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第二十回

ミドリムラジオ第二十回


翠『ドリムちゃんドリムちゃん』


舞『ミドリムラジオの精さん、どうしたの?』


翠『私たちのサンクチュアリに、無粋な介入者が居るからどうしようかなと思っているんだけど、何とか排除できないかな?』


舞『翠さんですよね。台本にないですし』


翠『だって、ととのんが喋れない今のうちに言いたいこと言っておかないと、調子に乗って今後もちょくちょくやってくるんだもん』


舞『こうやって遊びに来てくれる人が居るって言うのは、恵まれたことだと思いますよ。

  ゲスト呼びたいけど、呼べなかったっていうのは、残念ですし』


翠『それがととのんである必要はない。でも、ととのん来てくれてありがとう。それでは、ミドリムラジオ二十回スタートです』


~♪♪♪~


翠『五月も半ばを過ぎまして、だいぶ過ごしやすくなってきたでしょうか。そろそろ、暑い日も出てきますが、体調には気をつけたいですね。

  ミドリムラジオ、パーソナリティの綿来翠です』


舞『同じくドリムです。前々から言っていましたが、今日はゲストが来ています』


希『今日はちゃんとゲストで来ました、十戸倉希です。

  っていうか、翠。さっき好き放題言い過ぎじゃない? あたし目の前にいたよね』


翠『目の前だから言ったんだよ。陰口は叩きたくないじゃない?』


希『まあ、わかってるよ。ところで、一つ気になっていることがあるんだけど』


舞『どうしたんですか?』


希『あたしの隣に一個椅子があるんだけど、片づけ忘れたのかな?』


舞『それは別に、片づけ忘れた訳じゃないんですよ』


希『えぇ、どういうことぉ? って言ってあげたいんだけど、翠の表情が「してやったり」って感じで気持ち悪いから、言っちゃうね。

  あたし以外のゲストが来るんだよね』


舞『まあ、わかっちゃいますよね』


希『視聴者諸君に一応言っておくけど、あたしには知らされていないからね。十六回の話を見るに、心ちゃんあたりがくるのかなって感じがしているんだけど』


舞『心ちゃんって言うと誰になるんでしょう?』


希『リスナーへの配慮ありがとう。十六回でドリムちゃんが言っていた、翠が甘やかしている子だね。

  で、心ちゃんが来るんだよね? なんか翠の顔がまだ気持ち悪いんだけど』


舞『それは来てもらってからのお楽しみです。

  それでは、もう一人のゲストに来てもらいましょう。どうぞ』


希『そんな無理に盛り上げようとしないで大丈夫だよ。ドリムちゃ……ん?』


ユメ『はは、ごめんなさい。こないだ来たばかりなのに。

   あと心ちゃん? じゃなくて、ごめんなさい』


舞『ユメちゃんこないだぶり。えっと、一ヶ月半ぶりくらいかな。

  ゲストに来てくれました、ななゆめのユメちゃんです。今日は桜ちゃんは来ていないみたいですね』


ユメ『ご紹介していただきました。ななゆめのボーカル担当、ユメです。この前呼んでもらったのに、また来ちゃいました』


翠『大丈夫だよ。ユメちゃんの隣に座って、固まっているのもっと来てるから。来てって言わなくてもくるから。

  ってことで、ユメちゃんお久しぶり。こんなに早く来てくれるとは思わなかったよ』


ユメ『えっと、今日は宣伝をしに、って言っちゃっていいんですかね?』


翠『いいよ、いいよ。っていうか、ゲストって普通そんなものだし。むしろ今まではイレギュラーだった感じはするよね。

  ちゃんと後で時間を取っているから、そのときにたっぷり宣伝してくれていいんだけど、とりあえずユメちゃんの隣で熱視線を送っている奴に声をかけてあげてくれないかな。たぶん、そうしないと動かないから。別に置物のままにしておいてもいいんだけど』


ユメ『えっと、十戸倉さん』


希『希って呼んでください』


ユメ『じゃあ、希さん』


希『はい、何でしょう』


ユメ『ずっとななゆめを応援していただいて、ありがとうございます。

   それから、今まで気がつかずにお相手できなくてごめんなさい。これからも、わたし達のことをよろしくお願いします』


希『いえ、あたしが好きでやっていたことですし、あたしとしてはこれからもずっとがんばってもらえれば、あたしのことなんて置物でも何でもいいんです。むしろ、今まで宣伝が足りてませんでしたよね。ななゆめがもっともっと活躍できるように、あらゆる手段を使って』


