18話 後輩からの説教
屋上に到着し、鈴海は弁当を広げる。
「...おぉ」
具材は卵焼き、煮物、きんぴらごぼうといった様々な種類の食材が綺麗に盛り付けられていた。
思わず真琴もびっくりだ。
しかも、どれも美味しそうである。
「和食だな...しかもめっちゃ美味そうだ」
「せっかくですし、頑張ってみました」
「凄いな...なぁ鈴海、本当に食べていいのか?」
「先輩がお腹を空かしているだろうと思って作ったので、食べてくれないと意味が無いです」
「え?作りすぎじゃなかったのか?」
「えっい、いえ...い、いいから食べてください!」
「あ、ああ、分かった!いただきます」
まずは卵焼きから手を出す事にした。
以前食べたあの味を、もう一度思い出す為に。
「...うん、やっぱり美味い!っと、次はこれだ」
次に手を出したのはカボチャの煮物。
それはとてもバランスの取れた出来上がりだった。
「これも...これも美味しいぞ」
全てが美味しかった。
しかも、栄養豊富だ。
「ふぅ、ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
あっという間に完食だ。
「やっぱり鈴海の料理は美味いな...」
その言葉に鈴海の頬が緩む。
「良かった...あ、それと先輩」
「ん?」
「私の事は凛って呼んで下さい、こちらの方が呼びやすいでしょうし」
「ああ、分かった」
「そういえば先輩は球技大会、どの種目に出るんですか?」
「一応バスケだな、久しぶりにやるからすぐバテると思うけど」
「前まではやってたんですか?」
「まぁ中学の時はバスケ部に入ってたしな、高校に入ってからはやらなくなったけど」
「飽きたんですか?」
「...まぁ、そんなところだ」
変な間があり、少しだけ言いにくそうな感じがして凛はそれから聞くのをやめた。
わざわざ暗い話題になるのも悪いから、真琴も言わなかったんだろう。
「あ、それと携帯持っていますか?」
「持ってるよ」
「連絡先交換しませんか?今度またお弁当作ってきますので...」
「それは構わないけど...また作ってくれるのか!?」
「まぁその...つもりです」
「そっか、凛は優しいな!」
真琴の言葉に頬を赤く染める。
しかし、次の言葉にその頬の赤さは治まるのである。
「でも、大丈夫。これ以上人に迷惑はかけられない」
「え...」
「実は今一人暮らしでな、夕食も大体カップ麺とかで過ごす事が多いんだ...それを気にして、クラスの奴の家で週に一度家でメシを食べさせてもらうようになってるんだけど、申し訳なくてな」
「一人暮らし何ですか?しかもカップ麺ばかり?朝食は?」
「え?ああ、俺は料理出来ないからそういうのばっかりなんだ、朝も食べなかったり...」
「カップ麺...しかも昼食も食べてないのに朝まで...」
「えっと、凛?凛さん?」
「先輩」
「はい?」
「ダメです」
「え、何がだ?」
「その食生活はいずれ体を壊します、昼食は毎日ではないですがこちらで用意します」
「え、だから悪いって」
「ダメです」
「凛さん?」
「先輩にはもっと食生活の大切さを知ってもらいます、良いですか?野菜を取らないという事は...」
それから予鈴ギリギリまで、凛の説教を喰らった。
もちろん食生活やジャンクフードの不栄養さなど色々だ。




