38話 モテ期?
球技大会が終わり、練習で慌ただしかった日常もやっと落ち着いた。
そして今は昼休みだ。
「おーい、真琴」
烏山がまだ席に座っている真琴を呼んでいた。
「何だ?」
「お前にお客さんだぞー」
廊下には3人の女子生徒がいた。
その中には凛の姿もある。
「凛?」
「あ、先輩どうも。この人達が先輩に会いたいって」
話を聞くと、凛のクラスメートで球技大会の時に真琴と知り合いと知って会いにきたそうだ。
「田中 亜美です!球技大会みてました!とてもカッコよかったです!」
「私は白谷 美紀です!」
二人とも元気で活発そうな子だった。
「えー...ああ、どうも...」
「先輩、今度一緒に遊びに行きましょうよ!
「あ!亜美ずるーい!先輩、私とも!」
二人の積極さに少し後ずさりする。
助けを求めるように凛を見るが、そっぽをむかれている。
(り、凛ー...)
気付けば教室からの視線も感じる。
烏山に至っては、ヒューヒューと真琴をからかっている。
「あ、ああ!そういえばちょっと担任に呼び出されてたんだった!また今度な!」
そう言って真琴はその場から離脱、早足で逃げていった。
(な、何なんだ一体!)
向かう先は50周年ホールの屋上...あそこなら人目に付くことなく、過ごせるだろう。
「はぁ...はぁ...ふぅー」
ようやく場所を変え一息。
5分程、ぼーっとする。
すると、ドアが開く音がした。
「モテモテですね、先輩」
「...凛か...何なんだ一体?」
「あの人達が私をダシに使って、先輩に会おうとしてたんですよ。まったく、迷惑な話です」
「はぁ...それは断っておいてくれよ、慣れてないんだから」
「本当は私も断りたかったんですけど、あまりにもしつこかったので...」
どうやら凛も困っていたみたいだ。
「あ、それとこれ...作ってきました」
「ん?弁当か、良いのか?」
「先輩の為に作ったんですから食べてくれないと困りますよ」
今日も凛お手製のお弁当を食す事になった。
相変わらず美味しい。
「あ、それと」
「ん?」
「デート、メールでお伝えした通り今度の日曜日でお願いしますね」
「ああ、分かった」
今度の日曜日、真琴は凛とデートをする。
行き先はちょっとだけ電車で移動した所にある水族館だ。
「...楽しみです」
「俺もだ、水族館なんて小学生以来だしな」
「私もそれくらいですね」
「好きなのか?魚とか」
「...特にイルカが好きです。あの可愛さは反則です」
「しかも頭も良いって聞くしな」
「先輩は何が好きなんですか?」
「んー...あんまり種類とか、そういうのは分からないんだけども...大きな水槽でたくさんの群れで泳いでるのを見るのが好きだな」
「あ、それ分かります。なんか神秘的ですよね」
「ああ...後は熱帯魚とかも好きかな」
「きれいな魚が多いですもんね」
話をしていると、予鈴のチャイムが鳴った。
そして二人は、教室へと戻っていくのであった。




