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アンナの旅  作者: mega
27/62

テラスにて

 お茶を持ちテラスの席に集まった聖女達です。

「あーーー競技会終わっちゃいましたね」

「そうですね、なんだかあっと言う間でしたね」

「なんかまだ夢の中にいるみたい」

「まあ、終わってしまえば、いつもの日常に戻りますけど」

「表彰式が終わるとあとはお買い物をして、王城も見学して、帰るだけね」

「どこ行ってみます?」「王城だから珍しい物があるだろうし」

と3聖女達は終わった後の事をのんきそうに話しています。


その会話にアンナは黙ってお茶とお菓子を食べています。

控えているお付きのトリー(見習い聖女)は、一緒にお茶をいただきならアンナを横目で見つつ

(そんなに簡単に帰れるようには思えないわ……)と考えています。


 さてこちらは、お酒の入った男達の部屋です。

「表彰会がおわれば、後は帰るだけか、明日からその準備をしないといけないな」

ケルンはもう帰ることを考えているのですが

「おそらくそうはならないと思いますよ」とデント執事

「なんで?」

「初めに最下位から、一つ上がって良かったと言ったけど、見方を変えてよくよく考えてみればそうじゃ無いことに気がついた」クロノ司祭は気がついたようです。

「どういうことだ?」まだケルンは合点がいきません。


「ケルンさんはわかっちゃ無いです。弓は超一級品だけど、あっちの方はだめですね」

とルーツは自分の頭をコンコンと指さしてそう言います。

「他地区の連絡係などの話をじっと聞いていますと、最後の日が始まる時点で、そこに残ったのは北部はベアトリス聖女1名のみ。南部もキラ聖女1名のみ。これは予想通りなのですが、しかし東はアンナ聖女と三聖女の予想外の4人ですよ。

その他の北3人、南3人、西4人の聖女は全部落選なんです」

(さすがに商人、計算は速く、全体をよく見ている)


「うるせー」とケルンはルーツの首をつかんでヘッドロックです。(酔っ払いはいやですね)

でも腕の力は入っていません。ルーツは「イテイテ」といっていますが

(この2人はじゃれてんですね。そうは言ってもウマが合うんです)


デント執事はそれを横目で見ながら、

「そのとおりです。この競技会は個人戦なので、この順位になりましたが、これを団体戦でみたら この時点で東は一位です」

「それで表彰式の後、簡単に事がおわりになるとは思えませんね」 

「最下位の西地区の聖女様達のように、帰るだけにはならないでしょう」

(あーあ、メラノ坊ちゃま(侯爵)大変なおもちゃが落ちてきましたね。面白くはありますが後の始末は……)デント執事はこの結論にやれやれです。

まだこの時点ではアルク大公、メーセン宰相の件、そして教会までもが動き出していることは、彼らにはまだわかっていないのです。


 さてこちらはテラスです。

あのポーション(薬)の話になりました。

「あのポーション(薬)なんですが、あれが無かったら、どうなっていたか」

ノルの言葉にサンディもベルも同意するようにうなずき

「ウンウン、そうですわ、ホントに」

「あそこで棄権なんて事になってたら、故郷に帰れなかったです」とベルも同感です。


「あれはなんだろうと思う人が多いみたいなんで、そのいわれについてはこのような話が残っているんです」とアンナはこのポーション(薬)について話し始めました。


「むかし、ある聖者様がおられました。道を求めて断食などの苦しい修行を行なわれたと聞いています」

「しかしそれでは道が開かれず、ついには倒れてしまわれました」

「このままではダメだ死ぬとわかられたとき、一人の少女がこの聖者様にこのものを差し上げたようです」


「その少女の名は सुजाता と呼ばれ、その捧げた物が पायस これがこのポーションなのです」

「それにより聖者様は、体力を回復され、ついに道を開かれることができたとありました」


「そういう話があったのね、初めて聞きました」

「古い伝承にそうあったので」(アンナの家にはそんな伝承はありませんが)

「この競技会で使う可能性があったので、急遽このトリーにお願いして、作ってもらったんです。

間一髪間に合いました」

「トリーさん、ありがとう。ホントに助かりました」とサンディはトリーに謝意をあらわします。


「私だけじゃないです。ケルンもルーツも走り回ってくれて、アンナ様も時々来て味見をして、ああだとかこうだとか指導してもらいましたから、みんなの協力でできたようなものです」

「今回の結果に付き添いとして、協力できたことはホントにうれしいです」

(でも以前お嬢様がこんなの作ったことなんてあったかしら?)