翠『ととのん、ととのん』


希『なに翠。じゃましないで』


翠『ユメちゃん困ってる』


希『……っは!』


ユメ『あはは……』


翠『ほら、ユメちゃんの笑いが乾いてる。砂漠が出来ちゃうよ?』


ユメ『困っていないって言ったら嘘になりますけど、大丈夫ですよ。

   もっと強烈な人を知っていますから』


希『ユメさんにもっと強烈に迫れる人がいるなんて、羨ましい。でも、困らせるのは、本意じゃない。出来れば笑っていてほしい。一瞬一秒を安らいでいてほしい。

  あ、ユメさん。握手してください』


ユメ『あの……希さんは、ななゆめのドラムと握手できますか?』


希『男性と握手して大丈夫かってことですか? それだったらぜんぜん大丈夫です。むしろハグしたいです。ななゆめの人全員と濃厚な抱擁を交わしたいです。

  あれ? こんなこと言ったら、むしろ握手してもらえなく?』


ユメ『いえ、握手くらいなら大丈夫ですよ』


希『感激です。感涙です。これが恋いこがれたユメさんの御手。

  細くてすらっとしていて、まるで作り物みたいで……』


舞『十戸倉さん黙っちゃいましたね』


翠『ユメちゃんと握手しているからね。感動を言葉に出来ないんだと思うよ』


舞『それは表情から何となくわかりますが、翠さんと十戸倉さんって、にているようでやっぱり違いますね。

  翠さんは短い言葉で騒ぐのに対して、十戸倉さんは饒舌になりますし』


翠『ドリムちゃん冷静だね。っていうか、私そんなに騒いでるかな?』


舞『騒いでないですか? 初めて一緒にしたラジオの録音聴きます?』


翠『うぐぅ。ぎゃふん』


舞『えっと、ユメちゃん大丈夫?』


ユメ『大丈夫だよ。希さん、そろそろ良いですか?』


希『……っは!』


翠『このままじゃ、先に進まないから進めちゃうからね?

