分断と合流?2
「ぬおーー痛いですぅ!」
メイリンは上体を起こし大きく伸びをしながら体の痛みを訴える。
周りを見ると一人見慣れた者が立っている。
「あなたは、、、ラハユさんですね!」
ラハユは少し驚いたように目を開く。
「随分と馴れ馴れしいんだね君は」
「そんな言い方しないでくださいよ!別に私たちの間で揉め事が起きた訳じゃないんですから」
ラハユは静かに近づいて手を伸ばす。
メイリンは目を丸くしながらその手を掴む。
「簡単に信用しちゃダメだよ。もし僕が腕をへし折ったらどうするつもり」
「あなたはそんなことしません」
少し考えたのちラハユはメイリンの腕を引っ張り立ち上がるのを助ける。
「君はどうして彼らと関わっているんだい?」
「この星にソジュンと調査に来たんですよ!あっ、ソジュンって言うのは生意気な後輩で、、、」
話を遮りようにラハユが聞き返す。
「調査?」
「はい、この星で行方不明になった人が多数存在するとのことでその調査に」
「行方不明になるならもっと大きな事件になるだろう?やっぱり噂なんじゃ」
「それが行方不明になった人とそっくりさんが入れ替わるらしいんですよ。ジンさん達はコピーと言ってました」
「、、、それを父さんがやってると?」
「あなたの言う父さんってどんな人なんですか?」
メイリンは壁や周りを確認して周辺を歩き回りながら質問する。
「父さんは、、、父さんだ」
意味ありげな返答にメイリンは振り返る。
「まさか、会ったことが無いんですか?」
「、、、ちょっと複雑でさ」
「話してください」
呆れたように笑いながらラハユは返答する。
「どうして君に話すんだい?別に面白いことなんて何も無いさ」
「面白いから聞くんじゃありません。友達が困ってるから相談に乗るんです」
「君が、、、友達?やめてくれよ。君たちとは殺し合うような仲だ」
メイリンは体をラハユに向ける。
「私が気を失っている時殺さなかったですよね」
「それは卑怯で正しくないからだ」
「、、、正しさですか」
メイリンはその言葉が心に引っ掛かるように呟く。
「大丈夫かい?表情がこわばってるぞ君」
メイリンは顔を左右に振り頬を両手で叩く。
「問題ありません!後!私の名前はハク・メイリンです」
「えっと、、、メイリン?」
「はい!ラハユさん!友達ですね」
メイリンが差し出した手をラハユは見つめただけで握らなかった。
「早く行くとしよう。ここがどこか分からないし取り敢えずは歩くしかない」
「多分、複製施設ですよ!みんなで話し合ったんですよ。そんな大掛かりな機械や施設どこに隠せるんだって、結論は地下でした」
「じゃあ、ここは父さんが」
「お父さんとは連絡取れないんですか?」
「向こうからとってきた時は暫く会話ができるけどこっちからはとれないし、、、、何その顔、、、もしかして僕の親子関係って歪?」
「んーーー、連絡はラハユから取れない、会ったことがない、これだけでも一般的では無いですよ」
気まずそうにメイリンが答える。
(僕は、、、何なんだ?)
ラハユの中で父親に対して疑念が生まれ始める。
その時、ラハユにひどく懐かしい気持ちが流れ始める。
(これは、、、母さん?けど父さんは母さんは死んだってけど間違いなく母さんだ、、、会いたいよ)
ラハユはメイリンをチラッと見て申し訳なさそうな顔を一瞬したのち何食わぬ顔で先導して歩き始める。
「こっちだよ、メイリン」
「そっちが出口なんですか!着いていきます!」




