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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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葛藤と夢と鍵

宇宙船に三人がつく頃にはあたりはすっかり暗くなっていた。人々も眠りについたことが良くわかる。

星空を見ていた時は空と地上の輝きは鏡のようにせめぎ合っていた。

しかし今は星空の明るさがその場を制している。

「ねえジン、この星ってなんでこんなに空がきれいなんだろ」

「確かに、ここまでいろんなもの作ると大体汚くなる気がするな」

「衛星、使って、大気、浄化してる」

先に宇宙船についていたテュールはマッドに肩車してもらいジンは横に並びながら空を眺めていた。

「あれ、そういえば星座って今もあるのかな」

「星が違うと、星座、変わる」

「確かに見え方変わるもんなあ」

そんな話をしている中でテュールがオリヴィア達にいち早く気付く、

「あっ帰ってきたよ。おかえり!」

ナタリア以外は返事を返した。ナタリアはというとそのまま宇宙船の中に帰ってしまった。

「なんだあれ、なんかあったのか」

「その話は夕食の時に話しますわ」

男三人組は顔を見合わせて首をかしげている。

そのまま食事を取ることにした一同、食事中にマーガレットが今回の話を丁寧に説明した。

「そっか、色々あったんだね」

「まあ、どっちにしろ明日もここにはいなくちゃいけないんだし、色々整理させてやらないとな」

「ナタリー、、、」

マーガレットが食器をもって立ち上がり、声を放つ

「だいぶ遅くなりました。明日も色々とやることがありますので、各自早く寝るように」

それからしばらくし、全員が寝静まった後、ナタリアだけは寝れずにいた。

「ロビンが死んだ、、、、」

一人でつぶやく声は嫌に頭の中で反芻される。

結局仲直りはできないまま。

「願ってもこの人生を捧げても叶わない夢っスねえ」

ナタリアは泣いていた。

「こんなに願ってももう、、、ロビンには、、、」

その時ナタリアの部屋へ訪れる者がいた。暗闇の中、部屋のディスプレイが光る。

『ナタリア、今は私に一番会いたくないことは脳波から読み取れます』

その言葉通りナタリアは泣きながらピースを睨んでいる。

「なんの用っスか。ロックでも解除する気になったスか?ああ、機械だから気まぐれもなにもないっスよね」

攻撃的な彼女の言葉もピースには響かない。

『マスターの研究が完成していたら私は今の言葉に怒りを感じたのでしょう』

その言葉の後に沈黙が訪れる。しびれを切らしたのはナタリアの方だった。もっともピースがしびれを切らすという概念があるのかは誰にも分からないが。

「ロックの中身も見せる気がないなら出てくださいっス」

ナタリアはピースの浮き出てきたディスプレイを手で叩く

『演算結果では、パスワードを答えられるのはあなただけですナタリア』

ピースの突然の発言にナタリアが戸惑う。

「何言ってんスか」

『私は仮設を立てて演算しました。五億回の試行結果は四億九千九百九十九回、あなたにしか答えられないと出ました。残りの一回は私がハッキングされた場合のみです』

ナタリアの顔つきは変わり、そこからはロビンが作ったピースがそのように演算するということは、本当に二人しか知らないことなのではないかと考えた。

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