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第五回

翠『ドリムちゃんドリムちゃん』


舞『ミドリムラジオの精さん、どうしたんですか?』


翠『今日は第五回で、キリが良いと思うんだけど、ドリムちゃんはどう思う?』


舞『どうって、五がキリが良いかどうかって事ですか?』


翠『うんうん』


舞『感覚的にはそうかなとは思うんですけど、理由は分からないですね。


  五で割り切れるというだけなら、二で割り切れる偶数は全部キリよく感じますから』


翠『ドリムちゃんはどんな数字が、キリよく見える?』


舞『2、4、8、16、32……』


翠『……ドリムちゃんって、理系?』


舞『理系なのは、台本を作った人だと思いますよ?』


翠『いつも疑問なんだけど、このラジオの台本って凄いよね。


  普通、ドリムちゃんと私と同じ台本のはずなのに、違う事が多々あるもん』


舞『わたし達もよく、台本に書いていないこと話しますけどね』


翠『では、ミドリムラジオ第五回スタートです』


~♪♪♪~


翠『改めましてこんばんは、パーソナリティの綿来翠です』


舞『同じくドリムです。ふと思ったんですけど』


翠『翠さんと結婚してもいいなって?』


舞『今日の翠さんは、面倒だなって』


翠『しゅーん』


舞『口で言うんですね』


翠『言わないと伝わらないからね。で、何を思ったの?』


舞『さっきのミニドラマ……みたいなのって、リスナーさんには、どこまで台本だと思われるんでしょうね』


翠『ドリムちゃんが、二の乗数を言い出した後からじゃないかな』


舞『翠さんって、理系と文系どっちだったんですか?』


翠『文系だったよ。大学入学した後で声優になったから、文系でよかったなと思うけど。


  最初は遊びたいから、文系を選んでた気がするね』


舞『やっぱり大学って、出ておいた方が良いんですかね?』


翠『絶対とは言わないけど、行っておいて損はないと思うよ。


  でも、お金もかかるし……もしも、ドリムちゃんがどうしても行きたいって言うなら、私がお金くらい……』


舞『翠さんストップです。流石にそこまでして貰うわけにはいかないです』


翠『私は良いのに』


舞『では、お便りを読みます。


  ラジオネーム「みみず」さんから頂きました』


翠『ありがとうございます』


舞『「僕は何処にでもいる、普通の男子高校生なのですが、一つ普通じゃない所があります。それは字が汚い所です。


   友達にノートを見せると解読が始まり、正直僕自身も読むことが出来ず、テストでは減点されてしまう始末です。


   お二人は自分の字に自信がありますか?」との事です』


翠『字……ねえ』


舞『翠さんは読みやすい字を書きますよね。以前台本を見せて貰ったときに、綺麗にメモを取っていたのを覚えてます』


翠『ドリムちゃんは可愛い字を書くよね。小さいと言うか、控えめと言うか』


舞『字を書くときに、小さい方がバランスとりやすいんですよ。


  読み返して読めないって事はないんですが、読み難い事があるので、気を付けようとは思っているんですが』


翠『字と言えば、サインって言うのがあるよね』


舞『ありますね。文字と言うか、デザインに近い気がしますけど。


  翠さんはどんなサインでしたっけ?』


翠『普通に漢字で「綿来翠」ってかいていたら、ダサイネッテイワレマシタ』


舞『ダサいと言うか、花がないって感じはしますね。


  翠さんは女の人ですから。逆に壮年の文豪の方だったら、しっくりくるかもしれません』


翠『今から新コーナー、翠のサインを考えようが』


舞『始まりません。でも、いつか一緒に考えるのはいいですよ』


翠『ドリムちゃんのサインは、いかにもアイドルって感じだよね。


  今日も持って来たんだけど』


舞『持って来たんですね』


翠『いつドリムちゃんのCDが発売してもいいようにね。


  で、ドリムちゃんのサインは、ローマ字で星とか書いててハイカラだよね』


舞『ハイカラってどういう意味ですか?』


翠『どういう意味だろうね。とにかく、ドリムちゃんのサインはおしゃれだよね』


舞『ドリムってカタカナだと、サインにするの難しいんですよね。


  試行錯誤してローマ字にしました』


翠『じゃあ、私は……「早く次に行け?」はいはい。では、コーナーに移っていきましょう』


~♪♪♪~


翠『「嘘つきは誰だ」のコーナーです。


  幾つかある真実の中に、一つだけリスナーさんから頂いた嘘が混ざっているので、それを見つけると言うコーナーです。


  間違えたら罰ゲームがある……って、これ正解したら何か良い事あるの?


