外を歩いてて、ねぇ!と大きい声が聞こえ自分だと思って振り返ると、全く自分に関係ない人に対して言ってて、何事もなかったかのように歩くけどその後は恥ずかしくって内心穏やかじゃない。
着物の少女っていう響きだけで僕は怖いです。
「もし、失礼ですが○○様と○○様でございますか?」
そんな上品な言葉遣いが聞こえ、振り返るとそこには着物を着た、幼い少女が立っていた。
「おわぁ!」
男は驚き、その状況でも冷静な友人の背後にまわり、身を隠した。
「・・・・・・」
驚くのも無理はないだろう、先刻まで周りには誰もいないことを確認し、2人だけだと確信を持ち、自分達に何が起こったのかを思案していたところだったのだから。
ましてや、その声をかけてきた人物は、まだ幼い少女だったのだ。
「い、いつからいたんだ!君!」
「私はずっと前に、こちらに来たのですが、私用で外していたところ、貴方様がお目覚めになられたので、お声をおかけしました。」
驚きすぎて、冷や汗が止まらない友人のために、男は冷静に問いかけた。
「質問してもいいかな。」
「・・・お答えできないこと以外は、なんなりと」
男は少女の目をじっと見て、そう聞いた。まるでアイコンタクトをするかのように、少女の瞳だけを見て聞いたのだ。
「まず、なんで俺たちの名前を知っているんだい。」
「この世界に私達の知らないことは無いからでございます。」
「・・・・・・この世界っていうのはなんなんだい。ここはどこなんだい。」
「それは、私についてきていただければお分かりになります。」
「君は一体何?」
「皆様と同じだったものでございます。」
「最後にこんなところで私用って、何か用事でもあったのかい?」
「はい、上の者と掛け合った結果、おふたりにこの世界を見学させても良いと言う結論に至りました。」
「なるほどね。」
「・・・いや、なるほどねっじゃないよ!どういう事よ?なんで今ので納得出来んだよ」
友人の後ろで話を聞いていた男が、たまらず口を割った。
「・・・ちょっと、来い。」
そういうと、口やかましい男の腕をグイッと引っ張り、少女から少し離れたところで、小さく話し始めた。
「えぇ!おい、なんだよどういう事だよ!あの子全然何も答えてなくね?なんか、全部はぐらかされた感じがしたんだけど!」
まだ、興奮が冷めず、あまり少女と離れた意味が無いような声量で話し始めた。
「まぁ、とりあえず落ち着け。」
そういわれ深く息を吐いて、心を落ち着かせた。
「・・・ふ〜、悪い。」
「よし、まず結論から言うぞ、あの子についていこう。」
「はぁぁぁぁ!!!」
友人の言葉に驚きのあまり、男が声を張り上げた。
「ちょ、お前どういう事だよ!あんな気味悪い子について行っちゃやばいだろ!絶対呪われるよ!殺されるよ!呪い殺されるよ!!半端ねぇ呪い持ってそうだもの!特級呪霊クラスだぞあの目は!」
「いいから、黙って話を聞け。いいか、俺たちはこの世界を全く知らなすぎる、だか、・・・脱出する為にはここがどういうところか知らなければいけない。そのためにはあの子に案内してもらい、ここを教えてもらうしかないだろ。」
「いや、まぁそうだけど〜。」
友人の話を聞きながら、少女に顔をチラッと見てみると、瞬きもせず、微笑んだ顔のまま、手を体の前で重ねた状態のまま、微動だにせず、こちらを凝視していた。
男は顔を戻し、下を向いたまま、言った。
「無理、無理無理マジ無理、ちょー怖い。マジでこの年でちびりそう。」
「いいから、それともずっとこの場所にいるか?」
「ウッ!そういわれるとそうだけどよ〜」
そういうと男は俯き考えた。
「どうするんだ、早く決めろ」
この状況を打破したいが、恐怖心が邪魔をする。そういうことを考えていたが、友人に急かされいよいよ覚悟を決めた。
「だぁぁ!分かったよ!行くよ!こうなりゃヤケだ!」
そういうと、男たちは顔を少女に向け、
「よし、それじゃあ案内を頼もうか!」
その顔は一方は恐怖と不安で、今にも泣き出しそうな気持ちでいっぱいという事が丸わかりの顔で、もう一方は、どことなく、悲しそうに、そして静かに覚悟を決めたような顔をしていた。
その男たちに対して、少女は深々と頭を下げ、
「かしこまりました、では参りましょう。私にしっかりついてきてくださいね。」
とだけ言い、後ろを向きゆっくりと歩き始めた。
前の人が手を振ってて、それに振り返したら自分の後ろの人に手を振ってたっていう恥ずかしいことって、僕だけじゃないですよね。皆さんやったことありますよね。