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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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遅刻

盾を受け止めながらテュールは質問する。

「あれ?マッドとピース、それとオリヴィアは?」

アルガスは信じられないものを見るような顔でテュールを見つめる。

「なぜだ、、、」

テュールはため息をついてアルガスを蹴り上げる。

「質問に答えてよ、クソ野郎」

召喚した拘束具と鎖で瞬時にアルガスを捕まえ、そのまま奥の椅子に全力で投げ込む。

単純な攻撃なためアルガスはすぐに立ち上がり戦闘体制に入ろうとする。

「さっきまで随分と僕たちの力使ってたよね。もう使えないんだし降参するなら今だよ?まあぶっ殺すけどね」

テュールの召喚し放った弾丸、剣、光弾を重力場で地面に落とす。

「調子に乗るなよ実験体風情が、お前が慕うジンという男はお前のせいで死んでいるにも関わらずよくのうのうと、、、ブベッ」

空中に召喚した巨大ロボの腕からロケットパンチを繰り出しそれが話を中断する。

「相変わらず芸がないね、口が悪いことを毒舌だと思ってる勘違いブスくらい何も知らないんだね。便利かもしれないけど大量の神骸を取り入れて使う技がワンパターンすぎでしょ。今の止めれてないし」

アルガスは怒りで肩を震わせながら立ち上がる。

「なぜ私の演算で未来が見えない!」

テュールは吹き出す。

「演算って別次元のものどうやって演算するのさ」

あくまで演算による未来予測はその世界の一対一では最強だろう。

しかし、テュールとは非常に相性が悪い。

ボクシングでリングの上でルールに則って戦っていたらいきなり場外から石を投げつけられるようなものだ。躱しようがない。

「旧友の死を悲しまないのか!」

焦り大声を上げるアルガスに絶え間なく攻撃を仕掛ける。テュールの拳が力む。

「悲しまないわけないよ。けど、今は何よりもお前のケジメをつけたい。悲しむのはその後でもできる。僕はもう弱くない」

淡々と口にしながら召喚し様々な武器で攻撃を仕掛ける。

「一体どうなってる!その戦闘能力は!」

アルガスの疑問にテュールはふざけながら答える。

「僕の戦闘力は五十三万さ、、、他の次元なら笑ってもらえるネタなのに、センスないね」

アルガスが口を開く前に続けて答える。

「わかりやすく言うとお前は千の武器があるのに一しか使ってない。それに能力を使うにあたって工夫をしてないしさ。けど反対に僕は一の武器を千通りで使ってる。スパルタな兄ちゃんのおかげさ」

「べらべらといつまで話してるつもりだ!」

「第一に君が質問したんだろ?それと、僕はいつまででも話すよ。マカネッポが処刑台で最後まで話し続けたように、、、ってこれも別次元の話になるか」

以前に比べて間違いなく話し方がおかしくなっている。おそらく力を全て我が物にしたためにハイになっているのだろう。テュールは人差し指を伸ばしアルガスに向ける。

「アンカー、射出、固定」

アルガスの体にアンガーがめり込む。

苦しそうな声を上げながらアルガスはアンカーを抜こうとする。

「無駄だよそれは君という時空点を崩壊させ仮想ブラックホールで吸い込む技だ。それこそ神様じゃないと外せない。良かったね外せたら晴れて神様だ」

テュールはマーガレット引っ張り、ナタリアを担いでエレベーターに向かう。

「後で必ず戻ってくるからね、ジン」

そう言い残しエレベーターの中に入る。

行き先を選択しているテュールにアルガスが吠える。

「調子に乗るなよ!この、、、害虫が!貴様なぞ所詮は!、、、ただの実験、、、」

「ごめん、話長いよ。虚穴(ファントムホール)

アンカーが起動しアルガスの体が崩壊し始める。

彼の体内に出現した仮想ブラックホールはその体を丸ごと飲み込むだろう。テュールはエレベーターを閉め下に降りる。

「くっはははは、だから、、甘い、、、のだ!」

アルガスが不適な笑みを浮かべる。

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