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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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命名

食事を済ませた後、もう一度テーブルに集まる。

「今日決めるのは、この船の名前と次の目的地です」

「次の目的ではそろそろ稼ぎ方を教えた方がいいんじゃないか」

ジンはテュールの方を見ながら話す。

「テュールにはきちんとした職業に就いてもらいます」

「あのな、経歴詐称だらけの書類作ることになるぞ。賞金稼ぎのやり方を教えた方がいい」

「しっかりと学べる場所の方が彼のためになります」

「ここで学ばしてやればいいだろ」

ジンとマーガレットがお互い一歩も下がらない。

お互い世話を焼きたいようだ。そんな二人を見ていたオリヴィアが呆れたようにピースを呼び出す。

「なんで、ピース、呼ぶの、オリー」

「船を名前を決めるのならピースもいた方がいいでしょうマッド」

『こんちわ、呼びましたか』

一同がピースを怪訝な顔で見る。

『なあんでそんな顔してるんですか』

「しゃべりかたが変わった?」

『ああ、その疑問はごもっともですねテュール。私は応答型の成長型AIです。少しずつ成長してるんですよ。乗組員も六人に増えたので脳波のスキャンも増えましたから』

「そんなの聞いたことないっス、そのうち感情を持つって事っスか」

『ナタリア、いいことを聞きますね。私は博士が新時代に向けて作ったシステムですので聞いたことがないのは当然です。ある意味では零号機みたいなものですから。感情を持つかどうかは現状私ですら理解していません。高性能なのに自分の事はあまり記録されていないのです。もし感情を持った時は自立型のボディが欲しいですね』

一つ聞けば百のことを返すようにたくさん話すようになったピース、しかし感情を理解できていないような部分があるようで、この話し方も結局は集めたデータを用いて形成した人格を模しているに過ぎないのだろう。全員があっけにとられているとジンがいち早く調子を取り戻す。

「とりあえず目的地の前にみんなで船の名前を決めよう。ジーニアス号とかが俺様は良いと思うぜ」

「私はサイントライオンがいいです」

「アタシは爆裂魔獣タイガーボムを提案するっス」

テュールはニコニコ笑っているがオリヴィアは頭を抱えている。

「貴方方はセンスの欠片もありませんのね」

「「「じゃあオリヴィアは?」」」

三人がオリヴィアに目を向ける。突然の自分への質問にオリヴィアはびっくりしながらも必死に考える。

顔を赤くしながら答える。

「ベアー号、、、なんでもありませんわ!!」

三人ニヤニヤしながらオリヴィアを見つめている。子供っぽい名前のチョイスににやけているのだ。

そんな三人の前にマッドが立つ。

「いじめ、良くない」

マッドはその場でしばらく考える様子を見せた後再び口を開く。

「バルトリカ」

「なんだそれ」

「エタル語で、勇敢な冒険者」

「悪くはねえな」

「悪くないっスね」

「二人とも気に入ったなら素直に言ったらどうですか」

「僕もそれがいいかな。他のはあまりに個人的な気持ちが入りすぎているように感じたし」

テュールの一言に最初提案していた三人がギクッとなる。

「まあベアー号がでもいいけどね」

テュールが意地悪そうに笑う。オリヴィアは頬膨らませながらペチペチとテュールを叩く。

「忘れてくださいまし!!!」

テュールはここ数日で少しずつ形成されている性格があるようだ。彼自身が望んでいるのかそれとも周りに影響されているのか分からないが、見た目相応の年齢になってきている。

談笑しているとマーガレットが思い出したように話す。

「次の目的地を決めないと」

意外なことにマッドが一番に口を開く。

「バルトリカ、作られた星、そこに行く、作った人、話すべき」

「確かにそうっスねえ、現状は盗んでいることに他ならないっス」

「ジンはどう思いますか」

「嫌だとは言えないだろ。取り合えずルートを逆算すれば星は特定できるだろうし、それに作った人間に許可取れれば一生この船で暮らせるしな。そこそこの額でも俺様も払えるしな」

「その時は私も払いますよ」

「やだよ。俺様の船なんだから折半したらお前にも半分所有権渡すことになるじゃねえか」

「早く向かいますわよ。ピース」

『逆算は済んでますよ。早く行っちゃいましょう。船長号令を』

マーガレットはコホンと咳ばらいをした後姿勢を正す。

「バルトリカ!発進!」

「俺様も言いたい」

「アタシも言いたいっス」

「オレも!!」

「「「発進」」」

ナタリアとマッドとジンにマーガレットは呆れかえる。テュールとオリヴィアはクスクスと笑っているようだ。

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