31話 好感度上昇?
「...お?」
今までずっとボールを持って攻め続けていた烏山が、パスを出す。
それを受け取るのは真琴だ。
(2年の雰囲気が変わった...だけど烏山以外は素人だぞ?)
そんな郷田の考えは、すぐに壊れた。
「っ!?」
真琴は油断していた郷田を素人とは思えないスピードで抜いていった。
あっという間にゴール下に到着だ。
そしてそのままシュートを...しなかった。
「パス!?」
シュートをすると思っていた3年生は、既に飛んでいた。
「先輩、バスケは5人で行う競技ですよ」
そのパスを走り込んできていた烏山が受け取りレイアップ。
邪魔するものはいなく、軽く決めていく。
「おおおおー!!!ナイッシュ!!」
これには他の生徒達も大喜びだ。
「...こんな簡単に...」
決めた本人である烏山もびっくりしている。
「っち!2点くらい気にするな、こっちには郷田がいんだよ!!」
少し距離が離れていたが、すぐに3年生はパスをする。
「待て!まだはやっ...!!」
郷田に向けられたパスは、あっけなく真琴に取られた。
「またお前か!!」
急いで真琴をディフェンスしようとするも、真琴は横にいるクラスメートにパスを出した。
「そっちか!」
目標を変えて、パスをもらった人物へとマークに行くが...
「へい」
マークが外れた瞬間に真琴は前へと走っていた。
ボールを返してもらい、そのままゴール下へ。
真琴は飛んだ。
「させるか!!」
ノーマークだと思われていたそれは、郷田によって遮られた。
しかし真琴は焦らなかった。
郷田がこっちへ大急ぎで戻ってきていたのを見ていたからだ。
ニヤリと笑う。
「何っ!?」
シュートだと思っていたそれは、実はパスだった。
ゴール下のシュートが打ちやすい位置にいた、別のクラスメートへの。
ガンッガンッ...スッ...
綺麗とは言えないが、見事に2点を決めた。
連続得点で、これで35:28になっていた
...あっという間に7点差だ。
「ほら、ディフェンスだぞ烏山」
「あ、ああ」
あれだけ苦労していた得点が、こんな簡単に取れている。
そんな現実に驚いていた烏山を呼び戻す。
驚いていたのは何も烏山達だけじゃない。
応援に来ている生徒やこの試合を見ている生徒達もだ。
「凄いなアイツ...」
「あれって例の転校生だろ?」
「しかもバスケ部とかじゃ無いんだろ?」
「あの先輩、カッコいい...」
真琴の好感度がアップしている。
この試合を心配そうに見ていた三人も...
「...凄いわね」
「え、ええ...」
「....」
夏未に至っては言葉に出来ない位感動している様子だ。
しかも頬を染めている。
「東仙寺君にこんな才能があったなんて...」
「...そうね。それにしても...」
五十嵐はこの試合を見ている他の生徒達を見る。
中には写真を取っている女子生徒もいるのだ。
(またライバルが増えそうね...頑張りな、夏未)
心の中で親友を応援するのであった。




