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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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奪還作戦11

「このエロい姉ちゃんがピースなんスか」

「あらやだ、ナタリアちゃんったらそんな目で見ちゃだめよ、知ってたくせに」

「いや見た目は知ってたっスけど、そんな喋り方、、、」

「ロビンちゃんがそうゆう風に作ったのよ。なんだかんだ母の影を求めていたのかもしれないわね」

ピースは外の様子を見て把握する。

「そろそろジンちゃん達があそこから出てくるわよ」

二人はその言葉を聞き、ピースの指差す方を見る。

そこからフラフラで出てくるジン達が確認できる。

「すぐ掴んでくるっス」

ナタリアはヘルメットを被り地面に着地し、三回に分けて船内に運ぶ。三回目にジンを運ぶとき感知網に引っかかりビーム砲が船に向かって放たれる。

「任して、『ノブレス・オブリージュ』この力には責任が伴う。この思いには鉄壁が伴う。高貴さは己に振る舞いを強制する」

テュールは盾を召喚し詠唱によりその機能を完全展開する。

ビーム砲を正面から防ぎ切るのは難しいがずらす事はできる。ナタリアがジンを担ぎ船内に入った瞬間、マッドに出発するように伝える。

「へへ、、、助かったぜお前ら」

ジンはポケットからボタンを取り出す。

「そんでもって、ポチっとな」

ボロボロの体でまだ尚ふざけた物言いをすることは尊敬に値するかもしれないとその場にいた全員が考えていた。

ボタンを押した瞬間、ゲルロアのEMPが発動する。

浮上し始めていた船はそのまま止まり落下し始める。

「これでしばらくは追ってこれないな、、、さてと、いててて」

ジンは廊下に大の字になって寝る。

残りのメンバーで三人を運び治療することにする。

しばらくして治療も終わり各々がベッドで寝ているとジンはゆっくりと目を覚ます。周囲の何かを掴もうとしていると何やら柔らかいものを掴む。

柔らかい感触を握ったりしていると次第に意識がはっきりしてくる。

「ジンちゃんったら、大胆すぎよ」

ジンは目の前の女性の胸を掴んでいることに気づく、

「、、、誰!!、、、です、、か?」

目の前の女性はニットのセーターを着てロングスカートを履いている。ジンはこんなやつ船に居なかったよなと自問自答する。

女性は不服そうな顔をしながら答える。

「んもう、みんなしてその反応なのね。大体ジンちゃんは私が運び出されてる時にチラッと見えてるはずよ」

「、、、まさか、、、ピースかあ!!!」

「んふ、正解」

いちいち妖艶な反応をしますピースに人は頭を抱える。これがナタリアの言っていた人妻っぽい感じなのだろうかと考えを巡らす。

周囲に目をやると自分の横二つのベッドが乱れていることが分かる。

「そうだ、、、あの二人は?」

ピースが複雑そうな顔をする。

「あの二人は、、、その、、、悲しいけれど」

「まさか、、、」

しくじったのかと先ほどの作戦内容を反芻する。

(死ぬような怪我はしてなかったはずだ。強いて言うならマーガレットが死んでいたかもしれないが、応急処置は完璧だった、、、爆風で吹き飛んだ時か?)

ジンの表情がこわばり始める。

廊下から会話が聞こえてくる。

「インスタントヌードルしかないのは体に悪いですわよ」

「仕方ないですよ。ジンが好きで買い込んでたんですから」

「あっ、ジンが起きてますわよ!」

二人が部屋に入ってくる。

ジンは目元をひくつかせながらピースに問う。

「おいピース、悲しいってなんの話だ」

「二人とも療養中の身でありながらインスタントヌードルを食べようとしているのよ。悲しいわ」

ジンは分かりづらいことをこんな時に言うなと心の中でツッコミを入れる。

(あれ?てかアレだよな)

ジンはオリヴィアに小声で話しかける。

「なあオリヴィア、お前治療されたってことは服脱がされたんだよな」

「な、何を!」

「いや違う違う、背中のアレ見られたのか?」

「、、、いえ、私は服を脱ぐほどの傷は負っていなかったので上から治療できたそうですわ。マーガレットはそうも行かなかったそうですけど」

自分の名前が聞こえたのかマーガレットが反応を示す。

「なにか言いましたか」

「あーいや、怪我の具合どうなのかなって話さ」

そんな話をしているとジンの腹から音が鳴る。

「何も食ってないからなあ」

ピースが切ったリンゴを皿に乗せて口に運んでくる。

「ほらジンちゃん、あーん」

「ガキじゃないんだからそんくらい、いてぇ!」

ジンは腕が上にあがらない程の激痛が走る。

「二人担いで運んだ上に爆風で吹き飛ばされて両肩の関節が少しズレててたのよ、あそこからさらに運べたことが奇跡に近いのよ。大人しくしなさい。ほらあーん」

渋々リンゴを口に含み咀嚼する。

ピースが余りに予想外の進化を遂げたからなのかジンは困惑を隠せない。

すると、なぜかオリヴィアもジンの横に座る。

「ジン、食べなさい」

口調こそ無愛想だが丁寧に箸で掴んだ麺をジンの方に運ぶ。

「お、おう、サンキューな、、、って辛えええええ!」

ジンは喉が焼けそうになる程辛い麺を啜ってしまった。オリヴィアは困惑しながら麺を食べる。

「普通にいけますわよ」

ジンはツッコむどころではなく水を求める。

ピースが水を飲ませて事なきを得る。その時ふとマーガレットと目が合う。

彼女はインスタントヌードルを貪り食べている。

ジンは呆れたように見ていると、マーガレットはじろっと睨みながら言葉を放つ。

「なんふぁんれふか、、、ング、、、あげませんよ」

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