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終わらない青春の中で  作者: 白月 海
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10話 ただいま

「お待たせ」


外で待っている真琴に、結城母は声をかける。


「本当にお邪魔していいんですか?」


「もちろんよ!」


最後に質問、もちろん即答で返された。


(本当強引だな...まぁ、俺としては有り難いけど...)


スーパーから結城宅は10分程で到着した。


「お邪魔します」


「違うわよ東仙寺君!」


「え?」


「こういう時は″ただいま″!」


「....」


さすがに恥ずかしかった。

一人暮らしをしてからというもの、昔だったら当たり前の言葉が出てこないのだ。

しかし、その言葉を言うまで上がらせないぞ!という視線を受けて、小声ながらも言った。


「...ただいま」


その言葉を聞いて、結城母は満足したように微笑み、真琴に言った。


「はい、おかえり!」


懐かしくも、やはり気恥ずかしかった。

でも悪い気はしない。


(こういうのも、たまには良いな...)


「それじゃ、食事の準備するから...夏未」


「...ふえっ!?」


突然話しかけられたからか、びっくりして変な声が出ていた。


「まだ少し時間かかるから、あなたの部屋で待っててもらいなさい。あ、これお茶ね。」


「あ、うん...ん?私の部屋...ええっ!?」


「料理作ってる間、待たせるつもり?」


「わ、分かった...と、東仙寺君。」


「何だ?」


「ちょ、ちょっとだけ待ってて!!」


すると、掃除機を持ってダッシュで部屋と思われる場所へと向かっていった。

その光景を見ていた結城母は笑っている。

10分程すると、結城は戻ってきて真琴を呼んだ。


「ど、どうぞ...」


「...失礼します」


部屋の中に入ると、女の子の部屋らしく綺麗に整えられていた。

それがいつもか、今だけなのかは不明だが...


「なんか、悪かったな...お邪魔して」


「こ、こちらこそ!お母さんって凄い強引な人だから...」


「はは...たしかに強引な人だけど、こういうの久しぶりで嬉しかったよ」


「....」


「ん?どうした?」


「えっ!?い、いや何でもないよ!」


何故か顔を赤くして、手が激しく動いていた。


(う、うわぁ~...と、東仙寺君が笑ったの、初めて見たよぉ...)


そんな話をしていると、ノックの音が聞こえた。


「お姉ちゃん、こないだ借りた本返しにきたよ~」


ガチャリと扉を開けて、部屋の中を見るひとりの少女。

まだ中学生だろうか。


「お...お...お....」


「...お?」


思わず聞き返してしまった。


「お、お姉ちゃんが男を連れこんでるぅぅぅぅ!!??」


「ちょ、ちょっと言い方ぁぁ!!」


―5分後


「すぅーはぁー....」


この部屋に新しく一人増えた。


「先程は大きな声だしてごめんなさい、私は夏未の妹の三波(みなみ)です」


「あ、ああ...俺は東仙寺 真琴です。君のお姉さんとはクラスメイトってやつだ」


「あ~あなたが...」


「そういえば君のお母さんも俺の事知ってる感じだったんだけど、何か聞いてるのか?」


「それがですね、このお姉ちゃんが...「三波!?」


三波の隣にいる姉が言葉を遮らせる。

何か変な事を言っているのだろうか...


「え、えーっと...転校してきた日に大喧嘩したって聞きました」


「...」


(やっぱりかー...そりゃそれくらいしか俺の話題無いしな...)


少し落ち込んだ真琴。

それを見た三波は続けて話す。


「で、でも良い人だよ!っていうのも聞いていますよ!」


「良い人?」


「えっとですね」


三波が何かを言おうとした時、結城母の声がした。

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