第十六回
翠『ドリムちゃん、通常回だよ』
舞『一応前回も通常回ではあったんですけどね。
今日は妖精さんじゃないんですか?』
翠『まだるっこしいからね。
前回って言っても、私たちにしたらさっきのことだし。
たぶん、質問がくるから前もって言っておくけど、ととのんは二十回記念にくるって言って帰って行ったよ。でも二十回にくるって予定はないよ』
舞『カンペで決まったって言っていますけど』
翠『あー、もおっ! 本当に君たちは自由だな』
舞『それでは、ミドリムラジオ始めていきます』
~♪♪♪~
舞『改めまして、ミドリムラジオパーソナリティのドリムです』
翠『同じく綿来翠です。前回は通常回という名の、ととのん回でしたね。何でなんでしょうね』
舞『でも楽しかったですよ?』
翠『楽しいかどうかは問題じゃないんだよ。
まあ、今更ととのんに文句言っても仕方はないんだけど。
気を取り直してお便りを読みます。ラジオネームは「ギア」さん。
「ドリムさん、翠さん、こんばんわ」』
舞『はい、こんばんは』
翠『「早速質問なのですが、ラジオが始まって20回もしないうちに、いくつものコーナーがなくなったように感じるのですが、どうなのでしょうか?」
と言うことでした。ありがとうございました』
舞『えっと、ありがとうございました? でいいんですか?』
翠『コーナーについては、私たちって言うよりも、スタッフの領分だしね。ちゃんとした答えは出せないし』
舞『始まったばかりで、探り探りの部分もありましたけどね』
翠『あとは単純に、お便りこなくてどうしようもないコーナーとかあるし』
舞『ぶっちゃけましたね』
翠『お便り来てても、なぜかやらないコーナーもあるしね』
舞『なぜかコーナーが増えるって言うのも理由だと思うんですけど』
翠『ミドリムラジオは思いつきの企画を、躊躇わずにやってみる番組です』
舞『自由ですね。相変わらず』
翠『そんなわけで、今日も思いつきの企画をやっていきます!』
~♪♪♪~
舞『テーマトークのコーナー。このコーナーでは翠さんとわたしが、あるテーマについて話をすると言うコーナーです』
翠『なんか懐かしいね』
舞『そうですか? 確かに最近はやっていなかったようにも思いますけど』
翠『それで、今日のテーマは何かな?』
舞『これはですね。お便りが来ていまして、まずそれを読みますね。
ラジオネーム、は書いていないので、そのまま本文を読みます。
「翠さん、ドリムさん初めまして。今回はお二人に話してほしいことがあったので、メールしました。新学期が始まり新たな環境になった中で、お二人は新しい『友達』はできましたか? と言うことで、友人について話を聞きたいです」とのことです』
翠『友達、友人ねえ。ドリムちゃんはたくさんいそうだよね』
舞『たくさんって言うほどではないですが、いますよ。
こうやって、表だって活動するようになったので、裏でひっそりってわけにもいかなくなりましたから、目立っちゃって。
昔は学校ではドリムって事、隠していたんですけどね』
翠『よく隠せたね』
舞『変装してましたから。変装ってほどじゃないですね。イメチェンくらいだったと思います』
翠『何となくわかるかな。今はどうなのかな?』
舞『昔に比べて話しかけてくれる人が増えました。
その分、今まで仲が良かった子と話す機会が減っちゃって、話しかけてくれる人が増えたのはうれしいんですけど、ちょっと複雑な部分はありますね』
翠『そのあたりは難しいよね。私は経験ないんだけど』
舞『翠さんはどうなんですか? とりあえず、仕事関係ではない、と言うか学生時代の友人ってどんな人でしたか?』
翠『普通の友達だよ。私がアニメとかマンガとか好きだったから、そちらよりの友達にはなるんだけどね。
休み時間に集まって、このキャラが好きとか、嫌いとか言いながら、趣味が合わないだけで言い争って、みたいな。
でも、学校を卒業してからは、ほとんどあわないんだよね』
舞『卒業したら会わなくなるものなんですね』
翠『少なくとも私はそうかな。卒業後も仲良くしたい子とは、頻繁に連絡を取ると良いよ。
携帯があるからいつでも連絡できるって思っていると、いつまでも連絡せずに、いざって時に出来なくなるから』
舞『心に留めておきますね。
翠さんの仕事関係の友人というと、十戸倉さんがイメージとしては強いです』
翠『ととのんとは、仲良いよ。たまにお互いの家に泊まりに行くし』
舞『それから、年下の子を溺愛していますよね?』
翠『うん。ドリムちゃん大好きだもん』
舞『わたしではなくて。好きだって別のラジオで言っていたと思うんですけど』
翠『ああ、ドリムちゃん。私のことそんなにチェックしてくれていたのね』
舞『何キャラかはわかりませんが、翠さんにはお世話になっていますし、一緒にお仕事させてもらっていますし、出来るだけ出演しているものはチェックしていますよ。
それで、居ますよね?』
翠『思い当たる子は居るには居るんだけど。
でも、ドリムちゃんを蔑ろにしているわけじゃないんだよ?
