図書室
小説初心者です!
読んでくださると嬉しいです♪
キーンコーンカーンコーン
帰りのHR終了のチャイムがなる。放課後、私はいつもの場所に向かった。
今日はなんの本にしようかな〜。
私は毎週金曜日、本を借りにいくのだ。
小さな頃から本が好きでよく図書館に借りに行っていた。
金曜日に借りた本を少し夜ふかしして読んで、月曜日に返しに行く。これが私のいつもの日課。
あ……。またいる。図書室の本を読むための机と椅子が用意されているスペースの隅っこでいつも真剣に本を読んでいる男の子。
私はその男の子になぜか惹かれていた。
初めて見たときからなぜか懐かしい感じがしていた。
まだ話したことは一度もない。いつかチャンスがあればと思っているけれど、その時はいつ訪れるのだろう……。
「それでは、来週の金曜日までの貸出になります」
私は今日も話しかけることはできず、本を借りて家に帰ってしまった。
1週間後
今日も本を借りに図書室に来た。
今日もあの男の子はいるのだろうか。
あ……。いる。あれ、でも今日は机に顔を突っ伏して居眠りをしているようだった。
今日も話しかけられずに終わりそうだ。
はぁ、私にもう少し勇気があればなぁ……。
そういえば、あの男の子はいつもどんな本を読んでいるんだろう。
私は男の子の机に置いてある本を見に行った。
「え?!」
私がなんの本を読んでいるのか見ようとした瞬間に男の子が目をさました。
び、びっくりした。
「いつも本、借りに来てるよね?」
「え、あ、はい!」
初めてしゃべった。男の子らしい声。落ち着く声。
「本、好きなの?」
「うん」
「そうなんだ。なにかおすすめある?」
おすすめ?!どうしようかな。
「そうだなー。じゃあこの本」
私は近くの本棚からおすすめの本を探し出し渡した。
「ありがとう!あ、そうだ。これお礼」
男の子はポケットからカルピス味のキャンディーを出して私に渡した。
「え、ありがとう」
1 週間後
「あ!いたいた!」
あの男の子に声をかけられた。
「あ、あのときの……」
「本、ありがとう」
男の子は私に本を差し出した。
「あ、うん!」
私に本を返したけど、この本、学校のなんだよな。
そう思いながら私は本をペラペラめくっていった。
あれ?何か紙が挟まっている。なんだ?
『良かったら、名前と連絡先、教えてください
律樹』
律樹?この男の子の名前?なんかどこかで聞いたことあるような気がする。
律樹くんは私が紙を見ているのを顔を赤くして見ている。
「え、えっと……」
「あ、あの。嫌だったらいいから」
律樹くんは走って図書室を後にしてしまった。
え、どうしよう。
律樹くん。どこで聞いた名前だろう。
1週間後
私はまた図書室に向かった。メモ帳に連絡先と名前を書いて……。もし、律樹くんに会えたら交換したい。
あれ、いない……。律樹くん。今日は来ないのかな。
ガラッ
図書室のドアが開いた。律樹くんだ……。
連絡先……。渡したいな。
「あの……!これ、連絡先……」
そういいながら私は連絡先と名前が書いてあるメモ帳を渡した。
「え、あ……。覚えててくれたんだ……。ありがとう」
律樹くんはメモ帳を受け取ると、携帯電話で登録をし始めた。
「ねぇ、俺のこと覚えてない?」
登録をしながら律樹くんはつぶやいた。
覚えてない?え、やっぱりどこかで会ってる?どこかで会ったことあるような気がするんだけど……。
「小さな頃、図書館でよく会って一緒に読んでたよ」
「あ!!あの律樹くん?!」
思い出した。私が5歳の頃、読みたい本がなくて泣いててそれで、ちょうど律樹くんがその本を返しに来て、それで仲良くなったんだ。
「やっぱり由良だったか。良かった、あってて」
「初めて見たときからそうかなって思ってたけど、眼鏡してるからわからなかった」
「ごめん」
「眼鏡したほうがかわいい人もいるけど由良は眼鏡取ったほうがかわいいよ」
律樹くんはそういいながら私の眼鏡を取った。
1年後
「律樹!今日も図書室で待ち合わせね!」
「おっけー」
私達は恋人同士になった。
眼鏡を取ったほうがかわいいと言われたあの日から私はコンタクトレンズに変わった。
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