」
「昨日に続いて2試合行う可能性がある訳だが、大丈夫か?」
「正直疲れるが、大丈夫だ」
「頼んだぞ、特に...東条高校には」
「あ、その事で烏山にお願いしたい事があるんだ」
「ん?何だ真琴」
「あの畑ヶ田のマークは俺に任せてくれないか?」
「畑ヶ田の?」
「ああ」
「...分かった」
「それと、最初の試合は昨日と同じフォーメーションでいいのか?」
「そっちの方が皆動きやすいし、それでやろうと思ってる。まずいか?」
「いや、問題ないだろうな。俺も点取れる場面あったら打つけど基本的には烏山達にパスを回していくつもりだ」
「お、やる気満々だな」
「...可愛い後輩も応援しにきてるんだ、少しくらい良いところ見せないとな」
真琴は凛へと視線を移す。
その表情は、真琴に可愛いと言われてか赤らめている。
「それじゃ、まずは俺達の席へと行くか」
「ああ」
こうして春桜高校の部員達は、自分の持ち場へと移動していく。
が...その途中で東条高校と鉢合わせになってしまった。




