この世界にある程度の物理法則を残しているのを後悔する時があります。
本編だと状態変化ネタが限定地域での娯楽的意味しか持っていないので、試しにそういう敵と遭遇させてみました。
~平面化①~
ヴラーデ「なんとか敵は倒せたものの……このペラペラになったヨータはどうすればいいのよ……」
陽太 「うぅ、すまん……」
小夜 (全身ひらひらの陽太さん……良い……)
ロティア「立体化の薬も丁度切らしてるし……誰かが膨らませるしかないわね、キスで」
ヴラーデ「だったら私を庇ってこうなったんだし私が!」
小夜 「いえ、あまり活躍できなかった私が!」
陽太 「落ち着けお前ら!?」
ロティア(もちろん嘘だけど♪)
~平面化②~
小夜 「陽太さんが、行方不明になって数日……ああ、陽太さん……」
ロティア「転移でも戻ってこないとなると……ん? 皆、これ見て!」
ヴラーデ「え、ヨータ……?」
小夜 「なんという姿に……ちょっと良いかも」
ロティア「いやいや、ヨータ本人が滅多にしない満面の笑顔で『こちらです♪』みたいな案内の看板になんてならないでしょ、誰かの悪戯で、本当はどこかに囚われて――」
小夜 「それでもこれは陽太さんです!」
ヴラーデ「そうね、早く助け出さないと!」
ロティア(ああ、こうなったらダメね。原因を解明してどうにかするのは変わらないし、別に良いか……)
~石化~
小夜 「そんな……ヴラーデさんが、石に……」
敵 「余所見なんてしないでおくれよ」
小夜 「うっ! あ、足が……」
陽太 「小夜!」
小夜 「陽太さ……ごめ……なさ……」
敵 「いっちょあっがり~♪」
陽太 「てめえ……二人を戻せ!」
敵 「やだ怖い、俺の新たな眷属に守ってもらわないと♪」
陽太 「何を……な、石になった二人が動き出して……?」
敵 「折角のコレクションなんだ、うっかり壊さないでおくれよ? 俺でも戻せなくなるぜ?」
陽太 「クソが……!」
(敵撃破)
陽太 「はぁ、はぁ……あいつはどうにかなったが、二人の目覚めを待たなきゃってのは酷だな……」
ロティア「仕方ないでしょ、石が勝手に消えたりしてくれないんだから。経験的に中から割って出る方が楽なのよ」
陽太 「外気に触れてたせいで表面の石だけ薄く浮き出て、元に戻る分から外れるんだっけか? ……何だよその仕組み」
ロティア「知らないわよ。ほら、ぐだぐだ言ってないで運びなさい」
陽太 「分かってるよ。ヨルトスはヴラーデを頼む。俺は小夜を……っと、中身が戻ってるとはいえ表面の石が増えてるだけでも重いな」
ロティア「冗談でも本人に言っちゃダメよ?」
陽太 「そんくらいのデリカシーはあるっつーの」
~氷漬け・凍結~
敵 「捕まえた♪」
陽太 「つめたっ!? あ……さむ……」
ヴラーデ「ヨータが少しずつ氷に覆われて……! くっ、離しなさい!」
敵 「ちょっと、炎なんて飛ばさないでくださる?」
小夜 「ヴラーデさんの、炎が、通らないほどの、氷の盾……私の銃じゃ……」
敵 「うふふ、冷たさによって意識が遠くなりながらも最後まで抵抗した姿で閉じ込められる男は素敵ね♪」
ヴラーデ「ヨータが氷漬けに……!」
小夜 (ちょっと分かる……特に抱きつかれていたせいで少し不自然な姿勢で固定されたのを三百六十度から見れるなんて……)
(敵撃破)
ヴラーデ「とりあえず、まずは邪魔な氷を砕いて――」
ロティア「待って、本人も凍結してるかもしれないわ。もしそうなら下手に衝撃を与えると割れかねない……!」
小夜 「地道に、融かしていくしか、ないですね……」
(周りの氷融解)
ロティア「やっぱりヨータごと凍ってたわね。小夜、ヴラーデ、まだまだ慎重にね。解凍は少しでも間違えると生命活動を再開してくれないわよ」
ヴラーデ「わ、分かってるわよ……!」
小夜 (氷像な陽太さんも良い……じゃなかった、もうすぐ元に戻せます、待っててくださいね……!)
~雪像化~
(敵の吹雪攻撃から陽太を庇った小夜が雪像となって現れた)
陽太 「くそ、小夜……!」
ロティア「これは……雪? ヨータ、ヴラーデ! サヤちゃん自体が雪になってる! 衝撃を与えすぎると崩れちゃうから静かに戦って!」
ヴラーデ「そんな無茶な、ってホントに服が崩れ始めてる!?」
陽太 「髪や服はともかく指とかヤバそうだな……!」
ロティア「とりあえず【氷魔法】で補強しとくからヨータも【空間魔法】で囲っといて!」
陽太 「分かった!」
~知能低下~
敵 「ふふ、あなたの狡猾さは厄介だもの……真っ先に封じておかないとね♪」
ロティア「あ、ああ……」
(敵が頭を掴んでいたロティアを放る)
ヴラーデ「ロティア!」
陽太 「何をしやがった!」
敵 「簡単なことよ。その知能を奪ってあげたの」
小夜 「ということは、ロティアさんが、おバカに……?」
ロティア「あ、あれ……わたし……」
ヴラーデ「ロティア! 大丈夫!?」
ロティア「ヴラーデ……?」
ヴラーデ「良かった、大丈夫そう――」
ロティア「ヴラーデ♪」
ヴラーデ「えっちょっ、今戦闘ちゅ……ひゃっ!? そこはダメ! いや、やめ……」
ロティア「うふふ! あはははははっ!!」
ヴラーデ「やああぁぁぁっ!!」
小夜 「ヴラーデさんが、あっという間に……!」
陽太 「そうか! 知能と一緒に理性も削られたせいでいつもの暴走ぶりが酷くなってるんだ!」
小夜 「そんな……このままじゃ……」
陽太 「おいアンタ! ロティアを早く戻せ! このままじゃ全員やられる!」
敵 「え、えぇ? ……はっ! そ、その手には乗らないわよ!」
陽太 「そんなこと言ってる場合じゃ――」
ロティア「ヨータ♪」
陽太 「ひっ! こっち来た!」
ロティア「ヴラーデといっしょにぃ、あなたもしあわせになりなさい?」
(結局全員果てた)
ロティア「うふふ、みんなみーんなしあわせ♪」
敵 「ま、まさか本当に……こんなことに、なるなんて……」(パタリ)
ロティア「うふふふふ……ふ? 急に頭が……あぁ、あの人が気絶したからね」
(周りは大惨事)
ロティア(どうしましょこれ……私も気絶したフリして起きたら記憶がなかったことにしたらお仕置き回避できるかしら……)




