昨今の暑すぎる世の中、その中での考え方は皆大体同じ
自分良いことをしたと思っていたら、それが相手にとっては悪いことだったとか、いやでも、やったら感謝されたよって言ってもそれが本心かは分からないよね。
まぁ、何が言いたいかというと、良いことは悪いことになる可能性はあるけど、悪いことは最初から悪い。
「あ〜、暑い!熱い!あつい!暑すぎる!!」
数え切れないほどの人が横行し、ごった返している中に、うだるような暑さで愚痴をこぼしながら歩いている男がいた。
「どうなってんだよこの暑さは、汗が一向に止まらねぇよ、俺今なら鉄板の上の玉ねぎの気持ちが分かる気がするわ。そりゃあ、熱せられたらあんな透明になっちゃうよ、汗とともに俺の中の大事な何かも一緒に流れ出てる気がするよ。本当に俺も透明になっちゃうよ。」
「訳の分からない気持ち悪い例えしてないでしっかり歩けよ。」
一緒に歩いていた男がたまらずその言葉に返した。
「だってよぉ、こんな暑いのになんで俺は歩いてんだよ。」
「それはお前が借りたDVDの期限が今日までだからだ。その返却に付き合わされてる俺の方がその言葉を言いたいわ。」
「しっかしこんな暑いと思わねぇしよぉ、死んじゃうよこの暑さは。たとえ蝉でもこの暑さの中じゃ鳴いて女を口説くどころじゃないよ、クーラーガンガン効いた部屋でラーメン食いたい気分だろうよ。」
「そんな地球環境を全く考えないで自分の欲望を叶えようとするバカはお前だけだ。少しはまわりのスーツ着たおっさん達を見習え。」
「あいつらは人間じゃねぇんだよ、人間という括りで扱ってはいけないんだ。彼らのことは戦士と呼べ。こんな暑さでキッチリしたスーツなんて人間じゃねぇよ。」
「まぁ、それはどうでもいいけどよ、暑いなら早く歩けよ、さっさと用事済ませてコンビニでアイスでも買おう。」
歳は20代、いや下手をすると10代後半の男達がそんなしょうもない会話をしながら、今日という日を消費していくのだった。
「日本はどんどん暑くなるなぁ。こんなに暑いと、いっそ死んだ方が楽だと思えてくるわ。」
「滅多なことを言うな、死にたくて死ぬ人が大勢いるわけじゃないんだぞ。お前は死ぬ死ぬって軽く言いすぎだ、少しは考えてものを言え。」
「へぇへぇ、分かりやしたよ。でもまぁ、良いじゃん。人はいつか死ぬしさ。死ぬ時に生きたいって言うんだから、生きてる時に死ぬ死ぬ言っとかないと損だろ!」
「はぁ、アホみたいな考え方だな。」
そう、人はいつか死ぬ、ただその迫っている死が自分にはまだまだ先と考えてる人が居る。いや、頭では分かっているだろう。死ぬのは突然だ、病気で、事故で、心臓がいきなり止まるかもしれない、暴走する車に気づかずに後ろから跳ねられるかもしれない、見知らぬ人になんとなしに刃物で刺されるかもしれないと、頭では考えるが身構えてはいない。なら、それが突然来たらどうなるのか、そしてその後意識はどこに行くのか。
読んでいただきありがとうございます。
初めて、小説を書き、初めて人に自分の書いてみた物語を見せました。
前から書きたいという気持ちはあったんですが、何とも、面倒くさがりでやってみたら意外と考えが出てきて、書いてみました。
これから時間を見つけて書いていきたいと思います。よろしくお願い致します。