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アンナの旅  作者: mega
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慰労会

 こちらは東地区の宿舎です。

「みなさん競技会ご苦労様でした 簡単ですが食事を用意しましたので、お召し上がりください」

「聖女様達には、メラノ侯爵様より特別のお菓子を送っていただいております。ベンド執事様ありがとうございます」

クロノ司祭の話から食事会が始りました。


「メラノ侯爵は、明日の表彰式の関係の準備等で来られませんが、よろしくとのことです」

「成績は1位北部、2位南部と東地区は残念ながら3位となりました」

付き添いのデント執事は報告します。


「あのポーションが東の秘密兵器だったけど、もう一つ及ばなかったかな」

と製造係だったケルンは残念そうです。

「あんなものがあるとは、初めて知りました。初めはどうなるかとハラハラしましたよ」

とデント執事は回想していきます。


「でも東地区としては、前回の最下位4位から順位を一つあげられたわけですから、最低限の事はできた様におもいます」クロノ司祭はその結果にほっとしています。

「あすの表彰式には1位、2位、3位の最後まで残った聖女様に、王より特別なお言葉が贈られるとのことです」

「これで後援していましたメラノ侯爵も面目が立ち、喜んでいると皆さんに伝えておいて欲しいと言われています」


周りの人達は、口々に色々と話しておりますが、本日の主役である肝心の聖女様4人と見習い聖女トリーは無言です。

聖女達は、メラノ侯爵から送られた豪華なお菓子をもくもくと黙って食べております。

聖女達はわかっているのです。本当の一位は誰あろう私たちであること、

でもアンナからそれは黙っていて欲しいと言われたからなのです。


でも北部アルク大公、南部メーセン宰相にはもう何かが起こったことは知られてしまっています。

そして、その他にも今日のことに気がついた人達がいるのです。


慰労反省会とでも言う食事がすすんでいきます。

末席に参加していたあの商人のルーツより、お話したい事があるとの言葉がでてきました。

「今回は一番走り回ってもらえたのはルーツさんですが、どのようなお話ですか?」

とクロノは聞きます。


「じつはあのポーションなのですが、わたしの商会で作らせてはもらえないでしょうか?」

という提案なのです。さすがに抜け目のない商人です。

「あの詳しいレシピについては、アンナ様しかご存じないのですが、このような事をいっていますが?」とアンナに話を振りました。

「作り方については教えてかまいませんよ」


ケルンがそこに割って入ります。

ケルンは特によくわかっているのです。これが今回の躍進につながった大変な秘密兵器だからです。

「いつものように、わかってるだろうが、利益を一部アンナ様へまわせよ あの弓の聖女のお守り相当売れてるそうじゃ無いか」

「わかっておりますって、利益をまわしますよ。ここについていくといつもトンデモナイ儲け話が落ちてきますから」

「これらの配分については、クロノ司祭様にお任せします。今回お世話になりましたメラノ侯爵様にもまわるように、皆さんで協議ください」


この製品において、その後アンナにもメラノ侯爵にもそしてルーツにも大きな利益が落ちていくことになります。

アンナは思います。

(ルーツのところでこの製品をつくっても、あれだけの薬はできないでしょう)

(劣化版にはなるでしょうがその劣化版でも、多くの人を救うことができる薬になるでしょうから)

(この製品の本当の所に、重大な秘密が隠されています)


さて 

この異変にベアトリス聖女、キラ聖女以外に気がついたのは、最終日の競技会の時、病院にいた聖女達です。

競技会が行われている最中にも他の患者の治療は続けられていました。

異変を感じたのはその治療を行っていた聖女達なのです……???

「おかしい、おかしいわ」

「何が起こっているの」

「なぜ、こんなにうまく治療ができるの」

「今までにない力がわいてくる」

「なんなのこれは」

そういいながら、その聖女は、次々と治療を行っていきます。


「すごい、こんなに早く治療ができたのは初めてだわ」

「こんなの初めて」

そしてその治療を受けた人は、皆一様に驚きの声を上げていきます。

「よくなってる」

治療していた聖女たちは、

「なにか空気が変わっているような感じがします」

「なにか周りがあかるいような」

「やさしい空気というか、やさしく観られているようなものを感じるんです」


その感じはある時間続き、そしてゆっくりと消えていきました。

「これは院長であるナターシャ聖女様に報告しなければ」ということで報告があがりました。

ナターシャ聖女は、その時競技会の委員の一人として、あの東部アンナ聖女、南部キラ聖女、

北部ベアトリス聖女の治療の判定評価に立ち会っていたのです。


報告はそれが終わって、解散したあとに連絡が来たわけです。

「ナターシャ聖女様、なにか不思議な事態が起こってます」

先ほどの状況を、複数の聖女が口々に連絡してくるのです。


そして始まった時間と消えていった時間から、あの3地区の聖女の治療と重なることに、ナターシャ聖女は気がついたのです。

なにか重大な事が起こっている可能性がある。これは一応教会の方に連絡しておかなければ

と思いました。

そしてその時浮かび上がるのが、自分の弟を救ってくれたアンナ聖女とその時の言葉です。

「聖女は苦しむ人を助けることが仕事ですから」


3地区の聖女の最後の治療の時、光の宝塔が病院全体を覆っていたはずだからなのです。

レベルが低くても治療で高い集中状態にあった聖女だから感じ取ることができたのです。

ナターシャ聖女は院長であるくらいですからレベルは高いのですが、その時はその状態でなかったのでわからなかったのです。


その状態とは(考えるんじゃない感じるんだ)こんな言葉があります。

アンナが3聖女にさせた事は、常に気がついているように、気がつくのは身体、呼吸を含めて常に

それを感じている事です。

感じるという事は今というその瞬間をつねに観ていることです。

それをさせる事で、さらに月輪が得られ、そしてそれが集まり協力することで成し遂げられたのです。

アンナ一人の力だけでは無いのです。


さて食事もお酒が入りだしたので、男の人たちはワイワイ言い始めてます。

聖女達は食事を終え、それではという事で部屋から外のテラスに出て、そこの席に座りました。

ここで食後のお茶です。


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