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21.思い通りにいかないのは何故?
廊下を歩く。
足音が一歩ごとに大きく響く。
誰もいない屋敷は広くて、いつもより冷たい。
シェー是のいない屋敷は、全部ただの色の塊にしか見えない。
(……シェーゼ。)
心の中で呼ぶ。
もしかしたら書斎置いておいたかもしれない。
彼の姿を探して、扉を一つずつ開けていく。
空の客間。
図書室。
食堂。
どこも静まり返っている。
(いないのですか?)
胸が痛む。
足元が急に軽くなるような、変な感覚がする。
息を吸っても、空気がうまく肺に入らない。
最後に、自室の前で立ち止まる。
扉に手を伸ばす。
けれど、分かってしまう。いないということが。
それでも、ほんの僅かな望みに縋って取っ手を回す。
――カチャ。
ゆっくり開ける。
部屋の中は薄暗い。
逆に言うとそれだけだ。
「……いないのですね。」
人形は動かないのに、人形は思い通りになってくれなきゃいけないのに。
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