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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
4/96

追跡3

4

パーキングエリアに着きしばらく歩いているとオリヴィアが聞く、

「貴方の宇宙船はどれですの?」

「ん?俺は宇宙船なんて持ってねぇぞ」

オリヴィアは目を丸くしながらさらに聞く、

「まさか、盗むなんてことなさらないですわよね?」

「いやまぁ盗むっつったら人聞き悪りぃけどさ、修理して適当に飛ばすんだよ」

「修理?」

ジンは歩いてる方角を指差しながら、

「あそこが廃棄エリアだ。いろいろ訳ありの宇宙船が捨てられているってわけよ。俺様がそれを再利用するってんだからありがたい話だねぇ」

オリヴィアは怪しそうに見つめながらジンに指摘する。

「その再利用する宇宙船は安心して使えるのかしら」

「さあね」

話しているうちに廃棄エリアに着く、不満そうなオリヴィアを横目にジンは宇宙船を物色する。

「これはダメ、、これもダメ、、エンジンだけ抜かれてるなこれ、、、ほうほうほう、なるほどなるほど」

「何か分かったのですか?」

「動かないってことは分かったぜ」

「ストレートを顔に打ち込みますわよ」

「勘弁してくれ、顔を凹まされても俺様のモテ具合は変わらないから意味ないぜ」

「だったら凹ましてもいいのではありませんの」

ジンは少し奥のところを見に行く、そこは匂いもひどく埃まみれのガレージだった。

(廃棄場にガレージ?これはオイルと腐ったネズミの臭いだな)

真ん中には布を被った何かがある。ジンが布を慎重にめくろうとしたとき、名前を呼ばれる。

「ジーーン!!」

ジンはガクッと緊張の糸が切れる。

「後にしてくれよ嬢ちゃん!せっかくいい出会いしそうだったんだからよ!」

オリヴィアはガレージに駆け込んでくる。

「ジン!酒場で追いかけてきていた女性が今ここに向かって来ているようですわ」

「なんだよ超能力か?余裕はあんのか?」

「いいえ、肉眼で見ましたわ。走りながらこの廃棄場に入るのを、、、」

「それを先に言えよ!」

ジンは布をめくり布の下にあった宇宙船に乗り込む準備をする。オリヴィアは既に乗り込んでいる。

宇宙船の操縦席に入ったジンはエンジンを始動させる。

「よしかかったぞ!俺様のセンサーに狂いはなかったぜ!」

ガレージを出たところにそれはいた。マーガレットである。マーガレットは怒りを露わにし大声を出す。

「あなたたち!!今すぐ宇宙船から降りなさい!!」

「随分と怒っていますわね。どうなさいますの?」

「エンジン蒸して突っ込んだら退くだろ」

ジンはアクセルを踏み込んでマーガレットに向かって宇宙船を発進させる。ここを突破した後は荒野で直線を探し出し加速して宇宙に出るだけだ。

「悪いなエリア長、、、ってえええええええ!」

「どうなさいましたのジン?ってえええええ!」

窓から外を見るとそこにはありえない光景が見える。

マーガレットが船のフチを掴んで物理的にくっ付いている。

「止ととまりなさささささーいいいいいいいい!」

「手ェ離せ!危ねぇだろうが!!!」

「あの方何者ですの、、、」

『危険状態ヲ感知、保護対象ト認識、船内ニ保護対象ヲ受ケ入レマス』

「「だれ!!!」」

その瞬間宇宙船から出たアームにマーガレットが回収される。

「おい!この宇宙船、、、医療用の宇宙船じゃねぇかよ!!!」

荒野の直線に入り、ジンは嘆く。嘆きながら、宇宙へ加速し到達する。

読んでくださりありがとうございます

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