傷心3
突然ラフな話し方になったアリアに戸惑うマーガレット、いきなり距離を詰められて驚いている。
「あー、、、恋愛?」
「そうよ、初恋なんでしょ?そのジンって男に」
「もう終わった話です!」
立ちあがろうとするマーガレットの腕を掴む。
「座りなさーい!もう!銀河警察の尋問を拒絶はできないわよ」
それこそ職権濫用だとマーガレットは思うが口には出さず席に座る。
「マーガレット、あなたの恋が終わったならなんで涙をまだ流しているのよ」
「人が死んでも涙を流すじゃありませんか。それと一緒です。終わったことにも人は涙を流せるんですよ」
「それは死んだ人間をまだ愛し続けてるから涙が出るのよ」
「けど、私は、、、本気でジンを殺そうと」
手を優しく撫でながらアリアは問う、
「なんで殺さないの」
「もう離れましたし」
「今も殺すために動けばいいじゃない、あなたの種族の仇なんでしょう?」
「、、、それは」
「はっきり言うわマーガレット、あなたは逃げただけ、自分が処理しきれない気持ちや事柄から」
テンションが上がって好き勝手言ってるのではないことが言葉の端々から伝わってくる。
確かにあの時、戦闘が中断され殺し合いの流れが切れたことに乗じて彼らと距離をとったのは事実だ。
「私ばかり話しました。あなたの恋愛事情を教えてください、、、えっと」
「アリアよ、アリア・ローゼン。よろしくね」
アリアは自己紹介の後に職場恋愛について語り始めた。立場上、上手く接されていないこと、スタリオンが邪魔なことなどマーガレットに熱弁した。涙を流すマーガレットとは反対にアリアは怒りや興奮を露わにしながら会話する。
「ここまでが私の話、ジジイに邪魔されてアル君との二人の任務が台無しよ」
「警部さんのことが嫌いなんですか?」
「うーん嫌いってわけじゃないけどさあ、好きな人と二人きりが良いから邪魔だなって思うことは多いわね」
「立場上、関わるのが難しいなら諦めるってこと考えないんですか?」
「考えないわよそんなこと!それが恋なんだから」
「犯罪者だとしてもですか?」
マーガレットの質問にアリアは真剣な顔になる。
「、、、ただの犯罪者なら刑務所に入れて悔やんで泣いて諦めるわ」
やはりそうなのかとマーガレットは少しガッカリする。しかし、その言葉には続きがあった。
「ジンは命令を遂行する感情のない兵器として罪を犯したの」
「だから許せと?」
「まさか、許すのは難しいわよ。客観的に見たらジンは可哀想だと思うけど、あなたの視点から見れば簡単には許せないわよね。恋をした人間がただの犯罪者なら諦めるしかないわ。けど彼は何者かに操られて犯罪者になってしまったの。まだ恋し続ける隙はあると思わない?そしてそれってとっても奇跡的なことよ。あなたの恋は終わらないかもしれないのだから」
「まだジンを、、、愛せる?」
そこにスタリオンとアルが戻ってくる。後ろにはピースがいる。
「おーす、ピースに案内してもらって色々と見てきた」
「とても親切でした!」
「あらあら、ただ案内しただけだわあ」
お茶を入れに行った途中でスタリオンたちと会って話していたようだ。
「お前らなんか、、、仲良くなってんのか?」
スタリオンは眉間に皺を寄せながら疑問を口にする。
「少しだけですよ。アル、これが報告書だ」
「了解です!ローゼン刑事」
あるは報告書を受け取り元々乗っていた船に戻っていく。アリアもスタリオンより先に船を出る。
その時、ピロンとマーガレットの通信機に連絡が入る。ここ数日一切通知がならなかったので少し驚く。
『勝手に連絡先交換した。こっちで定期手に話しましょ。恋愛事情知りたいし』
マーガレットは少し微笑みながら軽い返信をする。
スタリオンはマーガレットに近づき、ジーッと顔を見つめてる。
「な、なんですか?」
「いや、仲間を見殺しにするタマには見えなくてよ。しっかり見てるだけだ」
マーガレットは眉をひそめて距離をとる。
間にピースが入り込む。
「スタリオンさん、少し失礼だと思うわ」
「いやあ、わりいわりい、もう帰るよ。あっマーガレット、後悔すんなよ」
「えっ、、、」
「自分の選択に良いも悪いもないなんて言う奴はいるが、選択に間違いはある。選んだ後に結局後悔したならその選択肢は間違いだ」
「だから、後悔しない選択をすべきだと、、、」
「まあそうゆうことだ。詳しいことは知らないが頑張れよ」
スタリオンも船から出ていく。
直後、ピースはふうとため息をつく。
ピースが緊張していたのは珍しいと思い声をかける。
「どうしたんですか?」
「スタリオンがその気になっていれば私たちは瞬殺されてたのよお」




