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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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奪還作戦後夜祭

包帯を巻いたジンが片手に飲み物を持って立っている。

「このチームで初めての作戦だったがそこそこうまくいったと思う。ゲルロアに個人的な恨みを持たれちまっているが今は置いておこう」

全員の顔を見渡して話す。

各々の席には料理が置かれており、ジンの横にはピースが立っている。

「みんなは、もう知ってると思うが、ピースが新たな形で仲間として迎え入れることにする。ピース、スピーチを」

ピースは前に出て一礼した後話しはじめる。

「みんな初めまして、ではないわよね。今回新たなボディで生まれ変わったピースよ。今までできていたことはもちろんサポートも戦闘にも食事にも参加できるようになったわ。味覚に武装、ロビンちゃんが何でも詰め込んでくれたおかげね。これからもよろしくね」

((((((エロい))))))

糸目のムチっとした年上女性になったからなのか全員が同じようなことを考えている。

全員が見惚れているとジンが頭を左右に振りながら正気に戻る。

「と、とにかく挨拶も済んだんだし飯だ飯、後テュールはちょっと来い」

テュールは廊下に呼び出される。

ジンとピースが付いてくる。

「お前、ゲルロアのビームを防いだ盾、俺様は今までの召喚の中でもトップクラスに負荷の重いものだと考えている。けどな、だったらなんで鼻血が出てない」

「ちょっと成長したんだよ。みんなが作戦で出てる間に色々あって」

テュールがアルマの腕がある方の方を無意識にそっと触る。それをジンは見過ごさなかった。

「上の服脱げ」

「えっ、いやいくら同姓でもちょっと恥ずかし、、、ってうわっ」

ピースが横からテュールを押さえ込む、申し訳なさそうな顔をしているが本気のようだ。ジンがテュールの服を脱がす。

二人は息を呑む。本来であれば指の先から手首を少し変えたからまでが生気のない白い肌だったのがテュールの褐色の肌を肩の近くまで浸食している。

「何で隠してた」

「、、、別に不調じゃなかったし、調子も良かったから」

ジンはため息をつく、ピースはその場でスキャンを開始する。

「肩近くまで広がって侵食されている部分は腕と同じものとして置き換わっているわね」

「どうなる?」

「現状は分からないのよ。テュールちゃんの腕自体が未知のものだから。けれど基本的には害あるものなら体に何らかの反応が出るはずなのよね」

ピースとジンは二人で会話を進めている。

テュールはジンの腕を掴む。

「ねえ」

「なんだよ怒ってんのか?次からはもっと早く言えよ」

「服、返して」

「あっわりいわりい」

その場で話は終わり三人は食卓に戻る。

残りの四人は食べずに待っていたようだ。

「どうかしたんスカ?」

「いや、一旦は大丈夫だ」

「本当ですかジン」

「ああ、それよりも冷める前にみんなで食おう」

その夜の食事は大変盛り上がった。

皆が笑い語らいながら時間が過ぎていった。

食事の後、ピースも自分の部屋を貰ったようで部屋の中を整理していた。

すると、扉がノックされる。

「誰かしら、どうぞ」

「こんばんはっス」

「あら、ナタリアちゃんだったのね」

「分かってたっスよね」

「そんなことないわよお。プライバシーは大事だもの、いつでもカメラにアクセスしたりスキャンしたりするのはやめることにしたのよ」

人間らしい言葉にナタリアは驚く、人間らしいという言葉が正しいのだろう。考え方は人間に近く独自の感情を持つようになったが人間ではないのだから、ある意味新たな生命体とも言える。

「それで、どうしたの?」

「これ渡しに来たっス。そのピースの性能的にいらないかもっスけどチームのみんなに渡してるんで」

ナタリアはピースに腕時計を渡す。

ピースは少し驚いた後に優しく微笑む。

「大事に使うわ」

会話が終わりかけた時、ナタリアは急いでもう一つの用事を済ます。

「それと!マザーKではごめんなさいっス。ポンコツって言って」

糸目を少し開きながら先ほどよりさらに驚く。

「あらあら、そんな事を気にしていたの?いいのよ私達はもう家族なんだから」

そう言いながらナタリアを抱きしめる。

ナタリアはその柔らかさにしばらく身を任せながらこんな事を考えていた。

(アタシってハグすること多いなあ)

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