最初のレッスン【アイちゃん】
私の名前は、新木愛子。愛称はアイちゃん。
『YOASOBI』の『アイドル』が大ヒットしたのをきっかけにして、アイドル業界にも注目が集まるようになり、そんな中でデビューしたのが、『チェルシー』だ。
今度デビューする『チェルシー』の、チームキャプテンに選ばれたの。
その『チェルシー』をプロデュースするのが、
黒野須座駆という名前の、見た感じキレ者という人物。
彼は言った。
「この物語の主役は、私ではない、彼女たちだ。
私は総合プロデューサー。メンバーの代わりは、
オーディションの応募者の数だけいると豪語した者がいるが、私は思う。
総合プロデューサーの代わりは、いくらでもいるとな。
運営組織の代わりも、いくらでもあるとな。
総合プロデューサーは、彼女たちの引き立て役。
彼女たちをいかにして引き立てるかが、総合プロデューサーの私にとって、何よりの報酬だ!」
今までにも、彼のプロデュースによって、数多のアイドルグループが生まれ、そこからトップメンバーと呼ばれる、各グループ、各時代を代表するスターたちが、きら星のごとく登場し、そして卒業という名目で巣立っていった。
だから、そんなアイドル界の歴史に、私も名前を刻みたい。そう思って、『チェルシー』のスターティングメンバーのオーディションを受け、見事に合格し、そしてチームキャプテンに任命された。
新木愛子の、アイドルとしての
ステータス
名前
新木愛子
髪型
ストレート ロング
特徴
衣装はイメージカラーの赤、髪の色も、イメージカラーの赤。目の色は、右目が赤で、左目が青という
出身地
東京都 田園調布
家族構成
兄と姉がいる。姉は東証プライム上場の某大企業の社長夫人、兄は幹部候補生、父は大企業の会長、
祖父は大臣経験もある国会議員、曾祖父は戦前の貴族院議員もつとめたという、華麗なる一族
好きな食べ物
ハンバーグ、スパゲッティ、ケーキ、プリン
趣味
読書、スポーツ観戦、音楽を聴く
尊敬する人物
女性初の偉業を成し遂げた、ある人物だという。
さっそく、最初のレッスンが始まる。
まずは、メンバー同士の顔合わせからだ。
それが終わると、発声練習と、ダンスレッスン。
来る日も、来る日も、この繰り返し。
チームキャプテンとして、グループのまとめ役にならないといけない。ある意味、因果な役割だ。
でも、ここでくじけてなんかいられない。早くも、デビューシングルのお披露目に向けたレッスンが始まる。
はたから見ると華やかなアイドル業界。だけどいったんその内部に入ると、外からは見えてこなかったものが見えてくる。
メンバーと、運営スタッフ、総合プロデューサーとの、橋渡し役。それが、チームキャプテンに求められる役割。
私は恵まれた環境で育ってきた。お嬢様キャラとして演じているのではなく、本物のお嬢様。
周囲は私を『お嬢』と呼ぶ。昔の伝説の大歌手が、『お嬢』と呼ばれていたことに由来するらしい。
だからといって、その恵まれた環境に甘えているわけにはいかない。全て、アイドルとしての力量次第。
親のことも、よく言われる。親も兄弟も、おじいちゃんも、ひいおじいちゃんも、華麗なる一族の系譜だから。だけど、親は親、私は私ですから。
さあ、今日もレッスン開始!