そうは言いつつも、トリーの疑問は尽きません。


続いて3聖女は1日目の治療の話になりました。

「ものすごく治療のスピードがあがりました」

「ほんとにそう、びっくりするくらい」

「しんじられないくらい」

「倒れた後から、みなさんずっと薬をのみつづけてましたから」

トリーはそう話します。

「全力まで使ったから、本当の力が出せるようになったんです。いままではぶっ倒れるのが怖いから、力をセーブしてたでしょ、本来の力が出せていなかったんですよ」

「でもポーションの存在が、ぶっ倒れてもなんとかなるという事で、全力がだせるようになったのです」とアンナは話します。

「そうですわ、思いっきり、先を考えずに飛び込んで行けたように思います」

とノルはその情景をおもいだしながら話します。


「結局あの緊急治療が 地獄の特訓になったって事なのね」

「それを指示したアンナってホントに地獄の鬼教官そっくり」

アンナはベルの「地獄の鬼教官」のところでニコニコ笑いながら聞いています。


まあ、各自の能力をアンナはあのとき拡張したことはたしかなのです。

混紡で殴っていたのが、キリで突き刺すようになったので、同じ力でも効果が違っています。

それこそが集中力のたまもので、馬車で言われたことは、これを上げる為の訓練だったのです。

これにより、より微細なものが見えるように無意識になってきた結果なのです。


その話をしながら、3聖女のノルは最終日の治療の話になりました。

「でも最終日にアンナに言われて驚きました。三聖女には悪いけど治療を降りて欲しいと言われたことです」

「あれにはびっくりしました」

「アンナがそういうことは、何か意味があるからと思っていましたから」

「いままで次々と出された指示に間違いは一つもありませんでした」

「でもなぜそのような事を言われたんですか」


「ごめんなさい」

「どうしてもあの場合、残りの3人は休んでいて欲しかったのです」

その苦しい思いを話します。

三聖女に取ってはフィナーレを飾るものだからです。

それを降りろと


「あのまま続けると、あの最も重症な患者をだれも治療できないと思ったからなんです」

「もう一人の力では、治療の限界をこえています」

「でもあの魔物と森での三聖女とトリーの力の協力があれば、できると思いました」


「結果は思う以上でした。みんなの一人一人の立ち上がる光が、寄り集まり中心の治療する光をより強めてくれました」

「その力が患者の周りに光の障壁を張り巡らせ、それが鏡となりその力を中心に集めてくれました」


三聖女とトリーはその時の光景を思い出します。

「光の宝塔が立ち上がるその姿をただただ見とれていました」

「きれいでしたね、ただ静かで」

「ホントそう思います。聖なるもの」

「でもだれもそれに気がついていない」


「あの患者達はみんなの力で助かったんです」


「あのまま終われば、一位は東でしたね。でもなぜ北も南も助けたか、もうわかりますよね。みなさん」

ノルの言葉にベル、サンディ、トリーは顔を見合わせうなずき、そしてそろって唱和します。


「聖女の役目は苦しむ人を助けることです」


「ありがとう、みんなわかってくれて」それを言うアンナの目には涙がありました。


みんなわかりました。

競技会の順位よりもっともっと大切な事があることに……

(第一部 完)








https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC


爾時佛告上行等菩薩大衆。諸佛神力如是無量無邊不可思議。

若我以是神力、於無量無邊百千萬億阿僧祇、爲囑累故、説此經功徳、猶不能盡。

以要言之、如來一切所有之法、如來一切自在神力、

如來一切祕要之藏、如來一切甚深之事、皆於此經宣示顯説。


是故汝等於如來滅後、應一心受持讀誦解説書寫如説修行。

所在國土、若有受持讀誦解説書寫如説修行、 若經卷所住之處、


若於園中、若於林中、若於樹下、若於僧坊、若白衣舍、若在殿堂、若山谷曠野、是中皆應起塔供養、

所以者何。


當知是處即是道場。諸佛於此得阿耨多羅三藐三菩提、諸佛於此轉于法輪、諸佛於此而般涅槃。

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