  改めまして、ミドリムラジオ第二十回スタートです』


~♪♪♪~


翠『「ととのんのコーナー」このコーナーでは、ととのんに届いたメッセージをととのんに答えてもらうコーナーです』


希『あたしはユメさんとお話をしていたいです』


翠『それはととのんが準レギュラーなんて、微妙なポジションに着いたからです。必要以上にお便りくるからね。消化しないと。自業自得って奴です』


希『でも準レギュラーって立場でないと、こんな風には?』


翠『なっていないです。そもそも、何で今みたいになっているのかと言えば、二十回記念でととのんを驚かせたかったからです。

  ですから、撮れ高的にはもう十分です』


希『じゃあ、お便りすぐ読もう。すぐ話してしまおう』


翠『それじゃあ、一通目。「キロン」さんからいただきました。

 「パーソナリティの綿来さん、ドリムさん。それから、十戸倉さんこんばんは」はい、こんばんは。

 「綿来さんと十戸倉さんは仲が良く、綿来さんは十戸倉さんのことをととのんとあだ名で呼んでいますが、綿来さんのあだ名ってなにかないんですか?」』


希『むにゃちゃん』


翠『却下』


希『と、言うことです。でも、グリンっていうのもあるよね』


翠『それはよし』


舞『むにゃちゃんって何ですか?』


希『翠が居眠りしているときに、「むにゃむにゃ」なんて、ベッタベタなことを言ったから、あたしが呼んでいたんだけど』


翠『やめてー。恥ずかしいからー』


希『ってなったから、呼ぶの止めたの。二年くらい呼んでたのに』


翠『まだ読み終わってないから、続けるよ。「そして、ドリムさんには何かあだ名ってないんでしょうか?」』


舞『なんか以前にあだ名の話ってした記憶があるんですけど、気のせいですっけ?』


翠『したかもしれないけど、覚えてないかな。ドリムちゃんは「ドリム」ってのがあだ名みたいなもんだよね』


舞『そうですね。別に本名ありますし、本名で呼ばれるか、ドリムで呼ばれるかのどっちかです。

  本名も短いので、なかなかあだ名にしにくいのかもしれませんね』


翠『あだ名と言えば、ずっと黙っているユメちゃんって何かあだ名ってあるの?』


ユメ『えっと、あと、その……』


翠『ユメちゃん。落ち着いて』


ユメ『あ、いえ。すいません。ちょっと、聞くのに精一杯でした。

   あだ名はないですね。わたしの事「ユメ」以外で知っている人いないんで、ドリムちゃん以上にあだ名を決めにくいんだと思います』


翠『ユメって一応本名なんだよね?』


ユメ『本名と言えば、本名ですね。どこに行っても、名前を書くときはカタカナでユメって書いてますし』


翠『二文字だけだと、あだ名にするにも逆に長くなっちゃいそうだよね。

  長くなっちゃダメってことはないんだろうけど。ととのんは、ユメちゃんの良いあだ名思いつく?』


希『ヒメ……っていうのは、ちょっと露骨すぎる気もするし、でもユメさんの可愛さや何とも言えない雰囲気を言葉にしようと思ったら、それこそかなり高貴な感じのヴィクトリア的な高貴さを。

  だからと言って、ヴィクトリアとも違うし、もっと儚く消えてしまいそうなところで、マーメイド……声が出せなくなるなんて縁起でも……。

  いや、ここはもっと可愛らしさの方に重きを置いて、「めーちゃん」? いや、無い。っていうか、知り合いのニックネームだこれ』


翠『ととのんが良い感じにぶっ壊れてきたところで、次のお便りに行きましょう。

  ドリムちゃんよろしく』


舞『ぶっ壊れていいんですかね?

  とりあえず読みます。「ドリムさん、ととのんさん、それからいるであろう翠さんこんばんは」』


翠『うん、ととのんと私の位置逆だよね。私がメインパーソナリティだからね?』


希『今日に限っては、あたしがメインでもいいよ?』


翠『ととのんお帰り』


希『ただいま』


舞『「ラジオでコアなファンというということが、全国に知れ渡ったわけですが、せっかくなので一時期騒ぎになったドリム問題について詳しく聞かせてもらえますか?」』


希『たぶん、あたしがななゆめのファンだから、どう思っていたのかって話だよね。

  それとも、翠がドリムちゃんのファンだからかな?

  まあ、どっちも答えるとは思うんだけど、あたしは詳しくは知らないかな。ドリム問題については知っているんだけど、あれって結局ドリムちゃんと初代ドリムの問題でしょ? そこにたまたまユメちゃんが現れたから、巻き込まれたんだな。くらいにしか、思わないように頑張ってたよ』


舞『あはは、ご迷惑おかけしました』


希『ドリムちゃんは悪くないんだけどね。

  でも、結局表に出るつもりがなかった、初代君を引っ張り出すところまで話は進んじゃったみたいだし、いろいろ言っていた人たちも急に何も言わなくなったしで、気持ちが良い問題ではなかったかな。

  ドリムちゃんを前に言うことでもないと思うんだけど』


ユメ『と、言うことは、希さん自体は初代ドリムの歌を聞いたことはないんですか?』


希『無いんですよ。いえ、昔聞いたことあるかもしれないですけど、覚えていないんですよね。

  ななゆめに出会ってからは、ななゆめ一筋……とは言えないですけど、ななゆめの事を応援していましたから、聴いたらたぶん問題についても知りたくなっちゃいますし、知ったら火に油を注ぎかねませんでしたから』


翠『いやあ、変わり身早いね』


舞『翠さんも大概だと思いますけどね』


翠『結局ドリム問題って、ドリムちゃんが初代君から、名前貰って使っていたってだけの話を、周りがどんどん大きくしただけなんだよね』


ユメ『そこにわたしが現れたから、話をさらにややこしくしちゃったって感じだと思います。

   名前もユメだから、一層混乱させちゃったのかもしれません』


翠『ってことで、この話はしゅーりょーです。

  というか、ととのんのコーナー終了です。時間押してるって怒られてます。

  曲を流して、次のコーナーに行きましょう』


~♪♪♪~


ユメ『crazy painterの収録終わってたんだね』


舞『ゲストが来るから、それまでに形にしようってことで、頑張ったんだ。翠さんが』


ユメ『ドリムちゃんは頑張らなかったの?』


舞『翠さんに比べるとなんていうか……』


希『何々? ドリムちゃん。ちょっと詳しく話してみてくれる?』


舞『何か特別なことがあったわけじゃないんですけど、収録の時に翠さんがギリギリまでリテイクお願いしていて、すごいなあと』


希『通りで妙に翠の歌がうまいわけだよ』


翠『じゃあ、ととのんに訊くけど、ユメちゃんと一緒の歌を歌うことになったらどうする?』


希『せめて邪魔にならないレベルまでリテイクを繰り返す』


舞『はい、2人でわかり合ったように固く握手を交わさないでください。

  映像はないんですから』


ユメ『えっと、次のコーナーに移るんだよね?』


舞『はい、本日二つ目のコーナーは、「ユメちゃんは宣伝できるかな? ととのんに頑張ってもらおう」のコーナーです。出来れば、このコーナー名は翠さんに読んでほしかったんですけど』


