事態の収集なんてできない3
ナタリアの発言に流石のピースも驚く、彼女は周りの驚きを無視して続きを話す。
「死ねば次の体に、また死ねば次の体に、意識転送をされ続けていたんスよ。神骸の存在を聞いて合点がいったっスけど」
ジンはナタリアの話を静かに聞いている。
「詰まるところ、最強最悪のケーススタディっス。相手側からすれば文字通り百戦錬磨の男がこっちの手の内を知って殺しに来るんスから」
ナタリアがそこで説明を終わり壊れかけの椅子に腰をかける。ジンに続きを話せて言わんばかりの態度である。先程までは必死に止めていたがここまで来ればもう諦めたのだろう。ジンはナタリアをチラッと見てから一番伝えたかった事を伝える。
「マーガレット、、、あの時、サイント族を襲ったのは」
マーガレットはやめて欲しいと思う、彼女の気持ちにジンが気づいた時より簡単にその次の言葉が分かる。
(やめて、私の初恋の人、、、そんなの)
ジンの覚悟は無慈悲にもマーガレットの願いを無視することになる。
「俺だ」
この言葉には流石にナタリアも目を見開く。
マーガレットはその場で座り込み涙する。
「なぜですか、、、なぜ!!私の一族を殺してなぜ!平然と過ごしていられたんですか!」
マーガレットは本気で憎いと思っているが、その憎悪をジンに向けることができない。初めて愛した人間が自身の一族を殺したという事実が彼女を狂わせる。
マッドがマーガレットに寄り添い、ただ聞き返す。
「ジン、説明を、頼む」
そこからジンは何があったのかを話し始める。




