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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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誰にでも過去はある/賞金稼ぎ見習い3

ナタリアは元々戦争孤児だったところをローランドが保護したのだ。彼の研究が悪用されてしまい、本来の目的とは違い悲惨の戦争を巻き起こしてしまった。その時見つけた生き残りがナタリアだったそうだ。

当時の彼女はまだ幼かったが野生児のように荒っぽかったとハーネットは笑いながら語る。

成長するにつれ社会性は身に着いたものの話し方は治せず困っていたそうだ。

そんな中、彼女はロビンと出会う。歳が近かったこともあり二人はすぐに親友と呼べるくらい仲良くなった。

二人は研究区画なんて枠にとらわれずにあらゆる分野を共に学び高め合っていた。

つい半年前までは続いていた。

突然、ナタリアとロビンは原因が分からないが大喧嘩をしてしまい、その三日後にナタリアはマザーKから出て行ってしまったのだ。

「その原因については聞いては見たのですか」

「いえ、あまりにプライベートなことでしたし、彼らの事だからすぐに仲直りすると思いまして聞かなかったんです」

ローランドが席を立つ、

「そろそろ行こうかのお」

ハーネットは何かを察したように立ち上がる。

「どこへですの」

「こんな時にあやつが行く場所は決まっておるわい」

マーガレットとオリヴィアはそのまま二人についていく。


指名手配の追跡を続けているジンとテュールは、はずれに向かって道路を走っていた。

「ねえジン、レンタルバイクって乗り心地良いね」

「お前はサイドカー乗ってるだけだけどな。この辺りで降りるぞ、ここからは道路が無くなる。直接歩くぞ」

二人はバイクから降りる。

「ジン、生きたまま捕まえなきゃダメなの」

「お前、何言って」

「違うよ、その、、、ルール的に殺しちゃダメなのかなって」

「別に首を持っていくってのもありではあるが、賞金が下がるんだ。それに殺しはあんまりやらない方がいい」

ジンの言葉に含みを感じとったテュールは聞き返す。

「ジンは殺したことあるの」

「、、、大勢な」

「なんで」

「そのうち話すさ」

「オリヴィアから聞いたよ。ある時を境にあんまり殺してないって、あんまりってことは殺してるってことだよね?どんな時なの」

「あのお嬢様は口が軽いなあ、、、、筋が通らず気に入らない時だ」

ジンは内心焦っていた。テュールにこんな話を聞かせていいのか、自身の考え方を参考にして人を殺したらどうすればいいのか。

「まあやるべき時は教えてよ」

「ん?」

「頼っていんでしょ、にーちゃん」

「あれは例えだ例え、んなこっぱずかしいこと言うな」

ジンは内心思う。

(この旅が終われば俺はこいつらといられなくなる。いちゃダメなんだろう)

「ねえジン、、、ねえってば」

考え事をしていたせいで話を聞いていなかったようだ。

「悪い悪い、なんだ」

「あれって、ターゲットだよね」

テュールの発言にジンはその場でかがみこむ。

「バレてねえよな」

「うん今のところは、いつもどうやって捕まえてたの」

「このコートの光学迷彩機能使ってたんだが、今回はお前に教えることがメインだからそれは無しだ」

そういってジンはテュールにあるものを手渡す。

「これは何」

「電気ショック搭載つきの手裏剣だ」

「手裏剣ってこんなのだっけ」

「別の世界では違うのかもな」

「えっ」

「いや、何でもない忘れてくれ」

ジンは並行世界の知識の話をしたことを咄嗟に誤魔化し、テュールに目の前のターゲットに対して集中させる。

テュールが朝飯前という顔で投げた手裏剣は明後日の方向に飛んでいく。

それを見てジンは頭を抱える。

「だって投げ方知らないもん!」

「悪かったよ、お前の能力を過信しすぎた」

「ジンって意地悪な言い方するよね」

二人が言い合いを始めた瞬間、手裏剣が爆音とともに爆発しあたりを照らす。

「、、、ねえ、あれって本当に電気ショック?」

「いや、これは俺様のミスだ」

ターゲットはすぐさまその場から逃げ出そうとする。次の瞬間ジンが飛び出し足をひかっけブラスターを突きつける。

「お前ら、なんなんだよ」

「テメェの賞金が欲しいただの旅行客だ」

「おーそれって決め台詞?」

テュールが後ろからやってくる。

ジンは銃で頭をポリポリと掻きながら疲れたように声を出す。

「テュール、捕まえるときは雰囲気も大事なんだよ」

テュールはなるほどといいながら召喚したロープで男を縛る。

「ちょ、ちょっと待ってくれ。金ならいくらでも払う。見逃してくれ」

「あのな、そんなこと言う奴は山ほど見てきたが、公式で出されている指名手配と違ってお前らの場合は支払う保証がないんだよ」

「話だけでも聞いてあげたら」

「ダメだダメだ。こうゆう奴らは上手く話しはじめて隙を見て逃げ出すんだよ」

二人が会話に集中し始めたタイミングで賞金首の男は走り出す。

「なあ、言ったろ」

「本当だね。期待して損した」

ジンが弾丸を装填してライフルを構えようとするとテュールが止めに入る。

「今度こそ僕に任せて。チェイサーボウ」

テュールは手元に弓矢を召喚する。

「おいおい、当たんのかそれ」

「大丈夫追尾して当たる弓矢だから」

弓矢から放たれた矢は風を切りながら鳥の鳴き声のような音を響かせ男のふくらはぎに刺さる。

男は縛られていたため顔から地面に突っ込む。

「うわ、痛そう」

「ほらとっとと連れて帰るぞ」

二人は賞金を何に使うのか話し合いながら街に戻る準備をしている。

「サイドカーにこの人を入れたら僕はそっちで二人乗りになるじゃんか、狭いよね」

「しょうがねえだろ、こいつを落としたり引きずったりするわけにもいかねえんだから」

「苦汁は口に苦しだね」

「それだと苦いのは当たり前だし、使い方も間違ってる」

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