終末装置
その話を聞き、マーガレットが口を挟む、
「けど、テュールは取り出してましたよ。すぐに戻すのは苦手らしいですが」
「だったら、この宇宙のどこかにアメリカもあの銃もあるってことか」
カールが興奮気味に続きを話しはじめる。
「そこが興味深いんだ。この世界のどこかではなく推測通り、彼の腕は次元の狭間にある可能性は高い。そもそも次元を跨ぐ時に中間地点があることも我々にとっては初めての発見だった。これは我々の研究アプローチも変わってくる、中間地点を介せば異次元の扉を開くことも可能なのかもしれない」
興奮しすぎて話がそれ始めているようだがジンとマーガレットはその勢いに圧倒されてしまう。
「カール、話がそれてるわよ」
ハーネットはカールの扱いに慣れているのかその一言でカールはハッとする。
「あーごめんごめん、いきなりすぎて意味わからないよね。話を戻すよ。えっとどこからだっけ、、、、あっそうそう、さっきの話で行くとテュール君の腕は並走している車からものを取り出して、時間が立った後も同じ場所に戻せてるんだよ。つまり彼の腕のコアは次元の狭間から観測した知識をテュール君に渡していて彼が望めばある地点、うーんこの場合地点といっていいのかな。ある時空点とでも名付けようか、その時空点にアンカーのようなものを打ち込んで取り出してることになる」
「つまり時間は流れているけれど、打ち込んだアンカーのおかげで時間も場所もピッタリの位置を記録して取り出せるし戻せるってことね」
ハーネットが補足しているがマーガレットには難しいようで、とがった耳をピコピコと上下に振っている。
「ややこしいですね」
「お前の耳、そんな風に動くんだな」
「ちょっと!見ないでください!、、、大体、ジンは理解できたんですか。他人の耳を見てる暇があったら理解することに集中してください」
「なんとなくは理解できたが、他の次元の時空点ってやつにアンカー打ち込むなんて芸当ができるなら、この世界でその力を使うとどうなるんだ」
「さらに良いことを聞いてくれるね。ジンさん、あなたと話してると楽しいね」
「そいつはどうも」
カールはここでは話しづらいのか自身のオフィスに案内する。
「カールよ。ワシも研究者じゃ、早く話してくれんと気になって仕方がいないわい」
「ローランド先生、僕だって早く話したいんですよ。ただこの話はちょっとまずいんですよ。なのでこの四人以外他言無用かつ完全にメモも録音もなしでお願いします」
そういいながら机の横にあるボタンを押す。
完全にオフィス内の電源が落ち、監視カメラすら停止する。
オフィスの周りも黒いシャッターが下りてきて完全に暗転する。
「おいおいいきなりなんなんだこれ」
「ジン、離れないでくださいね」
「バカみたいな力で腕を握るな」
何かをこするような音が部屋に響き、部屋がゆっくりと明るくなる。
「ランプですよ。だいぶ古めかしいものですけどね。」
先ほどと打って変わってカールは神妙な顔つきになっている。




