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終わらない青春の中で  作者: 白月 海
21/61

21話 生徒指導室

それからの授業は全く頭に入らなかった。

他人に対してこれ程までの怒りを感じたのはいつ頃以来だろうか?

真琴の雰囲気を察して、烏山も夏未も話しかけてこない。


(大声だったから、きっと何人か聞いていたんだろうな)


帰りのホームルームの時間になり、担任に名前を呼ばれた。

真琴と月野だ。


(...やっぱり)


バイトがあるが、今日は6時からだ。

それまでには終わるだろう。


場所を移動し、ここは生徒指導室。


「それで、大体の話は月野さんから聞きました」


「...」


「東仙寺君」


「...はい」


真琴は停学とは行かずとも、覚悟していた。

女子生徒に向かって大声で叫び、何よりも騒ぎにさせてしまったからだ。


「許す気は、ありますか?」


「...許す?」


だから、担任の言葉の意味が分からなかった。


「...」


月野は俯いて、何も喋らない。


「許すって、何をですか?」


「え?それは月野さんが、東仙寺君の事情も知らずに無神経な言葉を言って傷つけてしまったからだって...」


「...は?」


「月野さんが悪いのは自分です、謝りたいって言ってたんですよ」


「俺は大声で怒鳴って、学校の騒ぎを起こしたから何か罰を与えられるのかと...」


「それで、どうなんですか?」


「...別に、俺は気にしてませんよ。それに俺も月野さんの事を避けてて、嫌な思いさせちゃったところもあるだろうし...最終的に怒鳴っちゃったのは俺な訳で」


「...そう。なら今回の件はこれで終わりにしましょう。月野さんもそれで良いわね?」


「...」


月野は何も言わなかった。

ただ、下を向いて黙っているだけだ。


指導室を出て先生とはここで解散。

真琴と月野は二人で教室へと歩いていく。


「...」

「...」


お互いに気まずいのか、無言が続く。


「...ごめんなさい」


「...気にしてない。それに、俺も怒鳴って悪かった」


「でも」


「いいんだ」


「...どうしてずっと黙ってたの?」


「何をだ?」


「一人暮らしの事とか、その...ご両親の事とか...」


「言って何になる?ただ俺が可哀想に映るだけだ」


「...」


「もしかして、結城さんも知ってるの?」


「ん?そうだな、知ってる。どうしてだ?」


「少し前に、私が東仙寺君に不良なのに、とか言ってた事あるでしょ?それで結城さんが大きな声で違うよ、って言ってたのを思い出して...」


「ああ、そんな事あったな。あの時は酷かった」


「う...こうして思い返すと私は何て酷い事を...あ、でも喧嘩は本当なんでしょ?」


「...それ言われると反論出来ないんだけどな」


「何か理由あったとか?」


「あるけど言えない」


「何で?」


「なんでもだ」


あの時の喧嘩に関しては、誰にも言いたくないらしい。

真琴の中では消したい過去なのである。


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