懺悔
ハーネットの仮説通りであるならば検査すべき区画は多元宇宙の研究区画ということになる。
五人が研究区画に向かっている間、ハーネットとローランドは意見を交換し合っている。
ジンはそんな様子を見ながらこの研究所の内部を眺めている。
議論を交わしている二人に対してジンは割り込むように質問する。
「あんたらは開発した研究物に対してどう考えている」
二人は振り返りジンの顔を見る。
「どうとはどうゆうことじゃ」
「役に立つものも役に立たないものだってあるだろ」
「ジンさんが考える役に立たないものって何です」
「、、、本来の目的で機能しなかった奴とか」
その言葉を聞き、ローランドが笑い声をあげる。
「ほっほっほっほジン君、我々のような人間からすれば上手くいかないことなんて日常茶飯事じゃよ」
「そうですね、結局は試行錯誤の連続ですから」
その言葉を聞き、ジンは更に聞き返す。
「本当の失敗作はないと考えてるのか」
「ふむ、本当の失敗作か。この場合は修正もできない者のことを指しておるのかのお」
「まあ、そうなるかもな理解が早くて助かる」
「ハーネット、二人を先に案内してやってくれ、向こうの研究員には話は通しておる。先に研究を始めておいてくれるか」
ローランドはジンを連れて別の通路を歩きはじめる。
「爺さん、何もここまで深く話す必要はないんじゃないのか」
「ほっほっほっほ、そうかもしれんなあ。まあとりあえず付いてくるのじゃ」
二人は一つの研究室の前で足を止める。
「ここは?」
「ワシの研究室じゃよ」
ジンは少し驚いた後、質問する。
「なんの研究をしていたんだ」
「身体拡張の研究じゃ、特に武装の部分で作っておった」
「、、、より体に馴染む武器か」
「理解が早くて助かるのお」
ジンはローランドに許可を取り彼の研究資料に目を通す。
ふと目に留まったページで驚愕する。
「あんたの作った武器はここでは保管されてないんだな」
ローランドは何も答えずに静かに窓の外を眺める。
「むしろ、外に大量に流出されてる。概要を読まなくても名前を見れば分かる。武器マニアでな、色々と有名な武器ばかりだな。流出したのはあんた自身の仕業か」
「ワシの最大の過ちじゃよ」
ジンはその言葉に少し苛立ちを覚える。
「作ったことがか」
「いや、人殺しの道具にしてしまったことじゃ」
意外な回答に少し驚く。
「作ったことは後悔していないのか」




