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水芭蕉

作者: 奏深海

「これ何の花?」私の右手を繋いでいる娘が聞いた。緑に染まった山々から娘の人差し指の先にある左右に割れた葉の間に白いくにゃっとした花が咲いている。水芭蕉だ。私が水芭蕉を知ったのは中学2年生のとき、音楽の授業で水芭蕉の歌を習ったことが水芭蕉という花の存在を知るきっかけになった。さらに、私の記憶に水芭蕉を印象付ける出来事があった。音楽の授業で私は指名され、教科書に書かれている水芭蕉の歌詞を音読し、当時の音楽の担当教師に褒められたことである。その2つの出来事が1コマ50分授業の中で同時に行われたことで水芭蕉という言葉を耳にするたびに歌詞を思い出す。「お母さん!」娘の声でハッと我に返った。「お母さん、さっきからボーッとしてるけど大丈夫?」「ああ、うん。大丈夫。」「それならよかった。ところで、お母さん。この花何て言う花?」私は一回、間をおいて言った。「水芭蕉だよ」

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