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アンナの旅  作者: mega
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試験

 馬車はメラノ邸にようやく帰り着きました。

入口にはクロノ司祭が待っていました。帰りが遅いので、心配していたのです。

無事に帰り着いたかと思っていましたが

まず降りてきたデント執事は難しい考え込んだ様子で降りてきます。

次に降りてきたトリーに至ってはお通夜に行くかのような暗い顔をしているではありませんか

変わらないのはアンナだけです。

なにかニコニコして、何かを達成したかのように晴れ晴れとした表情です。


その落差にクロノ司祭は降りてきたデント執事に

「なにかありましたか?」と小声で問います。

「後でメラノ様の部屋に来てください、その時に」

それだけをクロノ司祭に返事したのです。


まず各自の部屋に引き上げた頃

今日は珍しく休養日になった3聖女はアンナたちが帰ったことを知って、来客の部屋に集まってきました。

マルゴット様はどういう方だったのだろうかなど話し合っています。興味が尽きないのです。


もうひとりその帰りを心配して待っていたのは後援者のメラノ侯爵です。

ようやく馬車が帰ってきたとの報告が上がってきて、ジリジリした思いで同行したデント執事の帰りを待っていました。

ようやくドアがノックされ、デント執事の声が聞こえます。

「デントです。ただいま帰りました」

「待っていたぞ中に入ってくれ」そう言うと

「失礼いたします」という声とともにデント執事が扉を開け部屋に入ってきました。


メラノ侯爵はデント執事のその顔は難しそうな表情をしているのをみて

「待ちかねたぞ、どうだったか」というその声には不安な思いが見て取れます。

「メラノ様遅くなりました。今回の訪問について、報告いたしたいと思いますがもうすぐ来ますクロノ司祭にも聞いてもらいたいと思います。まず悪い話ではありませんが……」

「悪くは無いと言うデントの顔はそういう顔では無いようだが」

と言うと、ドアをノックする音がして

「クロノです」という声がしました。

「クロノさんか入りなさい」そう言うとドアを開けて入ってきました。


「デントもクロノもまあ座って、デントのマルゴット様の訪問の話を聞こう」

二人はメラノ侯爵が座っている席の前に座るとデントは話し始めます。

「マルゴット様とアンナ様の面会は無事に終わりました」

「それは良かった」

とメラノ侯爵はホットしましたがデント執事は続けて

「しかし、やはりというか異例の事態が起こっております」

「異例というと?」

「まずあの薬ポーションをマルゴット様に差し上げた様です」

「非常に効果がでていたようで、マルゴット様より良い物であるとのお言葉をいただいております」

「ほう、それは良かったな」とメラノ侯爵

「それでかどうかはわかりませんが、マルゴット様からアンナ様へしばらく離宮へ来て欲しいとの話が

でているとのことで、アンナ様よりしばらく通うからよろしくとのことです」

「ほーーーやけに気に入られたものだな めったに会われない人なのに

ベアトリス聖女やキラ聖女の時はそのような話はなかったのだろう」

とメラノ侯爵は何があったんだろうかと言う顔をしています。


「そのようです。そのお二人はとおりいっぺんの会談だったみていなので、よけい異例です」

そういったデント執事は、横のクロノ司祭の方を向いて

「クロノ司祭実はトリーさんの聖女昇格試験なのですが、そのことをマルゴット様に話されたようですそれも、わざわざマルゴット様の前に連れてきて会わせました」

「えっ、そんなの聞いたことがありません。ゲルト大司教でもめったに会えない方で、それが身分の低い従者が直接会えるなどとは」

クロノ司祭はその意味をはかりかねています。


「自分でも会えたことすらない方というのに、どうなってる」メラノ侯爵は、よけいわからないという顔です。

「なにか古くからの知り合いの面会みたいにしか見えませんそんな感じです。しかしそんな訳ありませんし今回が初対面ですから」

さすがにデント執事、本質を見抜いているようです。


「聖女昇格試験がそこまで話されたようだが、クロノ司祭 教会の方はどうなっている?」

「ゲルト大司教に会うことができましたので、試験の方はすぐにでも行なってもらえそうです。教会の方も聖女様は一人でも欲しいところですからそれに、今回メラノ様の後援と競技会の好成績なども後押しとなりました」これがクロノ司祭の教会側の報告です。


