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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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良い?作戦3

オリヴィアは服を新しく着直すと改まって話し始める。

「私は貴方がたとは共にいけません、裏切り者ですから」

「裏切り者で嘘ついてたら仲間じゃないのか?」

ジンの言葉にナタリアが少し反応する。

(裏を返せば裏切り者と言われてもまだ仲間、相変わらず失いたくないんスねジンさんは、マーガレットもそろそろ許してやっても、、、ってそんな簡単な話じゃないっスもんねえ)

一人で肩を落としため息をつくナタリア、顔を上げると全員がナタリアを見ていた。

「あー、、は、はははは、考え事っス」

オリヴィアにアルガスがどこか案内するように言う。

分かりましたと二つ返事で案内を始めるオリヴィアにジンは不信感を持つ、しかし裏切り行為を早く挽回したいのだと考え違和感を払拭しついて行くことにする。

(妙だな、やつならここに来ていることも感じとっているはずだ。具体的な内容はオリヴィアから直接連絡を受けていたのか?どこまで把握できるんだアルガス)

セキュリティロボットは完全に停止し、建物内は何も動いていない。エレベーターに四人で乗り込み、オリヴィアの指示通り最上階のボタンを押す。

(うまく行きすぎてる)

「さっき、みんなは眠ってるって言ったよな」

「何のことですのジン?」

「、、、お前どっち側だ」

オリヴィアの頭にジンは銃を突きつける。

「何やってんスか!頭おかしくなったんスか!」

「錯乱状態は俺様の方じゃない。オリヴィア、あいつに何をされた」

最上階に着いた瞬間オリヴィアは駆け出す。

足を撃ち抜けば話始め聞けるだろうがジンにはできない。

「兄様、ジンを連れてきましたわ」

「オリヴィアよ、ようやく役に立ったな。そして、よく来たな!旧友よ!」

「クソしようと思ったら着いちまったよ。便所と勘違いしちまった」

「安い挑発だな。そのカタナを持ってきたならやり合う気はあるようだな」

「兄様?やり合うって何のことですの?」

「オリヴィアに何を吹き込んだ」

「記憶に軽い調整を掛けただけだ。そのうち思い出すさ。私が死ねばの話だがね」

アルガスは神骸を取り込んでいる、いわば不老不死だ。つまり、最初からオリヴィアに本当の記憶を思い出させるつもりなんてない。

「兄様、約束が違いますわ。私を一族の中から助けてくれたようにジンを助けて、、、テュールも、、、でもテュールは、、、兄様が?、、、あぁぁ!」

頭を抑えてその場にしゃがみ込む。

「少しいじり過ぎたか」

「ナタリア、マッド、オリヴィアを頼む」

「勝機はあるんスか?」

「まあ、切り札ならある」

背中のブレイドを手に持ち、目の前の敵を見据える。

(色んなやつと戦ったが今回は一度きりの命だ。次はないから慎重に、、、)

「セット、グラディオンブレード、二重加速」

つまらなさそうにアルガスは言葉を発する。出現した五本の剣がジンに向かってとてつもない速さで射出される。

(速い!)

テュールの能力に加えて加速、取り込んだ神骸を二つ使うだけの攻撃はあまりに強力だった。

ジンは咄嗟に二本の剣をブレイドの燕返しの要領で弾き、三本目を見切って避け、四本目を打ち返して五本目にぶつけて壊した。

アルガスは口笛を吹きながら拍手する。

「感心感心、今のを初見で見切るか。流石は旧友、殺しにまみれた一千年の人生は無駄じゃないようだな」

「二年生きても同じことしかしない成長できないやつよりかは俺様の方がマシかもな」

アルガスは部屋の奥にある椅子に振り向いて歩き始めながら言葉を発する。

「ゲート、弐式レイルガン、重力磁場」

ジンの体に膝をつくほどの重力が加わる。

周囲にチャージ中のレイルガンの弾丸が通過するためにワープゲートが四つ展開される。

(、、、ワープゲートで多角的に弾道を確保して一回のチャージで四肢を吹き飛ばすつもりか)

