奪還作戦
全員が会議室に集まる。
「こんなところあったんだね」
「この前ジンと二人で全ての部屋を見てメモしましたので、この船の広さ異次元ですよ」
「それについてはおいおい話そう。今は奪還作戦についてだ」
大人数用の会議室に六人しかいないため全員落ち着かないのか周りをチラチラとみている。
「だああああ、お前らなんでそんなにチラチラ周りをみてんだ!!」
「ここ広すぎる気がしますわ」
「アタシも知らないんスよね。この船の内部構造」
「作ったんじゃないのか」
ジンの疑問にナタリアは首を勢いよく横に振る。
「こんなの作れないっスよ。ロビンとアタシの分野じゃないっスから、仕組みは理解できるっスけど作り方までは理解できないっス」
マーガレットがジンに注意する。
「話を戻しましょう」
「ああ、そうだな」
今回の作戦概要について話しはじめる。
ゲルロア軍は嫌われ者集団であることが重要であることをジンは説明する。なぜなら、彼らは軍の権利を使い横暴なことをできるが、嫌われているが故に公的に軍である彼らがピンチの時でも、各惑星の軍はもちろん評議会ですら手を貸さないという事態になるからだ。
「それがなんでプラスに働くの」
テュールの疑問にジンが少し言葉に出すのに詰まるが答える。
「まあ、殺してもお咎めなしってことだ」
オリヴィアはチラッとテュールの顔を見る。
テュールは少し誤魔化すように笑っている。
「しかし、殺しは極力なしだ。そう!命を奪わないなら基本どんだけ痛めつけてもいい」
「それは言い過ぎな気がしますよジン」
マーガレットが止めに入る。
「いいですか、みんなにはそれぞれ強力な力があります。強化スーツ、召喚、超能力、不死身、これらを使うのは問題ありません。できる限り殺さない範囲で使って欲しいだけです。また、自身の身もしくは仲間が本当に危なかった場合のみ殺してもよいことにします。それと、ジンが好きなだけ痛めつけてもいいと言いましたがそれは残虐なことになります。しないように」
「遠足前日の先生かよ」
ジンのバカにしたツッコミにマーガレットが噛みつく。またしても二人だけで騒がしくしている。
取り残された四人は呆れながらそれを見て話す。
「ま、まあ、とりあえずは殺すなってことっスね」
三人は首を縦に振りながら肯定する。
「ナタリー、ピースは?」
マッドは疑問に思ったことを
「今でやっと80パーセントっスね。あっ話解くことがあるっス、ボディを持ってくるより完成したピースを核として入れて起動した方が楽だと思うんでピースも持っていきます」
ジンとマーガレットは一時休戦しナタリアの方を見る。
「ボディは動くのか?」
「資料を見る限りは動くはずっス」
会話をしている最中に人の腕時計から音が鳴る。
「色々話してたら、後一時間で目的地点に到着しそうだ」
ジンは全員に向き直り、最後の締めをする。
「いいか、今からしに行くのは盗みじゃない。ほぼ殺し合いに近いことだ。怖いならこの船に残っていい」
全員がジンをしっかり見つめている。一同は、うなずきもしないが全員の付いてくる意思がジンに伝わってくる。
「おっけ、んじゃそろそろ準備を始めとけよ」




