事態の収集なんてできない2
人工惑星の中でも小さい部類だが、きちんと軌道に乗っており安定している。
一同が船から降りると、そこはマザーKの研究施設に似ているラボが並んでいた。
違いは全てが半壊に近い状態という事だ。
いくつものポットが空になっており、それを見つめるジンは悲しそうな顔をしていた。
ナタリアが小走りで近づいてきて、ジンに耳打ちする
「ジンさん、寄り道でここ寄ろうとしてたのは分かるっスけど、ここで皆んなに話すつもりなんスか?」
「ああ」
ナタリアは渋い顔をする。
「テュールが死んじゃったんスよ?!それなのにジンさんの秘密までここで話したらチームは、、、」
ジンはナタリアの肩に手を置く。
「さっきマーガレットにキスされた」
その話を聞きナタリアは頭を抱える。
「だからっスか?だから自分の話をしてマーガレットの気持ちを変えようとしてるんスか?アタシだって今仲間がいなくなって悲しいんスよ?ローランド先生がアタシにも黙って秘密にしていたことがあるのも辛いですし、今だけでもチームといたいんスよ」
ナタリアが珍しく必死に訴えかけるほど彼女の心もすり減っているようだ。
「ナタリア、テュールはおそらく生きてる。どうすれば戻ってくるかは分からないが」
ジンの曖昧な発言、ナタリアの願いを聞かない姿勢に彼女が遂に怒鳴る。
「確信を持ってから話せよ!」
飛び掛かろうとするナタリアをマッドが羽交い締めで制止して諭す。
「ナタリー、落ちついて、ジンは、きちんと、考えてる」
そこにピースとマーガレットが駆けつけてくる。
「どうかしましたか」
「どうしたの」
ナタリアは黙り込んでジンについていく、マッドは二人に安心するように告げる。
「大丈夫、もう、終わったから」
しばらく歩いて少し開けた場所に出る。ラボの壁に大きな穴が空いており外にはクレーターのような凹みがある。
「ここが、ジンの故郷なんですか」
マーガレットの質問に答えずに穴を潜り外のクレーターに向かう。クレーターの真ん中には一本の剣が刺さっている。シンプルな作りでブレイドは長方形の形をしている。ジンはそれを抜き、しばらく眺める。
「お前らに話すことがある」
ジンは振り返り四人を見つめる。
「俺様は、、、俺は、、、ここで生み出された兵器だ」
その言葉を瞬時に理解したのはピース、元々知っていたのはナタリア、マッドとマーガレットは未だにピンと来ていないようだ。
「殺人の任務を達成するためだけに作られた悪魔のような兵器だったんだ」
マーガレットが半笑いで話す。
「冗談やめてください。こんな時に」
ジンはマーガレットを真っ直ぐ見つめて話す。
「冗談じゃない、魔杯抗争もローグ評議員襲撃も境界侵害戦争の宇宙教会解体も全て俺がやった」
マッドはそれを聞いて反論する。
「一千年前の、事件も、ある、あり得ない」
それに対してはナタリアが割り込む。
「生きてるんスよ。ジンさんは文字通り一千年近くの時を過ごしてるんスよ」




