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第三回

翠『ドリムちゃんドリムちゃん』


舞『どうしたんですか、ミドリムラジオの精さん』


翠『お便りが全くこない心構えでいたのに、お便りが来てびっくりしてるんだよ』


舞『嬉しいことじゃないですか。どれくらい来たんですか?』


翠『具体的な数字は避けるけど、想定していた十倍は来たんだよ』


舞『想定数が気になるところですが、お便りに何か気になることでもあるんですか?』


翠『セクハラ多数』


舞『はい』


翠『気を取り直してミドリムラジオ始めていきましょう』


舞『はい』


~♪♪♪~


翠『改めましてこんばんは。ミドリムラジオ第三回、パーソナリティの綿来翠です』


舞『同じくドリムです』


翠『さて、最初にお便りを読みます。


  ラジオネーム「紳士オブ紳士」さんからいただきました「穿いてますか? 何色ですか?」。


  穿いてるよ。色は教えないよ』


舞『翠さんの別のラジオのノリですよね』


翠『私一人ならいいんだけど、いや、良くないんだけど。


  ドリムちゃん女子高生なんだから、こういう質問は良くないよ。


  今度からセクハラ送ってきた人はチェックして、他のメールも読まないようにするからね』


舞『でも、今の質問がきたってどういうことなんでしょうね?』


翠『そういうことだから、あんまり掘り下げようとしたら駄目だよ?


  休憩中に教えてあげるからね』


舞『何となく察せたので大丈夫です』


翠『その哀れむような顔は大丈夫じゃないよ。ちゃんと説明するから休憩中時間ちょうだい。絶対、絶対だよ』


舞『わかりました。でも、大丈夫ですよ。翠さんのことわかっているつもりですから』


翠『わかってない。たぶんわかってないよ。


  そんな優しい目で私を見ないで。次のお便りにいこう、次。


  ラジオネーム「SKR」さんから頂きました「ミドリムラジオの開始おめでとうございます」』


舞『ありがとうございます』


翠『「始まるという話を聞いてから楽しみにしていました。実はお二方のことは以前から知っていて、思い切って初めてラジオにメールを送ってみました」』


舞『初めてのメールがミドリムラジオで嬉しいです』


翠『「最初と言うことでご挨拶だけになりますが、是非お二方に会える機会があれば嬉しいです。特に綿来さんとはまだ直接お会いしたことがないので、是非おねがいします。


  では、またお電話お待ちしています」


  はい、イベントを出来るようになれたらいいですね』


舞『あの……言いたいことがたくさんあるんですけど』


翠『言いたいこと?』


舞『今の……SKRさん、でしたっけ。


  今の言い方だとわたしの事知っていますよね?


