30話 司令塔
「次は3年生とか...しかも1組って事はキャプテンが出てくる...!」
どうやら次の試合に、バスケ部のキャプテンが出ているみたいだ。
「みんな、この試合も俺にボールを集めてくれ!相手はキャプテンだけど、きっと勝ってみせる!!」
「頼んだぜ烏山!」
「オッケー!任せてくれ!」
(相手は3年生、しかもどれも体格も良いし、運動部に所属している感じがするな...)
3年1組はこの球技大会でも優勝筆頭候補だ。
なぜか運動部に所属している人が多く、一番の強敵だろう。
「おう、烏山」
「郷田先輩、ちっす!今日は負けないっすよ!めちゃめちゃ得点決めますから!」
「はっはっは、楽しみにしているが...うちのクラスは俺だけじゃないぞ?」
「それでもっす!もうすぐ最後の大会だけど、ここいらで決着を付けましょう!」
「ああ!」
どうやらこの郷田という屈強な男がバスケ部唯一の3年生であり、キャプテンみたいだ。
前半が始まると、女子の方にもバスケ部出身がいるらしく押されていた。
結構良い試合だったが...6点リードされている状態で終わった。
「よーし、後半で逆転してやる!」
烏山はやる気満々だ。
「っく!」
しかし、他の試合と同様に一人で突っ込みすぎてボールを取られる場面が目立つ。
(...周りが見えてない、突っ込みすぎだ。あの屈強なメンバーに一人で挑むなんて無謀すぎる)
「烏山、がんばれー!」
「はぁはぁ...ちくしょう!」
しかし、どんどんとムキになっていく。
「くそっ、全然得点が取れない...!!」
これまでの試合で、真琴は少々苛立ちを覚えていた。
そんな状態を見ていた先生が、タイムアウトを取った。
「烏山」
「はぁはぁ...真琴か」
「そんなに勝ちたいのか?」
「もちろんだ!球技大会でも負けたくないんだ!」
「...なら俺にボールを回せ」
「でもっ!」
「あれを見てみろ、そろそろ真面目にやらないと負けるぞ?」
得点ボードには、35:24と表示されている。
「11点差...」
「お前が無理に突っ込みすぎた結果だ」
「....」
真琴達を応援しにきた夏未や五十嵐、それに月野が不安そうな顔をしている。
「何か雰囲気悪いわね」
「あら、月野さん。その意見には私も同感」
「...真琴君」
「はぁー、烏山が通用しないんじゃもう負けかな」
五十嵐の言葉に夏未は反応する。
「で、でも真琴君もいるし!」
「うちのバスケ部のエースが手も足も出ないのに?」
「...うっ」
「相手は3年生、仕方ないわ」
心配そうにコートを見る三人。
他の応援にきている生徒達も諦めムードだった。
「...それで真琴、俺はどうすればいいんだ?」
「ゲームメイクは俺がやる、お前達は練習してた通りに動いてくれ」
「ああ、わかった」
烏山だけじゃなく、他のクラスメートにも伝えていく。
「ゲームメイク、か...ポイントガードだったんだな」
「まあな」
ポイントガード、それは真琴が主についていたポジションだ。
俗に言う司令塔だ。
「それじゃ、行くぞ」
真琴の一声に、今まで下がっていたメンバーの士気が高まった。