「そして今回のマルゴット様のお墨付きですか」デント執事は付け加えます。

「アルク大公やメーセン宰相の後押しまであれば、もうどんなごり押しも可能だろう。見習い聖女のトリーの能力がチョボチョボでもどうにでもなる位の話だ」

「トリーさんは帰られた時、そうとうな責任と緊張だったようですが合格は間違いないでしょう。

でも能力は思う以上に高いだろうと思います」


「大公邸と宰相邸の時の話を聞いたからよくわかる。実際どのくらいなんだトリー見習い聖女の実際の能力は」メラノ侯爵は知りたがっています。

「おそらく三聖女のすぐ下くらいはあるでしょうね」

クロノ司祭はそう答えます。


「いまこの屋根の下に前回の競技会優勝者レベルを超える聖女が四人もいて、それに一名加わる訳か

アンナ聖女様は何をしたいんだ。デントそう思うだろう」

「メラノ様、アンナ様にはなにかもっと大きな何かがあるんじゃ無いでしょうか? それが何かわかりませんが、なにか急がれているようにしか見えません」

デント執事は、なにかを感じているようです。

「どちらにしてももうこなったら、トコトンついて行くしかなさそうだ」

メラノ侯爵の会談の場はそんな結論になりました。


 さてこちらは、3聖女がいる来客の部屋です。

そこに、マルゴット様の招待を終えたアンナとトリーが着替えを済まして下りてきました。

さっそく、サンディから声がかかります。

「アンナ、マルゴット様にお会いしてどうでした?」

「お年を召しておられましたが、優しそうな方でしたよ、そうですよねトリー」

とアンナが答えると、すかさずベルから大きな驚きの声が上がります。

「トリーさん、お会いすることができたんですか」

「ハイ」トリーは下を向き、返事の声はか細い声です。


「えーーーなんで?いいな」とベルがうらやましがります。

「めったに会えない方と聞いていましたのに」とノルが言います。

「あの薬ポーションをお見せする為に一緒に立ち会ってもらったんですよ」とアンナは説明しました。

「あれを持って行ったんですか?」とノル

「これは良い物であると言われましたよ 飲まれましたしね」とアンナ

「へえーーーそうなんだ」とサンディも会えた事実がうらやましそうです。

「それとしばらく来て欲しいという話もありました」

「うわーーーアンナすごいじゃない、また会えるなんて」とベルもうらやましがります。

「みんなもお会いできるだろうと思いますよ」

「大聖女様に会えるかもしれないなんて」とノルは期待しています。

「でもその前にまだまだやらなければならないことがありますよ。大公様のベアトリス様と宰相様のキラ様の件です。まずこれを手分けして行なってください。わたしはマルゴット様にまたあわなけばならないので行けませんから」

「はーーーあーーーい」

とその指示に不承不承返事をする3聖女たちでした。


そのような話をしていますと、クロノ司祭が部屋に入ってきました。

入るとすぐに

「トリーさんの件でお伝えしたいことがあります」

「聖女昇格試験の件です。明日試験を行ないますので用意ください」

「トリーさん大丈夫ですね」

「はい、頑張ります」とトリー

「では用意の方よろしくお願いします」

「クロノ司祭様、トリーの明日の試験は、どこで行なうのですか?」とベルが質問しますと

「明日の午後から例の競技会が行なわれた病院で開始です」とクロノ司祭は説明します。

「わかりました。ありがとうございます」

「付き添いはどうなっていますか?」さらにサンディが質問します。

「やはり推薦者である聖女の皆さんも同行されるべきでしょう」

「わたしも行きたいですけど、マルゴット様に会わないと行けないので、明日はトリー一人だけですよ」

その突きはなすようなアンナの言葉に

「一人だけですか……」とトリーは心細そうです。

「私たちがついているから大丈夫よ」とサンディ、ベル、ノルの3聖女がはげまします。

「付き添いでついて行くからね」

「大丈夫、大丈夫、競技会でトリーさんも一枚噛んでいたんだから」

「それは言わないこと」とノルは指で口の前に×点します。


「いざとなったら、三人で介入するから」とベルは物騒なことを言っています。

「それこそ反則ですよ」「絶対ダメだから」と手を横に振ってアンナは言いますが

「アンナがそれをいっちゃあ、おしまいじゃない???」とサンディはツッコミを入れます。

「そーーーですよね」とノルは半分笑いながら同意します。

言われたアンナも、返す言葉がありません。一本とられてもう苦笑いしかありません。

アンナは競技会で大反則した張本人だからです。


「試験については従来どおりなんですよね」とベルは質問します。

「軽傷の人の治療です。それも能力があるかの確認みたいなものですから

術者としての能力確認です」「聖女になられた皆さんの時とおなじです」とクロノ司祭が説明します。

「3聖女の皆さんのお墨付きですから、落ちることはないとおもいます。試験の後は大聖堂で夜に聖女任命式が行なわれます」

「多くの聖女様が集まれられる事となります」


「夜にはマルゴット様のところから帰りますので、その式には私も出席します」とアンナは話します。

「では明日は、トリーさんと3聖女の皆さんとわたしクロノが、試験会場の病院へ参ります。その方向で今から手配を始めます」

そう言って、クロノ司祭は準備の為部屋を出て行きました。




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