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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
59/135

転換、そして、、、

男は冷静を装いいつものように玉座のような場所に座っている。

しかし、苛立ちは隠せないようだ。

想定外が起きた、、、奴が生きているとはな。

計画を切り替えて進めるべきか。

人の手で神を生み出すという大いなる目的をどう達成するべきなのか。

男は、永らく開いていなかった口から言葉を紡ぐ、

「出向くとしよう」

次の瞬間男の姿は消え、玉座だけが残る。



バルトリカを次の目的に止め一同はだらけている。

「ふぁぁ、眠いぃ」

テュールが大きなあくびをしながらキャンプの火を管理している。

ジンは不満そうに文句を言う、

「何で最高級の船があるのに野宿なんだよ」

ナタリアがすかさず口を尖らせる。

「誰かが小惑星帯に突っ込んだせいっスよ。後もう少しで死にかけたんスからね」

ジンが操縦している最中に不注意で小惑星帯に突っ込んだため船が吹き飛びかけたのである。

「エネルギーのリチャージだけならこんなに時間かかってないっスよ。小惑星帯抜けるときの瞬間消耗のせいでマジのマジで蓄積エネルギー空になったからリブートしなきゃいけないんスよ、、、まあアタシが蓄積処理サボってたのも多少はあるっスけど」

マッドが両手に食材を掴んで船内から出てくる。

「これ、腐る前に、食う」

「冷蔵庫も止まったんですね。昨日が御馳走でよかったです」

「そうね、いっぱい食べたから腐りそうなものはだいぶ減らせていたものねえ」

「オリヴィアはどこだ」

ジンが周辺を見渡す。オリヴィアの姿が見えない。

マーガレットがその質問に答える。

「自室で超能力の修行中です」

「お前が指導してるのか」

「はい、出した条件は達成しましたし、、、とりあえず力のコントロールをしてもらってます」

「、、、そうか」

二人が話している少し離れた所に移動してマッドとテュールは肉を焼こうとしておりナタリアとピースは食器を並べている。

マーガレットは寝ころんだジンの横に並んで座っている。

「正直助かりました」

「んあ?」

ジンは起き上がりマーガレットを見つめる。

マーガレットは気恥ずかしいのか逆に目を背けて話す。

「その、、、ゲルロアの船が私の死に場所になるかと思いました」

「あー、、、」

ジンが何か言おうとすると遮って更に話す。

「それと!オリヴィアの修行の件、あなたの言葉で決心がつきました」

ジンが無言で聞いていると心配になったのかマーガレットは逸らしていた目線をジンに戻す。子犬のような目をしている。

(まずいな、、、)

マーガレットは頬を赤らめながら言葉を発しようとする。

(やめてくれ、、、)

「私、初めて会って旅を共にしてしばらくの間はジンとは上手くいかないと思っていました」

焚き火の灯りがマーガレットの瞳を揺らす。

(俺は無愛想だ、、、だから)

「けど仲間思いで、そして何よりも私の命を救ってくださって」

マーガレットは次の言葉を言うべきか少し唇を甘噛みして考えている。

(ダメだ、、、それは言うな)

キャンプをしながら絶景の夜空、告白に適した場所ではあるだろう。マーガレットはグッと体を寄せジンに顔も体も近づく、

「私は、、、ジン、あなたの事が、、、」

(俺は、、、その資格がない)

マーガレットが頬を赤らめながら話そうとした瞬間にナタリアが走ってくる。

「おーい!ご飯できるっスよお!」

マーガレットは慌てて姿勢を元の状態に戻す。

「ん?どうしたんスか」

ジンはすっと立ち上がって答える。

「何でもねえよ。ちょっと話してただけだ」

納得したナタリアと共にジンは食事の席に向かう。

取り残されたマーガレットは少ししょんぼりしながら呟く。

「早かったでしょうか」

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