  いえ、わたしの知り合いですよね?』


翠『今読んだもの以外に私も情報はないけど、きっとドリムちゃんの知り合いだね』


舞『むしろ、自分が何者か隠す気が感じられないです』


翠『ところでこのドリムちゃんの知り合いさんなんだけど、どういう人なのかな?』


舞『SAKURAさんはですね』


翠『あ、呼んじゃうんだ』


舞『前回、いえ前々回電話して名前出していいと言っていましたし、最後の一言はどう考えても隠す気もなさそうですからね。


  それでSAKURAさんの話ですね。でも、話さなくても、今のメールでどういう人かはわかったんじゃないでしょうか』


翠『何となくはね。でも、ドリムちゃんがどう思っているかって言うのを、差し支えがなければ教えてほしいかなって』


舞『こういう時って、第一印象から話していくと思うんですが、SAKURAさんの第一印象っていつの事を指すのかわからないんですよね』


翠『どう言うことかな?』


舞『SAKURAさんの事を知ったのは、SAKURAさんが作った曲を聴いたからなんですけど、ここを最初の出会いって言ってもいいのかなとも思うんです。


  次がSAKURAさんだとは知らずに出会ったんです。


  で、ようやく落ち着いて話せたのは電話越しでした』


翠『なんだか、因縁があるんだね』


舞『わたしとSAKURAさんに因縁がある訳じゃなくて、間に一人挟まるんですけどね』


翠『なんかスタッフが巻けって言っているから、簡単に教えてくれないかな?』


舞『はい。可愛い方でしたよ。わたしが桜さんって呼ぼうとしたら、年上だから敬語は使うなって言われまして、つい敬語を使ったら電話を切られました。


  かけ直したら普通に話してくれましたけどね』


翠『ドリムちゃんよりもさらに年下なんだね……最近の子はすごいなあ』


舞『SAKURAさんもわたしも結構似ているんですよ』


翠『背丈が?』


舞『……わたしの方が小さいです』


翠『んー?』


舞『わたしの方が小さいんですよ。SAKURAさんの方が背が高いです。聞き返してくる翠さん嫌いです』


翠『ごめんごめん。でも、小さいドリムちゃんも可愛いよ? 怒ってるドリムちゃんも可愛いけど』


舞『まあ、わたしよりも背が低い人を知っているんで、別にいいんですけど』


翠『それで、なにが似てるの?』


舞『同じ人に憧れていたんです』


翠『そっか。それじゃあ、コーナーに移ろうか』


~♪♪♪~


舞『記念すべき最初のコーナーは「テーマトーク」です』


翠『最初のテーマは「はじめて」。ドリムちゃんは何か「はじめて」な事ってある?』


舞『ラジオ……と言いますか、プロとしての活動が今年度はじめてになりますから、やることなすこと全てがはじめてですね』


翠『中でも印象的なのってあるかな。はじめてこういう事したよ、とか、こう言う事はじめたよとか。


  私ははじめてドリムちゃんとお話しできたんだ』


舞『わたしにも言えることですね。はじめて翠さんにお会いしました。


  でも、人に会ったということなら、初代さんにはじめて会えたのが一番印象的でしょうか』


翠『うん、まあ、私じゃないのは仕方ないよね。ドリムちゃんにとって、大きな人には違いない』


舞『はじめてといえば、この前はじめてゲームセンターに行きました。


  翠さんが連れていってくれたんですよね』


翠『え? あれはじめてだったの?』


舞『はじめてですよ。今まではレッスンばかりでしたからね。


  一人で入る勇気はありませんでしたし。


  可愛いぬいぐるみがあったんでクレーンゲームに挑戦したんですが……』


翠『ぜんぜん駄目だったね。見かねた店員さんがやり方教えてくれて、取りやすい位置まで動かしてくれて』


舞『それでも駄目だったからって、仕事上がりの店員さんに取ってもらったんですよ。


 「その店員には気がつかれなかったのか?」ですか?


