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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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不安と不穏3

オリヴィアが目を開けると自身はパーキングエリアに立っていた。

男二人は地面に横たわり動かなくなっていた。

ジンが助けてくれたのだろうか。

彼の顔を見ると苦痛と後悔の表情だった。

何故そのような顔をするのかと質問するより前にオリヴィアは人の目線の先を見た。

そこには鼻血を出しながらもベレッタを構えたテュールの姿があった。銃口からは少し煙が出ている。

本来なら受け入れ難い現実だから、ジンはすぐに気持ちを切り替えオリヴィアのそばに行く。

「怪我は、、、してるよなそりゃ」

「自分で歩けますわジン。船に戻ればマッドが手当してくれます。それより」

ジンはオリヴィアの目配せで何が言いたいのか察する。テュールの元に歩いて行き、構えているベレッタをそっと下に向けさせる。

「身体は大丈夫か?歩けるか?」

テュールは激しい動悸を感じつつもジンの方を見て流石に頷く。

ジンは人身売買の男たち、生きているのは一人だけだが今回起きたことを通報しその場で待機した。

オリヴィアとテュールには先に戻っているように言う。心配そうな顔をする二人をジンは安心させる。

「ここは監視カメラも多いし、流石に偽装IDを使うから大丈夫だ。戻ってシャワーでも浴びてろ」

その言葉を信じ、オリヴィアがテュールの手を引きバルトリカに向かう。

デュールは連れられながら空を眺める。

夕暮れを照らす恒星を眺めながら、率直な感想が心を巡る。

(オリヴィアは乱暴されてたんだ。ジンだって殺されかけてたんだ。殺すしかなかったそれはわかってる)

自身がやったことを間違いとは思わない。

初めて自らの意思で二人も人を殺したのだ。

「思っていたのと違う」

「テュール?」

オリヴィアが不審そうに顔を覗き込む。

いつのまにか声に出てしまったようだとテュールはバツの悪そうな顔をする。

「いや、ジンが悲しそうな顔をしてからさ。助かったのに」

オリヴィアは返答に困り黙って再び歩き始める。

(違うこれはなんだ、ジンが悲しそうにしてたのも気にはなる。けどそれ以上に)

テュールは暫く何が自身をここまで困惑させているのか考える。

そして気がつく、自身の中の悪魔の存在に、

(人殺しが案外呆気なかったんだ)

心も痛まなかったし、同情もなかった。

何故ジンは人殺しを避けるようになったんだろう。

別に気に食わないなら殺してもいいはずなのに。

そんな考えがテュールの中に生まれ始める。

オリヴィアは超能力でその考えを読み取ってしまう。

オリヴィアがピタッとその場に立ち止まる。

「どうしたのオリヴィア」

「テュール、貴方は何者になりたいのですか」

「えっ」

「思考を読むつもりはありませんでしたが、今は色々あった反動で力が制御できませんの」

「あー、なんとなく思っただけで別にそんな」

「誤魔化さないでください。貴方の考え方では貴方は恐怖の象徴にしかなりませんわよ」

「それは、、、嫌だな」

「何者になるかは強制しませんわ。ただ、しっかりと考えてイメージを持たないと人は道を踏み外しますわよ」

そういった彼女の顔は少し凛々しく見えた。

髪は崩れ、鼻血の後はあってもその顔は誇り高い美しい顔だった。

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