地上から電波を通す方法1
「それでナタリアちゃん、メンバーに対してもう不満はないの?」
ピースはナタリアと歩きながら会話している。
「まだまだあるっスよ!例えば、マッドはたまにトイレ流さないし、オリヴィアは会議中でもジンさんに甘えるし、テュールは言うこと聞かないし、ピースは服着ずに船内歩き回るのやめて欲しいっス、マーガレットは、、、特にないっス」
「服を着ないでって言うけれど、私のボディは機械なんだから別にいいんじゃないかしら?配線見られる方が恥ずかしいわあ、後、私もマッドちゃんの後は嗅覚機能をオフにしてるわ、けど全部かわいいものじゃない」
「まあそうなんスけどねえ、、、あっ!後みんな、アタシの発明品に勝手に触りに来るっス、アタシがいない時に、、、腕が吹き飛んでも知らないっスからね」
「腕が吹き飛ぶ心配はオリヴィアちゃん位かしら?」
「全員に同じこと言ったらオリヴィアだけビビって来ないくなったっス」
二人は笑い声を弾ませながら扉までたどり着く。
「スキャンした感じこの扉の裏にハシゴがあってハッチに繋がってるっスね、ってこんな事ピースに話す意味も無いっスよね」
ピースは眼を光らしてスキャンしてから口を開く、
「そんな事はないわよお、テュールちゃんの偽物を見抜けなかったんですもの、これからはなんでも信頼できるデータ解析係じゃなくなっちゃったわあ、今後はダブルチェックね」
「イレギュラーはつきものっスよ」
ナタリアの励ましに感謝しながら扉を腕力で外す。
「ひどい扉っスね。内側に鍵がないって事は中に閉じ込められたら自発的に出れないって事っスよ。アタシらみたいな特殊なケースを除いて」
ハシゴを登りながら愚痴をこぼす。
「、、、ナタリアちゃん、上を見ちゃダメよお」
「なんでっスか?」
「変態さんになりたいの?」
「スカートの中とか何するんスか?船内はほぼ裸のくせに」
「環境と場合が恥ずかしいという感情を誘発させるのよお」
そんな事を言い合っているとピースがハッチに着く。
「、、、、ナタリアちゃん」
「なんかすごいっスねこれ、、、スキャン装置が壊れたっスか?」
「いえそんな事ないわ」
二人のスキャン結果にはハッチの向こうに多数の高エネルギー反応がある事を示唆するデータが表示されていた。
「これワンチャン死ぬんスかね?」
「分からないわあ、だいぶ精神は落ち着いているみたいだけど」
「もしもコアが残って復活できたらジンたちに伝えておいて欲しいっス、、、アタシのこと」
「何を記録したいの?」
「アタシの勇姿とか、アタシの、、、恋人のこととか」
「彼女作ったの?」
「いや冗談っスよ、なかなか同性との出会いの場に行けないんスよね。ジンさんが仕事いっぱい振ってくるんで」
愚痴が始まりそうになったのでピースはハッチを開ける。
ピースは外に顔を出してから声を出さない。
ナタリアが警戒しながら顔を出すと異様な光景が広がっていた。高エネルギーを発している者がビーチで遊びくつろいでいる。厳密にはくつろいでいた、だろうか。突然ハッチから出てきた二人に全員目を向ける。
「、、、これはどうなってんスか?」
「それより、説明してもらわなくちゃねえ、マッド」
ピースは静かな怒りをマッドに向けている。




