45話 練習風景
バスケ部への助っ人の依頼が決定した真琴は、バイトが無い日に部活の練習に出る事にした。
いきなりチームプレイを合わせる事なんかできないからだ。
「真琴!」
そして今、女子バスケ部と男子バスケ部の試合が行われている。
「えっ!?」
烏山にパスすると思っていた女子部員は、いつの間にかフリーになっていた他の男子部員にパスが渡され混乱、シュートを決められた。
「ふぅ」
「さすが真琴だ!仁井もよく決めたな!」
「はいっ!」
この仁井というのは、真琴達の1つ下の学年の男子生徒である。
明るくハキハキとした性格は馴染みやすい。
「まだ反応が少し遅い!もっと周りをみればさらに良いプレーが出来る!」
真琴は他の部員達にも的確なアドバイスをしている。
もちろん、良いプレーには素直に褒めているが。
「それと烏山」
「ん?」
「お前はもっと中にいた方がいい、郷田先輩のポジションの代わりを出来るのはお前くらいだからな」
「ああ、分かった。だけどあまり中にいすぎると得点が難しくないか?」
「思ったよりも他の部員達のシュートが決まってくれるから、こっちでフォローする。それが無理だったら、俺も稼ぎにいく」
「真琴って、中学の時はどこのポジションだったんだ?さっきからガードの仕事もこなしつつ、点も取りに行ってるよな?」
「...センター以外なら全部やってた」
「まじか」
「まじだ」
こうやって周りと意見を交わしつつ、チームワークを上げていく。
そんな光景をみている郷田はというと、男子部マネージャーと話していた。
「さすがだな」
「そうね...こんな短時間で他のチームメイトとの連携が出来るなんて、あの子って一体...」
「...実際に同じチームにいると、こんなに心強いんだな」
「え?」
「いや、何でもない。それと、女子部員が少し騒いでるな」
「球技大会で東仙寺君の事知ってる子も多いからね」
「...モテモテだな」
「目つきは悪いけど、顔は良いからねあの子...それにこうやってバスケ部を助けてくれてるし、思ったよりも優しい子みたいだしね」
「あいつと一緒にプレーしてみたかった。腕さえやらなければな」
「あれは事故だったんでしょ?」
「...まぁな」
郷田の怪我の原因は、階段から落ちそうになった男子生徒を庇った時にできたものだ。
骨折まではいかなかったが、軽いヒビが入ってしまった。
まだ時間がかかるものの...順調に試合に勝っていれば復活できるだろう。




