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わたし、異世界でぬいぐるみヒーラーやっています!【777文字】

カクヨムにも掲載しております。

 日本で心理カウンセラーをやっていたわたし、黛優衣(まゆずみゆい)は、ぬいぐるみ療法をやるため買ってきていた、両手一杯のぬいぐるみを抱えている状態で視界が塞がれ、トラックにはねられ転生した。悩んでいる心に問題を抱えている人を救いたいという気持ちが異世界でも反映されたのだろうか、神様は私にぬいぐるみ召喚というスキルを発現させた。わたしのぬいぐるみは理想の相手を顕現させるらしい。投影先としてはこの上ない能力だろう。


 わたしは異世界でぬいぐるみヒーラーやっています。


 今日もギルドで再起不能となった、冒険者パーティの引率を引き受けた。彼らを立ち直らせるのが私の仕事だ。戦士とタンクとヒーラーの3人の若者パーティらしい。


「ゆくぞ、スティベル。俺の勇士をとくと見よ」


 一角うさぎに戦士が立ち回る。じりじりと円状に回り、同距離を確保し続ける。それに立ち回ると言っても、ちらちらと妖精のぬいぐるみに視線を送り続けている。ほうほうなかなかにマニアックだな。


「お前は俺が守る。アンジェリカァァッ!!」


 そういいながらタンクは後ずさりして、サキュバスらしき豊満な胸をお持ちのぬいぐるみにじりじりすり寄っている。おーい多分、後方の方が危ないぞ。色んな意味で。


「大丈夫。私が何があっても癒やしてあげるからね」


 そういって王子様に語りかけるのが、ヒーラーの女の子だ。いやまあ、あなたが癒やされているけどね。しかし、くっそ高身長だなこの王子様。私のぬいぐるみ史上最大だ。


 戦闘は飽きた一角うさぎが去って行って終わった。木陰で腰掛けて、立ち直っていったパーティを見送る。彼らはもう大丈夫だろう。


「問題は……経験値入ってこないのよね。ねーみーくん」


 わたしは人外のぬいぐるみ。みーくんに語りかけた。ぬいぐるみ療法はマイナスをゼロにはできるが現状を打破できないのだ。今日もわたしはぬいぐるみと戯れる。


「まーいっかァ」

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