どっちが本物?
白い世界、文字通り白紙だな。
「起きろ」
頭をゴンと殴る。
「いったぁ」
「遅いんだよお前」
「なんだ、アルマか」
「なにが、なんだアルマか、だよ。お前は緊張感がなさすぎる」
「僕らは死んだの?」
「いや厳密には死んだプラス生きてるって感じだ。時空点にアンカーを刺した」
「????」
その顔やめろよ腹立つな。
「簡単に言うとセーブしたんだよ」
「ああ!セイブね」
「お前は年寄りか」
「えっ?」
「いやだから、ファンをフアンっていうみたいな、ってどうでもいいんだよそんなこと」
そうだ、そんなことはどうでもいい些細なことだ。
「じゃあ今すぐ戻ってみんなに会わないと!」
目の前のこいつの能天気さにイライラしてくる。
「、、、これが今の外の状態だ」
外の世界がテレビに映し出される。
「なんでテレ、、、ジン?!」
「死にかけてるな」
「早く戻してよ!」
胸ぐら掴むな馬鹿が、、、はあ仕方ないか。
「アルマの力は僕に馴染んでたよね?それを一気に進めて」
「無理だ」
そう無理だ。お前は『選司』ではないから、
「あれは馴染んでたんじゃない、俺が侵食してただけだ」
「えっ?」
「お前もポッドで眠ってる時に聞いたろ。選ばれたわけじゃないって」
「なんとなく覚えてるけどあれ夢でしょ?」
夢なわけねえだろボケ、俺も聞いてんだから。
「あれは上位の何かからの啓示だ。お前からすりゃ適応者として選ばれたわけではない、俺からすれば体に選ばれたわけではないって意味だよ」
「、、、むずい」
なんでこんなバカと一緒になっちまったんだよ。
「つまり主導権を賭けて俺もお前も殺し合うんだよ。簡単に言うと体に入る魂は一つしかダメだから奪い合えってことだ」
はあマジか、こいつに渡さなきゃいけないのが心配になってきた。
「じゃあ、アルマが使ってよ」
は?
「アルマの方が強いじゃん」
こいつは
「いやあ、ここで終わりかあ」
何を言ってる?
「マンドラゴラ最後に食べたかったなあ、、、」
「なんでそんな簡単に譲れるんだ」
「ん?あー、僕は十分みんなから色々と貰ったし本来生まれてこないはずのイレギュラーでしょ?だから今度は君が代わりに生きてよ。それにさっきも言ったけど力を使いこなしてるのは君の方だしっていうか当たり前か。君の力なんだもんね」
、、、なるほどな俺が勝てないわけだ。
こんな能天気で優しいやつに勝てるわけがなかったんだ。
「譲ってくれてありがたいがそれは無理だ」
「なんで!君が!」
「体はお前由来だ。この状態で俺が主導権を得ても腕がその場に落ちるだけだ。お前が俺を飲み込んで肉体ごと取り戻せ」
「なんでさ、僕が君を飲み込めるなら君だって」
あー、、そうかお人好しはこいつだけじゃないんだ
「アンカーでリソースを使った。俺にはもう余裕がない」
こいつが生き返ることに賭けてリソースを咄嗟に使ったんだったな。
馬鹿やったなあ、それのせいで死ぬのか。
やらなければ一万年後にでも誰かの肉体と融合できたかもしれないのにな。
「嫌だよ。アルマが消えちゃうの」
この、、ガキ!
「グヘっ、、、顔を殴ったね!」
「甘ったれんな」
「誰が僕に力の使い方を、、、」
「早とちりすんなボケ、俺を超えて取り込むには俺という力の全てを手に入れる必要がある。稽古を始めるぞ。最後の稽古だ」
「、、、、はい!師匠」
こんな馬鹿弟子は勘弁だがな