  一応変装していましたからね。あんまり気がつかれないものですよ。


  むしろ気が付いてもらえるようになりたいと思う面もありますが』


翠『私は変装してなかったんだけどなー』


舞『翠さんは声のお仕事ですから、仕方ないんじゃないですか?』


翠『一応イベントとかで顔出してるんだけどね』


舞『ところで翠さんは、何かはじめたことってありますか?』


翠『正月でおもちを食べ過ぎたので、ダイエットを始めました』


舞『太ったようには見えないですけど』


翠『見えないところにお肉がつくんだよぉ……ドリムちゃんも、大人になったらわかるよぉ……。


  でも、ドリムちゃんって毎日ダイエットしているようなものだよね』


舞『体力作りは欠かせませんから、毎朝少しは走ってますね。


  学校やお仕事もあるので、ずっとトレーニングとかレッスンって訳でもないですし、最近は遊びに行くことも増えたので昔ほどではありませんが』


翠『凄いなぁ。ドリムちゃんが毎朝一緒に走ってくれたら、私も続くんだけどなぁ』


舞『じゃあ、わたしがこっちに泊まることがあったら一緒に走りましょうか』


翠『ほんと!? だったら、ドリムちゃんに呆れられないように明日の朝から走る練習をしよう。


  約束だからね。ってところでテーマトークを終了します』


~♪♪♪~


翠『続きまして「質問ぶつけちゃおう」のコーナーです』


舞『たくさんの質問ありがとうございました。


  では一通目。ラジオネーム「Pleasure」さんから頂きました』


翠『ありがとうございます』


舞『「質問です。翠さんは芸名ですか?もし芸名であれば、その意味などを教えていただけるとうれしいです」だそうです。


  初回でわたしの名前についての話があったからでしょうか。


  でも、確かに翠さんの「綿来」という字はあまり見ないですね』


翠『面白い話でもないし、公開しているから別にいいんだけど、読みは本名と同じだね』


舞『本名「わたらいみどり」さんなんですね』


翠『だけど「わたらい」は、さんずいに温度の度って書く「渡」と会うって書いて「渡会」なんだよ。


  名前は平仮名』


舞『渡会みどりってきれいな名前ですよね。語感がいいというんでしょうか、つい呼びたくなっちゃいます。


  って、翠さんなんで携帯触ってるんですか? 初回で電話したわたしが言っていいのかはわかりませんが……』


翠『ちょっと両親に「ドリムちゃんが褒めてくれる、いい名前を付けてくれてありがとう」って感謝のメールを打っておこうかと思って』


舞『大げさすぎますよ。それでどうして字を変えたんですか?』


翠『大した意味はないんだけど、若かりし頃の私はちょっと格好つけたくて、みどりの字を格好いいものにしたんだよ』


舞『わたらいの方は?』


翠『若かりし頃の私はね、渡会っていう字がどこかおじさんっぽいなって思ったんだろうね。


  で、ある小説のキャラクターの名前の字を借りてきたんだ。綿毛が来るって書いたほうが女の子っぽいでしょ?』


舞『確かにふわふわした感じはしますけど、有名な作品なんですか?』


翠『ううん。個人がネットに投稿している作品で、こういっちゃうとなんだけど、全く人気はなかったみたいだよ。私は好きだったんだけどね。


  あと、ドリムちゃんはふわふわした感じって言っていたけど、キャラクターの綿来さんは全然ふわふわしてなかったよ。むしろしたたかなイメージが強いかったかな。


  今は削除されちゃっているんだけど。まあ、こんな感じで名前を決めたんだよね』


舞『こうやって聞くと、名前一つ考えるのも大変なんですよね』


翠『私は楽したほうだし、もっと適当に名前を決めた人もいるんだよ。


  友達に何かいい名前はないかって訊いて、返ってきたものをそのまま使っている子とかね。


  逆に一か月くらい考えたっていう人もいるから、面白いよね』


舞『わたしも改名してみたいですね』


翠『えっ……』


舞『冗談ですよ。貰い物の名前ですが、今の名前に誇りを持っていますから、変える気はないです』


翠『もう、ドリムちゃったらお茶目さんなんだから。


  じゃあ、次の質問。ラジオネーム「おとといから来ました」さんから頂きました』


舞『ありがとうございます』


翠『「質問なのですが、おとといに帰るにはどうしたらいいでしょうか?」


  誰かと喧嘩したらいいんじゃないでしょうか。次』


舞『翠さんちょっとストップ、ストップです』


翠『どうしたの、後輩ちゃん』


舞『今の何ですか?』


翠『今のはね。こんなくだらない質問も、一応読みはするよ、って例だよ。


  正直なところ、番組の方向性を決めかねているから、とりあえず変なことでもやってみてキャラクター性が出せたらいいね。っていう、裏事情でもあるんだよ』


舞『わからないけど、わかりました』


翠『じゃあ、次だね。次はドリムちゃんが答えてみようか』


舞『は、はい。やってみます』


翠『ラジオネーム「受験生」さんから頂きました。


 「もうすぐ受験なのですが、勉強が手につきません。どうしたらいいでしょうか?」』


舞『えっと、頑張ってください』


翠『では、質問ぶつけちゃおうのコーナーでした』


~♪♪♪~


翠『さて、エンディングのお時間です』


舞『最後のほう巻きましたね』


翠『初めてコーナーしたっていうのもあるとは思うんだけど、だいぶ押しちゃってるんだって』


舞『じゃあ、急いで終わらせましょう』


翠『でもその前に、ドリムちゃん。最後の質問なんだけど』


舞『やっぱり駄目でした?』


翠『ううん。全然だめじゃないよ? むしろドリムちゃんに応援されたら、やる気がみなぎるよ。


  でもね。「だったらラジオを聴いてないで勉強してください」ってドリムちゃんに言ってほしかった』


舞『言って欲しかったんですね』


翠『うん』


舞『ミドリムラジオ、お相手は。ドリムと綿来翠でした。


  また来週お会いしましょう』


翠『ドリムちゃん待って、まだ言ってもらってな……』


~♪♪♪~

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