翠『このコーナーでは、タイトル通りユメちゃんが宣伝する時間を、ととのんが頑張って獲得するコーナーです』


希『何それ聞いてない。緊張で心臓爆発しそう』


翠『とりあえずお便りがあるので、趣旨説明も兼ねて読みます。

  ラジオネーム「みーたん」さんから頂きました。「ミドリムラジオの皆さんこんにちは。殊、十戸倉さんは、ななゆめに興味がおありなようですので、メール差し上げた次第です。ななゆめが好きということは、当然すべての曲を網羅してると思いますので、ぜひその証拠をお見せいただきたく存じます」』


希『つまり、イントロクイズみたいなものをしたらいいの?』


翠『うん。ななゆめのボーカルであるユメちゃんの前で、ななゆめの曲に関してのクイズに答えてくれたらいいんだよ』


希『だだだ、大丈夫だよ。あ、あたしはななゆめの、ファンだからね。

  答えられて当然だよ』


翠『具体的には、ユメちゃんに最初の方だけ歌ってもらうので、わかった段階で答えてね。

  5分からととのんが答えるのにかかった時間を引いた時間が、ユメちゃんの宣伝タイムになります。問題は全部で5問。

  30分番組の5分だからね、かなり長いよ。でも、ととのんがしくじると、1秒も残らないよ。』


希『流石に、こんな風にユメさんに歌ってもらうのは、不謹慎だと思います』


翠『その辺はすでにユメちゃんから了承を得ています』


希『出来れば黙って聞いておきたいです。答えたら最後まで歌ってもらえるんですか?』


翠『残念ながら、そんな時間はありません。欲に負けて、ユメちゃんの時間を奪うか、それともユメちゃんのために頑張るのか。見ものだね』


希『鬼。悪魔』


翠『ユメちゃん。とりあえず、ととのんの手を握って、「がんばって」って言ったら大丈夫だと思うよ』


ユメ『それっていいんですか?』


翠『私達としても、ユメちゃんには恩返ししたいしね』


希『だったら、こんなことしないで時間をあげたらいいと思いまーす』


舞『十戸倉さんが苦しむ姿を見たいって、言う人がいて……』


翠『ほらユメちゃんやっちゃって』


ユメ『あの、希さん。あんまり気負わないでくださいね』


希『はい。頑張ります。4分50秒は残せるようにやってみせます』


翠『はい、それじゃあ1問目。計測はユメちゃんが歌い出した瞬間から。それでは、ユメちゃんよろしくね』


ユメ『それじゃあ、「会えない夜を」』


希『trick』


翠『うわ……はや……。ちょっと引くレベルかも』


希『翠褒めんな。ぐぬぬ……』


翠『反応が面白いことになっているけど、気にせずに2問目いいかな?』


ユメ『「十七年 たったそれだけ それでも」』


希『十七』


舞『なんだか十戸倉さんの答えには、気迫すら感じられますね。

  ユメちゃんは大丈夫?』


ユメ『大丈夫なような、大丈夫じゃないような。心配はないかな』


舞『実にユメちゃんらしいね。じゃあ、3問目よろしくね』


ユメ『「TIP TAP 弾む靴の音」』


希『日々、道』


翠『3問目まで終わって、経過時間は5秒。ととのんもやるね』


希『翠いつか覚えてろよぉ……いつか同じことしてやるからなぁ……』


翠『その威勢が最後まで持つかな。ってことで4問目』


ユメ『「今日道の端に見つけた 小さな小さな鼓草

  「君に似ているね」なんて 言って見たけれど」』


希『鼓草』


翠『ちょっと、欲望に飲まれかけたね。今ので4秒かかったよ』


希『い、一秒あったら余裕だし』


翠『まあ、そんな感じするから怖いんだけど。

  それじゃあ、最後の1曲』


ユメ『希さん。ごめんなさい』


希『ん?』


ユメ『「嘘をついた 嘘になった

   でもすべて 本当の心だ 見せてくれるんだろう?