ジンの体は横に吹き飛ばされる。

マッドが突き飛ばしたのだ。直後にマッドの体はレイルガンによって半壊する。

「マッド!」

「大丈夫っス、時間はかかるっスけど修復できる範囲の傷っス」

「丁度手間が省けた。エタル族は嫌いでね。奴らは元々神に近い能力を持っていたにも関わらずそれを行使しなかった種族なのだよ。無責任な連中だ全く」

ジンはブレイドを両手で持ち告げる。

「抜刀」

『抜刀シークエンス起動』

長方形の形をしていたブレイドは変形し始める。

直刀のような形を中心に周りの刀身が外れる。

外れた部分は新たに鞘として形を成し呼び名通りカタナの姿になる。

「ローランドの武器か、、、ここではっきりとさせるとしようか」

「、、、どっちの方法が正しいか確かめるために俺を作ったのか」

「人聞きが悪いな。あの老いぼれのやり方は本来不可能だったのだ、それを私が神となることで挑戦させてやると言う話さ」

「俺に人を殺させ続けたのは何故だ」

「神骸を取り込み覚醒させたものを楽に集めたかったのと、基本的な能力を高めておかなくてはいけなかったからだ。大きすぎる個体差は実験に支障をきたす」

ジンは息を吸い込み、カタナを鞘に戻す。

柄をしっかりと握って鋭い眼光で見つめる。

「なぜレッドアームやサイント族を殺させた」

アルガスは椅子に座り鼻で笑う。

「話をしてる暇はあるのかな?たまには私自身で狙うとするか。M1ガーランド」

出現したライフルを持ち、席に座ったまま片手で構えて撃つ、その弾丸は最初の加速した剣に比べれば遅いくらいの速度だった。しかし、ジンの腹に直撃する。口から血を吐きながらジンは膝をつく。

「、、、かはっ、、、重力磁場は声を出さなくても展開できるってわけか」

その弾丸はジンが喰らわなければ背後で重力磁場によって抑えられていたナタリアが担いでいるオリヴィアの頭を貫く軌道だった。

「色々と混ぜて誤魔化した方が面白いだろう?私もあらゆる神骸の混ざり物みたいなものだからな」

ライフルを消し、代わりにサングラスを召喚しかけ始める。その状態でジンをゆっくりと観察する。

「ふむ、ライフルの弾丸が貫通しなかったか。頑丈に作ららているようだな」

ジンは息を大きく吐きながら立ち上がる。

「よっ、、と、、これくらい何でもないぜ」

「無理するな旧友、、、」

「俺様を!その言葉で呼ぶな!、、、テメェては友人でも何でもない」

「ふ、ふはははははは、確かに私を友人と思うのは嫌だろうな、うーむ、考え方を変えてみたらどうだ?お前たちがテュールとか呼んでいた実験体、あれを取り込んでいるんだそういった意味では成分的に友人かもな。ははははははは」

「勘違いしてるみたいだな。今ので確信したぜ、俺とお前は絶対に友人にはなれない。テュールと俺は家族だ」

その言葉にアルガスは心底不愉快そうな顔をする。

やつと対峙してからオリヴィア以外に初めて見せた負の感情だ。

「ジン、、、ジン・ヴォルフ!貴様も家族などと言うくだらない言葉を吐くか!」

その怒号は部屋に響き渡る。

「サイント族を殺させた理由?はっ、あいつらの種族全体の家族意識のみならず、所属した組織全てを家族のようにする、、、やつらはなんだ?小規模ベンチャー起業か何かなのか?魚は頭から、、、、」

「、、、腐る、だろ?」

「そうだそれだ、ちょっと待て私は何を話している?」

「さあな、、、」

ジンは刀を握り距離を詰める。

苛立ちを隠しきれない、アルガスは大量の武器を無造作に射出するだけだ。オリヴィアたちはギリギリでエレベーターに間に合い扉を閉める。

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