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戸惑い2

ソジュンは少し離れた所までマーガレットと歩く。

「離れると迷子になると思いますけど」

「そこまで離れませんし馬鹿じゃありませんよ」

マーガレットはソジュンをじっと見つめる。

「ジンのことを嫌いと言いましたね」

「、、、怒ってるんですか?」

「敬語はやめてください。本心で話したいんです」

「、、、あんたも敬語だろ?」

「私はこういうタチなので」

ソジュンは近くの柵にもたれかかる。

「そうだよ」

「えっ?」

「あんたがさっき聞いた質問だ。ジンの兄貴のことが嫌いかっていうのは、その通りだよ」

「何故か聞いてもいいですか?」

「理由は簡単だ。俺たちと出会い、少ないちっぽけな数だったかも知れないが、他人の人生に大きく関わったクセして無責任に手放した、以上」

ソジュンがその場から離れようとするとマーガレットが立ちはだかる。

「退いてくれ、女性に手荒な真似はしたくない」

「試してみますか?話は終わってませんよ」

ソジュンはマーガレットを突き飛ばそうと手を伸ばしたところあっさりと弾かれ後ろに数歩下がる。

しばらく目の前のマーガレットを睨みつけた後諦めたように上を向いてため息を吐き元いた柵の近くに戻った。

「実はジンからも同じ話を聞きました」

「いつ話すんだよそんな話?」

「えっ?それは、、、ベットで」

ソジュンはウンザリしたように頭を掻く。

「そういうことじゃない!が、もういい!」

マーガレットはなぜ怒ってるのだろうかと思いながら続きを話す。

「同じことを言ってました」

「何が?」

「ジンが先ほどあなたが言った事と同じことを話したんです。無責任に逃げたって」

「、、、だからなんだ」

「理由が気にならないんですか?」

マーガレットの質問にソジュンは黙り込む。

(理由?ジンの兄貴と話す時は説明しろと言ったが、、、理由を聞けば俺は納得ができるのか?)

マーガレットは顔を覗き込みながら話しかける。

「どうしたんですか」

「その理由は真っ当なのか?」

「はい?」

「聞けば俺は兄貴を許せるようになるのか?」

「、、、分かりません。私だったら許すと思いますけど」

「器のデカさの違いって訳か」

「いえ、私は、、、」

マーガレットは言いよどむ。おそらくは

「なんだよ、話せよ。俺だけばっかりじゃなくてアンタのことも聞かせてくれよ」

ソジュンは嫌味を混ぜて問い掛ける。

マーガレットはため息をついて口を開く。

「理由を知りたいかと思えば私の事もですか、、、ジンの言った通り、頑固というか負けず嫌いというか」

「なんだよ」

「いえ、、、では、私の話もしましょう。私の種族は何だと思いますか?」

「、、、ヤワ族」

「歯の形だけで判断しましたね。答えはサイントです」

ソジュンは鼻で笑う。

「あり得ない。絶滅したはずだろ」

しかし、マーガレットを改めて見た時、外見の特徴一つ一つが一致していることに気づく、

「マジ、なのか?」

「はい、マジです」

ソジュンは驚いた顔をした後にまた怪訝な顔をする。

「それが何の関係があるんだよ」

そんな質問聞こえていないのかフリをしているだけなのかマーガレットは気にせず話しを続ける。

「まあ簡単に話しますと私は前まで一族の仇を取るのに必死でした。けど新しい家族を見つけて、、、気にしなくて済むようになった、と言えばいいんですかね。過去の因縁と踏ん切りをつけたんです」

マーガレットの言葉に対してソジュンの返答は淡々としていた。

「なんでだ?人に裏切られたり傷つけられたら許せなくなる。新しいつながりができてもしこりは残るものだろ」

「そのしこりがあなたがジンを許せない理由ですか?」

「、、、分からない、兄貴は悪い奴じゃなかった。だから、、、最初は多分恨んでなかったんだ」

ソジュンは素直に話す。彼自身も驚いているようだ。

目の前に立っている女の境遇が壮絶だったからだろうか。彼自身も明確に答えが出ない。

「何があったんですか」

マーガレットの質問にジンとの馴れ初めと最後の日のことを話す。ピースの前で話したことと内容は変わらない。話が終わった後、最初の続きを話す。

「俺は兄貴を、最初は、、、」

言葉が詰まるがマーガレットが続きを言ってくれる。

「心配していたんですか?」

ソジュンは目を丸くする。口に出したくないしそんな事思ってなかったと言いたいが嫌なくらいしっくりくる言葉だった。

「、、、そうだな、心配してた」

口に出すとよく馴染む。

「帰ってこなかった日に俺はカルシアに必ず帰ってくるからと励ましたんだ」

マーガレットは黙って聞いてる。

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