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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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料理は難しい?

次の日の朝、食卓のテーブルをほぼ同じタイミングで四人が揃う。一番遅かったのはジンだ。ここに居ない者はマッドとテュールの二人である。二人は台所で料理を作っている。

「テュールも手伝っているのか」

「そうですね私も手伝ってきます」

マーガレットが髪の毛を結びながら台所に入っていく。

「私は飲み物を取ってきますわ」

オリヴィアも台所に入っていく。

残ったのはナタリアとジン、二人は黙々とテーブルの食器などを用意している。

「昨日は急に押しかけて申し訳なかったっス」

「別にどうってことはねえよ」

並べ終わると二人は横に並ぶように席に座る。

「昨日の話だが、秘密にしといてくれるか。特にマーガレットには」

「もちろんっス、そっちもアタシの秘密をお願いするっスよ」

二人はお互い昨日話した何かを胸にしまい、いつも通り過ごすことにする。

二人は料理が運ばれてくるまでしばらく時間をつぶす。

「なあ変身してくれよナタリア」

「嫌っスよ。ヒーローは変身を安売りをしないんスよ」

「じゃあ俺が変身するからツナギ貸してくれ」

「嫌っス。ならジンさんのブラスターリボルバー撃たしてくださいよ」

「ダメだ、あぶねえからダメだ」

「アタシのスーツだって危ないんスよ?見ましたよねレーザーをアッパーカットしたの」

「別にいいじゃねえかよ」

ジンがじりじりとナタリアに近づく、ナタリアはグルっと部屋の中を回って逃げる。

「俺様もダイマナイトになりたいんだよ。ツナギをよこせ!!」

そこに丁度マーガレットが戻ってくる。マーガレットから見ればジンがナタリアのツナギを脱がそうとしている場面だけが目に映る。

「ジンさん!ダメっス、ツナギを取らないで欲しいっス」

「いいだろ。ちょっとくらいならよ」

マーガレットは肩を震わせながら顔を真っ赤にして二人に近づく、

「朝っぱから!!!何を!!!しているんですか!!!」

鈍い音が部屋の中に炸裂しまくる。

食卓に食事が並び、皆が手を合わせていただきますをする。テュールもその文化にそろそろ慣れてきたようだ。一同は朝食をよそい食事を開始する。

「ジンはどうしたの?ほっぺ真っ赤だけど」

「聞かないでくれテュール、ゴリラ女に襲われた哀れな男ってだけだ」

「先に事情を話せば殴りませんでした」

「説明する前に殴っただろうが」

「ジン、食って、元気出す」

並んでいる料理を見ながらジンが聞く。

「今日の料理はテュールも手伝ったんだろ」

「ああ、これは僕が作ったやつ」

サラダを指さしてテュールが話す。

「ただちぎって盛りつけただけだけど」

「十分、立派、料理、助かった」

「私も手伝いましたよ。これです」

マーガレットも褒められたいのか自分の手伝った料理を指さす。

紫色のいろんな具材が混ざったプリンのようなものが置かれている。

「デザートです」

得意げにマーガレットは語る。ジンは目をヒクつかせながらマッドに話しかける。

「あれはなんだ」

「ごめん、止めるの、無理だった」

マッドとジンがコソコソ話していら間にマーガレットの料理をテュールが食べる。

「美味しくないよ」

マーガレットが絶句する。

「マーガレットが作ったのは何ですの?」

「い、いろんな具材が入ってる方が美味しいと思いまして色々混ぜ込んだプリンです」

「何でも混ぜるのは違うッスよマーガレット。普通プリンに生魚入れないッス」

マーガレットが自分の料理を口に運ぶ。咀嚼している時の音がおおよそプリンを食べている音ではない。

飲み込んだ後、マーガレットは言う。

「食べれますよ?」

「お前だけだろ。種族としての体質で食えてるだけ。残りは一人で食べろよ。次からはレシピ本でも見ながら作れってんだ」

ジンの言葉を聞きながらマーガレットが目をウルウルさせる。言いすぎたと思ったジンはリカバリーに入る。この数日で各々多くの成長、というよりは社会性が生まれているようだ。

「まぁせっかく作ってくれたんだから一口くらい食うぜ」

マーガレットがスプーンに盛った大きな一口をジンに押し付ける。ジンは腹を括りそれを口の中に放り込む。後は言うまでもない、ジンは撃沈しマーガレットはオリヴィアにフィーリングで作ったことを注意されるといった普段とは真逆のことが起きた。

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