「あのことわたしどっちがいいんですか?」って訊かれたら困るけど。言われてみたいけど。
でもね、1番とか決めちゃ行けないと思うの。妹は2人居ても良いと思わない?』
舞『わたしに訊かれても困るんですけど』
翠『なあに、ドリムちゃん拗ねてるの? 妬いてるの?
私、嫉妬されちゃったの?』
舞『してないです。いつかあえるのかなとか、思ったくらいですよ。
きっと、翠さんの一番の仲良しは、十戸倉さんだと思いますし』
翠『えー、何でととのんなの?』
舞『そういうところです』
翠『ケホンケホン。ドリムちゃんの仕事友達って、やっぱりななゆめになるのかな?』
舞『いろいろありましたからね。でも、無名時代にわたしを見つけて、いろいろ手伝ってくれた人たちも居ますよ』
翠『どんな人達なの?』
舞『動画を作るに当たって、撮影してくれたり、編集してくれたり、時には楽曲を提供してくれたりって人たちです。
彼らがいなかったら、たぶん今ほど名前は売れていなかったでしょうね。今でもネットの域は出ていないんですけど』
翠『今でも会うこととかってあるのかな?』
舞『会いますよ。と言うか、今も動画作るときには手伝ってもらっています。友達というか仲間って感じですね』
翠『そういわれると、私ちょっと分が悪いなー』
舞『でも、彼らもななゆめも、業界人かと言われたら微妙ですね。ななゆめは最近表立って活動し始めましたし。最初の友達って言うと』
翠『私!?』
舞『桜ちゃんですね。SAKURAとしては、前々から活動していますし』
翠『ドリムちゃんに弄ばれた』
舞『はい、翠さん。拗ねていないで次のコーナーに行きますよ』
~♪♪♪~
翠『「もしも○○だったら」このコーナーでは、もしも○○だったらということで、実際には起こり得ない状況を、私たちが演技していこうと思います』
舞『翠さんの思いつき企画ですよね』
翠『うん。すべてはね、一通のお便りから始まったの。
ラジオネーム「まくら」さんからいただきました。
「翠さん。ドリムさん。こんばんは。お二人は実際には年が離れていますが、仲がいいですよね。もしも同級生だったら、もっと仲良かったと思いますか? それとも今ほどではなかったと思いますか?」』
舞『ありがとうございました。
つまり、翠さんと同級生だったらどうするのかを演技するんですね』
翠『というか、ドリムちゃんと学校生活をしたかったから、せめて雰囲気だけでもと思って』
舞『同級生ですよね。シチュエーションはお任せしますが、たぶん学校内なんでしょう』
翠『それじゃあ、高校2年の昼休みのひととき。それでは、よーい。スタート。
「ドリムちゃん、ドリムちゃん」』
舞『「貴女は確か、綿来さん? どうしたの?」』
翠『「良かったら一緒にお昼ご飯食べない?」』
舞『「ごめんなさい。わたし、別の子と約束してるから。
また明日だったら大丈夫なんだけど……」』
翠『「えっと、うん。そっか。ごめんね急に。じゃあ、明日は一緒にご飯食べようね」
ストップ、ストーップ。違う違うよドリムちゃん』
舞『違いましたか? こんな感じだろうなと思ったんですけど』
翠『まずなんで私たちが仲良くないの? さっき言ってた目立っていなかったときのドリムちゃんなの?
