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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
8/135

脱獄2

8話です

しばらく刑務所に向かって歩き、ちょうどあった岩場の影に座って休憩しているとオリヴィアが沈黙を破る。

「どうして、突然ムキになられたのですか?」

「ムキになったわけじゃねえよ」

誰が聞いても分かるような嘘をつく、オリヴィアは半ば呆れながら追撃する。

「あなたが言った通り、原動力は大事かもしれませんが、それ以上に信頼も大事なんじゃありませんこと?」

「、、、、そうだな、歩きながら少し話すか」

二人は再び歩きはじめ、ジンは話しをはじめる。

「俺様は元々ろくでもない人生を歩んできたんだ。歩まざる終えなかった。あいつはというより、あいつの種族はさっきも言った通り正義感が強い、それが原因かどうかは知らないが無性に善悪をつけたがるんだろうな」

オリヴィアは何かを察したような顔をする。

「物事の一面だけを見て正義をかざすということより、一方的に悪のレッテルを張るのが我慢ならないということですわね」

「我慢できねえわけじゃ、、、」

「なら船内であのままヒートアップしていたら止まることができまして?」

ジンは言い返せなくなる。

「ごめんなさい、話の腰を折ってしまいましたわ」

刑務所が見え始め下見のポイントにつき、オリヴィアが地図を出しながら続きを促す。

「ただ思うんだよ。本人の意思に反して人を傷つけたらそれも悪なのか?俺様はそんなやつを山ほど見てきた」

「それは、、、」

オリヴィアはすぐには答えられなかった。

「おしゃべりは終わりだな。下見の作業に入るぞ」



同刻 ゲヘナプリズン内食堂

「やっぱりこんなご飯は女の子が食うもんじゃないっス」

プレートによそられた食事をフォークで何度も刺して文句を言うナタリア、

「ナタリー!食べ物で遊ぶの、ダメ」

マッドはナタリアに注意する。そんな二人に収容されたばかりのグループが近くまできて声をかけてくる。

「よぉデカブツとちび女。そこは俺たちの席なんだよどきな。棲み分けも覚えられないバカどもがよ」

二人は食事をしながら言葉を返す。

「手下が横にいるからって強気で来てもダサいだけっすよ。席はほかにも空いてるじゃないっすか。バカはどっちなんですかねマッド」

「絶対!こいつら!」

このゲヘナプリズンでは、物理的に脱走の心配が基本的にないため囚人間の争いも基本的に事後処理となるほど放任主義の監視体制となっている。つまり彼らのことを止めに来る職員などいないのである。

「十対二で俺たちと戦うのか?はっ、しかも片方は女ときた」

周りのものは見て見ぬふりをしてだれも止めない。誰も声をかけれないのである。マッドとナタリア、この二人が刑務所内で出会ってから三か月の間、()()()()()のコンビゆえに。ナタリアが持っていたフォークを一人目の太ももに刺す。男の悲痛な叫び声が上がる前に顔にパンチを入れる。食事のプレート投げて二人目も気絶させる。すぐさま反応しようとした男二人をまとめてマッドが殴る。大男の肉体から繰り出されるパンチは二人を吹き飛ばし立てなくする。

「これで六対二っすね」

声をかけてきた男はたじろぐ、自身が喧嘩を打ったのはこの刑務所で最強の二人であることに気づくが時すでに遅く、そのあと六人の男の山が食堂に築かれた。

「お城!!」

「前回ほどじゃないっすけど、なかなか見ごたえあるっスね」

二人はそんなことを話しながら、気絶している囚人から収容IDバッジののエネルギー源であるタキオンバッテリーを抜きだす。

「これでだいぶ集まったス、明日の12時の食事時に起爆するっス」

「12時!!!」

タキオンバッテリーを部屋に持ち帰り、床の爆弾に組み込んでいく。

「アタシの装備も取り返したいっスね、あれって何処に保管されてるんだろ」

そんな中ふとナタリアがマッドの背中にナイフが刺さっていることに気づく、

「あっマッド!背中にグッサリナイフ刺さってる!」

「アドレナリンで!気づかなかった!抜く!!」

マッドがナイフを引き抜くと見る見るうちに肉体が再生されていく。

「やっぱり便利な体っスね~、明日はよろしくお願するっス」

「任せろ!!ワハハハハ!」

彼らは知らない、5メートルの厚さを吹き飛ばす爆弾を作っているが真下が非常に薄いイレギュラーな場所であることを

読んでくださりありがとうございます。

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