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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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奪還作戦8

「マッドこの下の部屋っスよ」

ナタリアが下の部屋をを指さしながらマッドに伝える。

二人は笑顔になり、狭いダクトではしゃぎ始める。

後に二人は二度と作戦中に騒がないことを誓うこととなる。

なぜなら、ダクトの底が抜けて部屋の中に落下したからだ。

「、、、ん?こいつらは」

「侵入者だ!!」

起き上がった二人は即座に対応する。

「まずいっス、アームド!!からのパンチ—」

「ハンマー!!」

その場をすぐに収めるがバレるのは時間の問題だろう。

「落ちた衝撃がまだ残ってフラフラしてしまうようだ!!はっはっはっは、ボディはどっちかなマッド君」

その話し方をしなければいけないのかとマッドは少し考えた後にボディの方を指さしながら答える。

「あっち」

ナタリアはピースの解凍状況を見る。そこには解凍済みの文字が浮かび上がっていた。

勢いよくピースをボディにはめ込む。

十秒経ってもボディは起動されない。

「、、、ああああああ!!ボディへのインストール時間考えて無かったっス!!」

ヒーロー口調も忘れて叫ぶナタリアに対して、マッドは肩をすくめながらナタリアに話しかける。

「ナタリー、、、これ、どうする?」

「、、、起動するまで担ぐしかないようだ」

マッドは口調の戻ったナタリアと共にボディを二人で抱えて脱出ポイントに走る。

『敵にバレてしまった、、、、、後ボディを抱えて走っている』

ナタリアの通信を聞きオリヴィアとマーガレットも機器にEMPをつけてその場を離れる。

オリヴィアとマーガレットも脱出ポイントに走りながら会話をする。

「少々危うい事態ではありませんの」

「先ほどの通信を聞いてジンも動いているはずなので上手くいくことを信じましょう」

二人の通路の前にゴブリン部隊が現れる。

こちらはナタリアたちがバレたこととは別件で、気絶させたゴブリンを地面に放置していたままだったので犯人の捜索が行っていた部隊のようだ。

「実戦で結果を残す。それが条件でしたわよね」

「、、、オリヴィア!」

オリヴィアは勢いよく飛び出し、ゴブリン部隊の間を縫いながらコンボを決めていく。

相手の槍の突きをグローブの小手でいなしながら距離を詰めて体に拳をえぐりこませる。

相手の弾丸も超能力で先読みしながら弾をグローブで弾く。

マーガレットはその戦いを見ながら感心する。

(特に教えれることがあるようには思いませんが、、、超能力って第六感のようなものなのかしら)

そんなことを思いながら背後から忍び寄るゴブリン兵に裏拳を叩きこみ沈める。

しかし、ジンがテュールに思ったように、マーガレットもオリヴィアが無鉄砲に飛び出したことにはひどく腹を立てている。

「オリヴィア!そんな戦い方ではいつかケガしますよ。まずは言うことを聞いてください。もし今の戦いで大けがをしてたらどうするんですか」

ゴブリン部隊を倒し切ったオリヴィアは予想外に叱られたことに対して苛立ちを隠せない。

彼女はその時自分の中で解釈したのだ。マーガレットが修行をつけることを嫌がったことや無理難題を押し付けてきたこと、上手くいっても褒めずに粗さがししてくることから本当ははなから頼み事なんて聞く気がなかったのだと。普段なら言わないことが口から出てしまう。褒められると思っていた反動からだろう。

「マーガレット、貴方そんなに私に修行をつけたくありませんの?」

「いえ、、、ただ私は」

「褒めてくださってもよいのではないでしょうか?」

「オリヴィア、落ち着いてください。私の言うことを聞いてくれないと修行なんて、、、」

「私は!!強くならなくてはいけませんの!!弱いままなんてイヤ」

マーガレットはオリヴィアの顔や口調から焦燥感と恐怖を感じ取る。

(あの誘拐でやはり心が傷ついていたのですね)

マーガレットは、彼女の繊細な内面にもう少し心を寄せるべきだったのではと考える

「もういいですわ、貴方が認めようと認めまいと私は戦いますわ」

オリヴィアが一つの山場を越えて冷静になりつつある。攻撃的であることは否めないが。

そんな時、オリヴィアの背後から現れたゴブリン兵が槍を突き出す。

普段であれば二人とも気づけただろう。しかし、二人とも感情的に会話してしまっていたので反応が少し遅れる。

「オリヴィア!!!」

マーガレットはオリヴィアを突き飛ばし、リングから剣を取り出し投げつける。

剣はゴブリン兵の首を即座に切り落とす。

しかし、彼女は先手を取られていた。剣を投げ首を落としても槍にはリーチがある。

槍の先端はマーガレットの身体に深く突き刺さる。

「マーガレット!!!!」

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