  「合計十回正解したら、番組側から常識の範囲内でご褒美がある」。常識、常識ね。うん』


舞『前回、わたしが言ったコーナーですね。


  こんなに早くやる事になるとは思ってなかったです』


翠『ドリムちゃんが考えた企画だから、即日採用だよね。


  って事で、「チョコレート大好き」さんが、嘘を考えてくれました。


  嘘つきはチョコレート大好きさん、で正解だよね。趣旨が違う? 分かってるよ』


舞『今から四つ読み上げますが、どれが答えかはわたしも翠さんも分かっていないです』


翠『この辺は証明できないから、信じてもらうしかないけどね』


舞『では読みます。


  一つ目「地球から見えるもっとも明るい星は太陽ですが、太陽よりも明るい星がある」


  二つ目「月への有人飛行のアポロ計画、月に行くのに太陽神の名前を使っているのは、終日昼計画という月を太陽にする計画があったから」


  三つ目「夏の大三角は有名ですが、冬の大三角も存在する」


  四つ目「ミドリムラジオは今回で五回目である」』


翠『最後のとってつけたようなものは、何なんだろうね』


舞『台本にも第五回って書いていますからね。四つ目は正しいって事で、あと三つでしょうか』


翠『逆に残りの三つは何とも言えないよね。アポロが太陽神って言うのも知らなかったし』


舞『何と言うか、わたし答え分かっちゃったんですよね……』


翠『ドリムちゃん、本当?』


舞『分かったんですけど、これでいいのかなとも思うんです』


翠『ほうほう。ところで、どれが間違いだと思うの?』


舞『二つ目です』


翠『一番長いもんね。太陽が明るいのは、単純に地球から近いからだっけ』


舞『わたしも聞いた事ありますね』


翠『で、冬の大三角も聞いた事あるような気がするんだけど、いざこうやって出されたら不安にはなる。


  でも、ドリムちゃんは二つ目だって思うんだよね』


舞『対した理由はないんですよ? 対した理由はないんですけど、ラジオネームが「チョコレート大好き」なんですよ。


  これで二つ目じゃなかったら、何なんだろうなって、ちょっと思っちゃったんです』


翠『……うん。詐欺だね。じゃあ、間違いは二つ目の、アポロ計画がどうのってやつ。


  なにその不服そうな顔は。「正解だけど認めたくない」って、それは上手い真実を作れなかったスタッフ側の問題だから。


  十回正解でご褒美、忘れてないからね。


  あ、ところで、なんでアポロ計画っていうの? 「自分で調べろ」? うわー、不親切なスタッフさん』


舞『以上「嘘つきは誰だ」のコーナーでした』


~♪♪♪~


翠『次は質問コーナーです。私達が質問に答えます』


舞『翠さんって、コーナー名を変えるの好きですね』


翠『ラジオネーム綿来翠さんから頂きました。


  スタッフのネーミングセンスがないです。どうしたらいいでしょうか?』


舞『それはあとで、翠さんが個人的にスタッフさんと話し合ったらいいと思います。


  というところで、一通目。ラジオネーム「恋する乙女」さんから頂きました』


翠『ありがとうございます』


舞『「ドリムさん、翠さん始めまして。突然ですが、私には好きな人がいます。


   もうすぐバレンタインデーなので、その人にチョコレートをあげたいなと思っているのですが、手作りの方が良いのでしょうか?


   本当は手作りしようと思っていたのですが、手作りは嫌だと言う人もいるらしく、市販のモノの方が良いのかなと思いもします。


   あと、お二人は誰かあげる予定の人は居るのでしょうか?」』


翠『はい、ありがとうございました。ところで、これってドリムちゃん的に大丈夫なの?』


舞『わたしはお世話になった人に渡しますよ?


  本命チョコをあげる予定はないです』


翠『大丈夫みたいだね。というところで、質問に答えていこうか。


  手作りが嫌って人居るのかな?』


舞『潔癖症の人とかは嫌がると思いますよ』


翠『他人が作った料理は食べたくないって人、確かにいるね。


  じゃあ、潔癖症っぽくなかったら大丈夫じゃないかな?』


舞『実際、昔ファンの方に手作りチョコはどうなの? って訊いた事があるんです。


  そしたら、多くの人は嬉しいって言っていたんですが、少数意見の中にこれを知っていたら嫌だろうなって言うのがありました』


翠『何か雲行きが怪しくなってきたね』


舞『翠さんが学生の時って、おまじないとか流行っていませんでした?』


翠『……ああ、うん。何となく察しがついたよ。チョコの中に、血とか入れちゃう系のやつね』


舞『実際わたしの周りでやったと言う人いませんでしたから、どれだけの人がやっているとか、本当にやっている人がいるのかとかは分からないですよ。


  でも、ネットで調べたら簡単に出て来てしまいますから、知ってしまった後は気は引けそうですよね』


翠『渡す時に「入れてないから大丈夫だよ」とか、言えるわけないもんね』


舞『ですから、互いによく知っていて仲が良いとか、相手がこの事を知らない時には手作りで良いと思います。


  でも、手作りは恋人になれたらとか、仲が良い友達同士とかが良いんじゃないですかね。


  好きって気持ちは大事ですけど、独りよがりになってはいけません。相手を困らせてしまいますから』


翠『偉くしみじみと言ったけど、もしかしてドリムちゃん……』


舞『聞き分けが良くても、後悔するだけの事ってありますけどね。


  それでは、エンディングに移りましょう』


~♪♪♪~


翠『今日は、何だかドリムちゃんが大人に見えてきたよ』


舞『合間にも言いましたけど、翠さんが思っているようなことは無かったですよ?』


翠『ちょっと、先輩の威厳を回復するためにお便りを読みます。


  ラジオネーム「数学魔人」さんから頂きました』


舞『ありがとうございます』


翠『「問題です。1,1,2,3,5,8,13,21,34,? ?に当てはまる数字は?」』


舞『55ですね』


翠『?』


舞『55ですよね?』


翠『が、硝子の向こうで笑うな。先輩だもん。先輩だから、ドリムちゃんがすぐに答えられるものを……』


舞『こんなことしなくても、翠さんは十分にわたしにとって、尊敬できる先輩ですよ』


翠『ドリムちゃん……』


舞『では、ミドリムラジオ第五回終わりになります。お相手は、綿来翠とドリムでした』


翠『ばいばい!』


~♪♪♪~

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