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嗚呼、地獄の門よ

「ヘルゲートの鍵?」

ジンが聞き返すとサナリアは全員に話し始める。

「元々は私だけが持っているもの、そのはずでした。けどこの眼一つでは門は開けることはできません。私が知っている限りではこう言われています。一つで真実を見抜く、二つで(くさび)を放つ、三つで未来を観測し、四つで地獄を開く。」

「さっきの事象看破ってのはそういうことか」

サナリアは頷く。

「元々は私だけが持っているってのはどういうことだ?」

「それは、、、昨日の夕食の時も少し触れたのですが、私たち姉妹は本当の姉妹ではないのです。ある研究所で私の力を埋め込まれた。攫われた子達だったの」

ネルはサナリアの服をギュッと握る。

クールな子に見えていたがこの話は辛いのか怯えているように見える。

「いやなら話さなくていいぜ、こっちも色々と事情あるメンバーだしな」

サナリアは首を横にふる。

「いえ、話させてください。今回の件に関係していると可能性もありますので」

そこから彼女たちの過去の話が始まる。

ヘルゲートの鍵、それは法則性のない選出方法で選ばれた一人に与えられる禁忌の眼。

四つの瞳が重なるとき地獄の門が開くとされている。

サナリアが持つ眼の存在が観測された時、彼女はある研究機関に目を付けられる。

病気の治療薬の開発に必要だからと騙され連れてこられた研究所の中には身寄りのない攫われた子供たちが大量にいた。

そう、その子供たちこそが瞳の複製のために用意された実験体だったのだ。

「そこからは地獄のような生活でした。オリジナルである私は丁重に扱われるのですが、適合しない子は処分され、適合してもしばらく体が保つどうかの試験が行われて、多くの子供たちが亡くなりました。私は妹たちを連れて研究所から出るために一度だけ、、、、ヘルゲートを開きました」

その言葉に全員がギョッとする。今までの話通りならヘルゲートはおそらくやばいモノのはずだ。

「それ、どう、なった」

マッドが食い気味で話しかける。

何やら興味があるようだ。

「あまり覚えていないのですが、大きな腕のようなものが壁を裂いて外に出れた気がします」

ジンがマッドをちらっと見るとマッドのこめかみには汗が一滴だけ滴っている。

「なにか知ってるのかマッド」

ジンの質問に我に返ったのかマッドはハッとしてそのまま答える。

「いや、気のせい、多分、何でも、ない」

気にかかりはするが今はそれどころではない、ジンは話の本筋に戻る。

「ふむ、今回の誘拐事件はアンタらの研究機関とは関係はなさそうだよな」

「そうね、、、あの研究機関は多分完全に消え去ったから、、、」

サナリアは少し寂しそうな顔をする。何とかして三人を救いはしたが大勢も置き去りにしたのだろう。

「それにしてもなんでコピーを作らないと使えない仕様にしてるんだ?」

「それはあれじゃないっスか?ハイテクだけど理屈は原始的なセキュリティ的な?」

ナタリアの言葉に全員が納得するが、その次に出てくるのは何故そんなものをという疑問だった。

「もしかして旧世界の名残か?」

その言葉にサナリアとネルが疑問に思ったことを今度は聞き返す。

「その旧世界ってなに?あーしモバコンで調べたけど出てこなかったし」

その質問に対してはジン達はピースの記録再生機能を用いながらこれまでの事の経緯を説明する。

説明し終わった後にサナリアとネルは目を見開いて驚いている。

「つまりジンは神の力をもってるの?」

「それヤバ、てかナタリアっちのスーツカッコよ」

二人の発言にドヤ顔のジンとナタリアだったがピースだけは呆れた顔をしている。

「今度からは見たらわかる紹介ムービーでも作っておこうかしらあ」

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