   未知なる世界を


   狭い箱の中で 歌っていた俺の手を引いた

   君に夢を 盗られた気がした


   代わりに願った 届かない世界を見せてくれと

   君は笑った 顔は見えないけれど

   強がりの心に 穴が開いたまま

   水面の月に 手を伸ばすか考えていた



   だけど本当は知らなかっただけさ

   自分の中にあった夢に 失くしたものもあるけど

   それ以上の大切な何かに



   夢を封じてしまったのは ただの意地かもしれないが

   後悔はしていない 俺がそうすると決めたから

   これから先も そうであるように 君には無茶を言ったけど

   未知よりも 何よりも 君のそばにいさせてくれないか」』


翠『はい、終了。今ので2分かかったから、宣伝時間は3分弱だね』


希『翠先生』


翠『十戸倉さん、何ですか?』


希『あたしこの曲聞いたことありません』


翠『私も初めて聞きましたからね。皆そうだと思いますよ』


希『曲名分かるわけないじゃん』


翠『でも本音は?』


希『最高だった。だって、新曲だよね。もしかしたら、本当にあたしが知らないだけで、学校とかでは演奏していたかもしれないけど、新曲だよね。

  あたしが把握している、公になっていない曲もあるけど、その曲とは違う感じがするし、ななゆめの新曲をユメさんのアカペラでこんな近距離で訊けたんだよ?

  もう駄目、我慢できない。この高ぶった感情をこぶしに乗せて、翠にぶつけていい?』


翠『問題が起きたら、困るのはユメちゃんやドリムちゃんだと思うけど』


舞『はい、十戸倉さん落ち着いてください。翠さんも煽らないでくださいね。

  じゃあ、ユメちゃん。宣伝は2分51秒だから、頑張って。よーい、スタート』


ユメ『はい。えっと、来月になってしまうんですが、ななゆめでシングルを出すことになりました。

   収録曲は今、歌わせてもらった「未知」ともう一曲新しい曲が入っています。

   今回のシングルにはコンセプトがありまして、ななゆめらしさを出していくことになっています。

   全部で7曲あって、2曲・2曲・3曲と分けて、順次シングルを出す予定です。


   一応ファーストシングルってことになると思うので、よかったら買ってくれると嬉しいです。

   これで言いたかったことは全部なんだけど……まだ時間あるみたいですね。


   あー、えー……今日歌った「未知」ですが、ななゆめっぽくなかったと感じる人もいるかもしれませんが、ちゃんとななゆめの歌なので、敬遠せずに聴いてもらえた嬉しいです』


舞『はい、ありがとうございました。シングル発売決定おめでとう』


ユメ『ありがとう。でも、これからが大変そうかな。妙に稜子が張り切っちゃっているから』


翠『ドリムちゃん、ユメちゃん。楽しくお話しているところ悪いんだけど、ととのんが何か話したそうだから聞いてもらっていいかな?』


ユメ『どんな話ですか?』


舞『いいですよ』


希『えっと、さっきななゆめらしさで、未知って言葉が出てきましたよね。

  ということは、曲の「ななゆめ」の歌詞にあった「未知 歌 仲間 出会い 楽しさ 約束 頂点」ってことでいいんですか?』


ユメ『それを覚えていてくれるくらいに、聞いていただけたみたいでうれしいです。ありがとうございます。でも、そこまでバレているんだったら、隠す必要はなさそうですね。

   希さんの言う通り、その7つをそれぞれ歌った曲です。一日中聞いていられるような曲みたいな感じで話自体は結構上がっているんですが、最初だからこのようになりました』


舞『話は尽きそうにありませんが、そろそろ時間なので、エンディングに移ります』


~♪♪♪~


翠『エンディングです。そういえば、さっきのクイズの最後。

  ととのんが答えられなかったせいで、宣伝時間短くなったけど大丈夫だった?』


ユメ『むしろ、あまり長いと話す時間がなかったので大丈夫ですよ。と言いますか今日ぐらいの長さでも時間余っちゃったんで、とても助かりました』


翠『ととのんは訊いた方が良い?』


希『ユメちゃんが歌う前にあたしに謝っていた理由がわかってよかったです』


舞『それではミドリムラジオ本日はここまでです。お便りはメールフォームからお寄せください。

  お相手はドリムと』


翠『綿来翠と』


ユメ『ユメと』


希『十戸倉希でした』


翠『それでは、また次回お会いしましょう。バイバイ』


~♪♪♪~

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