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終わらない青春の中で  作者: 白月 海
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16話 温かさ

「ありがとうございましたー」


学校が終わり、真琴はアルバイトだ。


「あ、真琴君。ちょっと外に出てくるから、あとは頼んだよ」


「分かりました」


客もまばらになり、村上は店から出て行った。


(...バスケ、か)


真琴は両親が亡くなってからバスケをしていない。

嫌いかと言われるとそうでもないが、中学生の頃はよく両親が応援に来てくれた事を思い出す。

それが辛かったから、バスケをしなくなった。


少しすると、ちりんちりんと来客の音がする。


二人組の女性客の来店だ。


「あ」


しかし、その顔には見覚えがあった。

結城母と夏未だ。


「こんにちわ、真琴君」


「どうも。この間はありがとうございました」


「気にしなくて良いのよー」


「あ、席はこちらで」


二人をソファ―席に通す。


「それじゃコーヒーと紅茶で、アイスでお願いね」


「分かりました」


真琴は慣れた手つきで飲み物を作っていく。

二人の視線が少し痛いが。


「お待たせしました、あと見られてると少し恥ずかしいです...」


「夏未が、真琴君の働きぶりを見たいって言ってねー」


「ちょ、ちょっとお母さん!」


「はいはい」


客もほぼいない為、他愛もない話をする。

すると村上さんが帰ってきた。

用事が終わったみたいだ。


「おや?お知り合いかな?」


「あ、はい。クラスメートとそちらの方がこの子の母親です」


「そうかそうか、こんにちわ。ここの店長をやっております村上という者です」


「こんにちわ、村上さん。すみませんね、お邪魔してしまって」


「いえいえ。そうだ真琴君」


「はい?」


「ついでに休憩取りなさい、せっかくだしこの席で休んでて良いよ」


「え...今日は休憩無くても大丈夫ですが...」


「せっかくお友達が来てるんだし、遠慮しないでくれ」


「...分かりました、ありがとうございます」


店の制服から少しだけ着替えて、席に向かう。


「すみません、失礼します」


「良いのよ固くならなくて、むしろこっちこそごめんなさいね...お仕事の邪魔しちゃったみたい」


「あ、いえ...気にしなくても大丈夫です。村上さんのご厚意に甘えましょう」


そう言うと、村上が真琴にアイスコーヒーを出してくれた。


「ありがとうございます」


「ゆっくりで大丈夫だよ、真琴君のそんな表情久しぶりに見たからね」


「...」


「あの出来事から君は周りとあまり関係を持たなくなって、周囲に気を使って自分から離れていったり、遠ざけてしまうって叔父さんから聞いてね。失礼ながら私も少し心配をしてたんだよ」


「村上さん...」


結城母と夏未を見て、微笑むように言った。

妙な心配をかけてしまっていたみたいだ。


「店長さん、大丈夫ですよ。私達がしっかり傍にいますから!」


「も、もちろんです!」

「...真琴君を、お願いします」


それだけ言うと、頭を下げ自分の仕事へと戻っていった。


「良い人ね」


「ええ...あの人にはとてもお世話になっています」


三人はそれから話していき、結城母は最期に″またうちにおいでね″と伝えると店から出て行った。

真琴は村上さんにお礼を言い、仕事に戻った。

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