だとしたら、レアな一面が見られて超嬉しい。でも、もうちょっと仲いい感じでお願いします。この通りです』
舞『わかりました。もうちょっと仲がいい感じですね』
翠『では二回目、スタート。
「ドリムちゃん、ドリムちゃん」』
舞『「どうしたの? ミドリムラジオの精さん」』
翠『「どういうわけかね。今日のドリムちゃん、ちょっと意地悪なんだけど、ドリムちゃんは理由知っているかなって」って、ちがーう。わざとなの。わざとなんだねドリムちゃん。
決して、いきなりお友達を妖精呼ばわりする子じゃないよね?』
舞『ごめんなさい。ちょっと、思い出しちゃって』
翠『まあ、お茶目。可愛い。でも、次はよろしく頼みますよ。仲良く、でも妖精じゃない。では、三回目行きます。
「ドリムちゃん、ドリムちゃん」』
舞『「翠。どうしたの?」』
翠『よ・び・す・て……いい。グッとくる。最高』
舞『翠さん、演技してください』
翠『あ。うん、えっと。「ご飯一緒に食べよう?」』
舞『「いつも、そんなこと言わずに勝手に来るでしょ?」』
翠『「うん、そうだけど。たまには、良いよって言って欲しいかなって」』
舞『「はいはい、良いよ」』
翠『「やったー。ねえ、ドリムちゃん。昨日のドラマ見た?」』
舞『「見てない」』
翠『「えっと、じゃあ、今日の一時間目の」』
舞『「寝てた」』
翠『「えーっと、えっと……」違う、違うよドリムちゃん。違わないのかもしれないけど、これはこれでいいかなって思うけど、違うよね?』
舞『今のは演技ですけど、素っ気ないと思われていた時期は長かったですよ』
翠『出来れば、普段のドリムちゃんで、次が最後の挑戦です』
舞『「翠ちゃん。午後の授業の宿題なんだけど、やった?」』
翠『「やってないよ。……だから、どうしようかなって困ってる。
ドリムちゃんはやってるよね?」』
舞『「見せないよ? 自信ないから、わたしが見せてもらおうと思っていたのに」』
翠『「ドリムちゃんなら大丈夫だよ。自信もって! だから……」』
舞『「見せないよ?」』
翠『「えー……」』
舞『「もお。教えてあげるから、自分でやってね。わたしが間違っているかもしれないけど」』
翠『「そこまでしたら、見せてくれてもいいのになー」』
舞『「じゃあ、教えてあげない」』
翠『「ごめんなさい。教えてください。お願いします。見捨てないでください。後生です」』
舞『翠さん』
翠『「翠ちゃんって呼んで」』
舞『これはいいんですか?』
翠『なんていうか、とっても学生っぽくて、私は最高だと思います。
そういえば、ドリムちゃんって、学校だとあんな感じなの?』
舞『どうなんでしょう。やってみて、と言われてもなかなか出来ているのかわからないですね。
いきなり方言喋って、って言われても、上手く話せないみたいな感じです』
翠『それはなんとなくわかるかも。意識してないもんね。
ってことは、学校でのドリムちゃんはお預けかあ。でも、呼び捨てにもしてもらえたし、ちゃん付けにもしてもらえたし。私にとって最高の企画でした。
今後ともことあるごとに、私の欲望を実現していこうかと思います』
舞『やっぱり、ちょっと壊れてますよね?』
~♪♪♪~
舞『エンディングです』
翠『余は満足じゃ』
舞『翠さんが満足してくれたなら、よかったです』
翠『でもね、今日のコーナー。本当は前回やるつもりだったんだよ。
それなのに、どこかの誰のんが』
舞『誰のんってほぼ言っていますよね』
翠『どこかのとと何とかがやってきたから、今回になりました。
でも、前回の放送で分かったことがあります』
舞『分かったことですか?』
翠『ユメちゃん呼んで、ドリムちゃんについて話したら、超楽しそう。
本人だと教えてくれないこともわかりそうだし、話も弾んで一石二鳥だと思うんだよね』
舞『それを本人の前で言うんですね』
翠『ななゆめと言えば、メインテーマがいつ私達バージョンになるのかって、質問がいくつか来てたね』
舞『そんな雑に話しそらさないでください。
メインテーマですが、来月レコーディングがあるので、それ以降になりますね』
翠『ツッコミながら、ちゃんと話はしてくれる。さすがドリムちゃん』
舞『おだてても何も出ませんよ。時間も迫っていますし、早く終わらせましょう』
翠『はーい。番組へのお便りは、ホームページのメールフォームからよろしくお願いします。
今日は確か3通しか読んでないけど、そういうものだけど、お便り待ってます』
舞『それでは、ミドリムラジオ十六回。お相手はドリムと』
翠『綿来翠でした。バイバイ』
~♪♪♪~