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終わらない青春の中で  作者: 白月 海
33/61

33話 凛の耳打ち

「はぁ...」


郷田との会話が終わり、真琴はコートを去っていく。


「真琴ぉぉぉぉ!!!」


そんな真琴に元気よく飛び込んできたのが烏山だ。


「おっと」


しかし、見事に避ける。

烏山はそのまま壁に撃墜した。


「いでっ!」


「いきなり何しようとしてたんだ?」


「いてて...いや、お前にはまじ助けられたからさ、そのお礼だ」


「男の抱擁はいらない」


「っく...そういえばさっき郷田先輩と何を話してたんだ?」


「...別に何も」


「ふーん、ああそういえば...五十嵐からの伝言だ。これからバレーの試合があるから応援しにこいだってさ。」


「ああ、分かった」


真琴はバレーの試合が行われるコートへと行き、試合を応援する事にした。

こっちは2年3組との試合みたいだ。


「夏未、こっち」


順調に得点を決めている様子。

あの五十嵐は運動神経が良く、結構な得点を決めている。


「う、うん!」


夏未も連数のおかげか、上手くトスを上げられたみたいだ。


「よっと!!」


やや身長が足りないが、スパイクっぽい何かを決めている。


(へぇ、結構やるな)


そんな呑気な事を考えていると、予め用意されていていた椅子に腰かける。

大体コートごとに15席程観戦用として設けられているのだ。

もちろん、上の階にある観客席も使って良い。


(...ん?)


何だか少し真琴の横が騒がしい。

多分後輩だろうか、元気そうな子達もこの試合を見ていた。


「ねぇねぇあの人ってさっき凄い活躍してた...」


「転校生の先輩だよね?」


コソコソと話しているつもりだが、凄い聞こえる。


「...近くで見ると結構カッコいいね...」


「うんうん!」


嬉しい気持ちにはなるが、恥ずかしい。


「モテモテですね、先輩」


その声は隣から聞こえた。


「...凛、いたのか」


「先程から。むしろ良く気付きませんでしたね、眼中にありませんでしたか?」


「い、いやそんな訳じゃ...」


「それにしてもあのバスケの試合でせ、先輩さらに話題になりましたよ」


「え?そうなのか?」


「カッコいいとか、女子にきゃきゃー言われてました」


「....そうなのか、まぁ悪くはないけど...」


「この浮気者」


「うっ」


凛から、脇腹を小突かれた。

思ったよりも強烈な威力だ。


「あれ、鈴海さんって東仙寺先輩と知り合いだったの!?」


「...まぁ、一応」


「ええー!そうなんだ!あ、先輩!試合みてました、とってもカッコよかったです!!」


凛の近くにいた、多分クラスメートであろう女子達が話しかけてきた。

適当に礼を言っておく。

それからというもの、少なくない人数に囲まれてしまった。


(ちょっと居づらい...別の場所で応援するか)


そう思ってそそくさと逃げていこうとする。


「あ、先輩」


「悪いな凛、ちょっと場所を変える!」


すると凛が顔を近づけてきて、耳打ちをした。


「デート、忘れないで下さいよ?」


「ん?ああ、分かってる」


その答えを聞いて満足した凛は軽く手を振ってくれた。



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